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第弐章
神々の戯れ
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刻は神々の住む「エデンガーデン」より大山和真たちの住む下界へと移る。
大山和真は文武共に才能を持ち、そのせいかこの世界を少し荒んだ眼で見てしまう。
時として非常に冷酷な一面を持ち、その類まれなる才能で利用できる者は出がらしになるまで使う。まさに悪魔のような男だ・・・。
しかし、そんな和真も唯一心を許している存在が、アマテラスのコマである平野葵だ。
彼女はスポーツはからっきしだが、人並みに学問を得意とし、成績においては常に上位に位置している。葵の性格は天真爛漫で常に笑顔が絶えず、男女共に愛されており、非常に人辺りが良い性格をしている。
幼なじみの和真とはまさに月と太陽のような関係であり、幼なじみという関係からかお互いがお互いをとても信用している。
つまり、和真にとって唯一と言えるほど葵の存在は大きく、とても大切な関係と言えるだろう。
このゲームが始まるまでは・・・
時を同じくし、「エデンガーデン」では・・・。
最高神がサイコロを振っていた。
「私の出た目は・・・、②だな!」
盤上の駒を進ませていた。
(このマスでは自身の駒の職業をする。その後1回休み。)
すると、モニターに下界の様子が映し出された。そこには和真が登校する様子が映し出され、辺りが騒然とする。
「人生ゲーム・・・つまり我々が振るサイコロによって彼らの人生が左右されるということなのか?」
メーティスは愕然とした様子で言った。
今わかる情報として、マス目には何も書かれておらず、駒によってそのマスでの出来事が異なる。
唯一得られる情報は盤上のマス目の色が違っていることだけで、他に得られる大きな情報はなく、重たい空気が漂う。
「これはゲームであろう?楽しもうではないか?」
そんな中、ハデスは意気揚々とサイコロを振る。
(ハデス様の出目は②です。2マス動いて下さい。)アナウンスの指示に従い、ハデスが駒を進める。
(路上でサラリーマンと会う。高額デスクを売り20万円を騙し取る。)
そして、またもやモニターに現れたのはハデスのコマである人間がサラリーマンに声をかけようとしているところだった。
いかにもセールスマンのような容姿で近付き、「すみません!」と声をかけた。
「お兄さん、今からどちらに行かれるんですか?」
セールスマンは怪しまれないようにすかさず名刺を差し出し話を続けた。
「私こういう者でして、ソフトウェアやハードディスク等を売っておりまして、宜しければお話だけでもいかがですか?」と言葉巧みに話をする。
サラリーマンが断ろうとした素振りを見せると
「お時間はお取りしませんので私に2~3分程お時間頂けませんかね?今回限りの特別サービスでして・・・この気を逃すと次は無いかもしれないので、是非ともお兄さんには聞いてもらいたいと思いますので!」と強引に頷かせる。
「ありがとうございます」と一礼し
「こちらのディスクなのですが、お兄さんパソコンはお使いになられますよね?でしたらウイルス等お困りではないでしょうか?こちらなんですがコンピュータウイルスを検知し自動でそれらの駆除を行ってくれるディスクとなっております。こちらを挿入して頂くだけでOK!こちら最新型となりましてまだ市場には出回っていない物となります。パソコンがフリーズしてしまう心配や、データを損失してしまう心配はこれ一つで解決!いかがですか?」
とセールスマンが尋ねる。
それを見ていた神達は、こんなもの買うはずが・・・と呆れていると・・・
「わかりました、私も丁度困っていたので助かります!」サラリーマンがあっさりと首を縦に振った。
その姿を見たウラヌスは
「バカな!あんな物ただの詐欺ではないか!そんなことわかる、はずでは・・・」
その時、ウラヌスが盤上のマス目に目を向け、その後青ざめた様子でモニターに目を向けた。
「これが、今の我々の置かれている現状だと言うのか・・・そのマス目に止まると必ず下界で同様のことが起きてしまう。自身のコマだけでなく、コマはこの世の全ての生きる人々だとでも言うのか・・・」
あまりの絶望に、地面に膝をつく。
「こんなことをしてなんになる!こんなモノ、ゲームでもなんでもない!ただの愚行だ!即刻ゲームの中止を提案する!」
ウラヌスが最高神に異を唱える。
「よかろう、しかしその時はお前には死んでもらうがな。あぁ~、それともちろん主を失ったコマにも消えてもらおうか。」
さぁ、どうする?と最高神がウラヌスに選択肢の無い選択を迫った。
グッ・・・、とウラヌスが唇を噛みしめ席へとついた。
「これは選別なのだよ!低俗な人種も神もこの世には必要ない!だからこそこのゲームをすることに価値が生まれるのだ。よく聞け愚かなる神々よ、これはゲームではない。文字通り互いの人生を賭けた人生ゲームだ!」
最高神は高らかに宣言した。
一同は唖然とし言葉を発せる者は誰一人としておらず、ゲームが再開された。
コロコロ......。
アマテラスのサイコロの出た数字は⑤。最高神と同じマス目に止まった。
(同じマス目に止まった時、下界でも同様にその人物同士が遭遇します。そこで起こるイベントは、互いのコマ同士のみが知ります。言わばコマ自身の運命が試される状態となります。つまり、彼らの生活そのものがマス目のイベントとなります。)
(皆様モニターにご注目下さい。只今より運命イベント開始となります。)
アナウンスと共にモニターに2人の様子が映し出された。
時は遡ること和真と葵の登校時刻。
こうして2人は同時刻、時を同じくしてはち合わせをしたのだった。
運命とは皮肉なもので全ては盤上で起こった出来事。
生きるというものは、自分たちが生きているかのように見えるが、それは神々による単なる遊戯でしかないのだ。
この時はまだ誰もそんな事を考える者はいなかった・・・。
いや、この先も出ることは無いはずだった。
あの時までは・・・。
大山和真は文武共に才能を持ち、そのせいかこの世界を少し荒んだ眼で見てしまう。
時として非常に冷酷な一面を持ち、その類まれなる才能で利用できる者は出がらしになるまで使う。まさに悪魔のような男だ・・・。
しかし、そんな和真も唯一心を許している存在が、アマテラスのコマである平野葵だ。
彼女はスポーツはからっきしだが、人並みに学問を得意とし、成績においては常に上位に位置している。葵の性格は天真爛漫で常に笑顔が絶えず、男女共に愛されており、非常に人辺りが良い性格をしている。
幼なじみの和真とはまさに月と太陽のような関係であり、幼なじみという関係からかお互いがお互いをとても信用している。
つまり、和真にとって唯一と言えるほど葵の存在は大きく、とても大切な関係と言えるだろう。
このゲームが始まるまでは・・・
時を同じくし、「エデンガーデン」では・・・。
最高神がサイコロを振っていた。
「私の出た目は・・・、②だな!」
盤上の駒を進ませていた。
(このマスでは自身の駒の職業をする。その後1回休み。)
すると、モニターに下界の様子が映し出された。そこには和真が登校する様子が映し出され、辺りが騒然とする。
「人生ゲーム・・・つまり我々が振るサイコロによって彼らの人生が左右されるということなのか?」
メーティスは愕然とした様子で言った。
今わかる情報として、マス目には何も書かれておらず、駒によってそのマスでの出来事が異なる。
唯一得られる情報は盤上のマス目の色が違っていることだけで、他に得られる大きな情報はなく、重たい空気が漂う。
「これはゲームであろう?楽しもうではないか?」
そんな中、ハデスは意気揚々とサイコロを振る。
(ハデス様の出目は②です。2マス動いて下さい。)アナウンスの指示に従い、ハデスが駒を進める。
(路上でサラリーマンと会う。高額デスクを売り20万円を騙し取る。)
そして、またもやモニターに現れたのはハデスのコマである人間がサラリーマンに声をかけようとしているところだった。
いかにもセールスマンのような容姿で近付き、「すみません!」と声をかけた。
「お兄さん、今からどちらに行かれるんですか?」
セールスマンは怪しまれないようにすかさず名刺を差し出し話を続けた。
「私こういう者でして、ソフトウェアやハードディスク等を売っておりまして、宜しければお話だけでもいかがですか?」と言葉巧みに話をする。
サラリーマンが断ろうとした素振りを見せると
「お時間はお取りしませんので私に2~3分程お時間頂けませんかね?今回限りの特別サービスでして・・・この気を逃すと次は無いかもしれないので、是非ともお兄さんには聞いてもらいたいと思いますので!」と強引に頷かせる。
「ありがとうございます」と一礼し
「こちらのディスクなのですが、お兄さんパソコンはお使いになられますよね?でしたらウイルス等お困りではないでしょうか?こちらなんですがコンピュータウイルスを検知し自動でそれらの駆除を行ってくれるディスクとなっております。こちらを挿入して頂くだけでOK!こちら最新型となりましてまだ市場には出回っていない物となります。パソコンがフリーズしてしまう心配や、データを損失してしまう心配はこれ一つで解決!いかがですか?」
とセールスマンが尋ねる。
それを見ていた神達は、こんなもの買うはずが・・・と呆れていると・・・
「わかりました、私も丁度困っていたので助かります!」サラリーマンがあっさりと首を縦に振った。
その姿を見たウラヌスは
「バカな!あんな物ただの詐欺ではないか!そんなことわかる、はずでは・・・」
その時、ウラヌスが盤上のマス目に目を向け、その後青ざめた様子でモニターに目を向けた。
「これが、今の我々の置かれている現状だと言うのか・・・そのマス目に止まると必ず下界で同様のことが起きてしまう。自身のコマだけでなく、コマはこの世の全ての生きる人々だとでも言うのか・・・」
あまりの絶望に、地面に膝をつく。
「こんなことをしてなんになる!こんなモノ、ゲームでもなんでもない!ただの愚行だ!即刻ゲームの中止を提案する!」
ウラヌスが最高神に異を唱える。
「よかろう、しかしその時はお前には死んでもらうがな。あぁ~、それともちろん主を失ったコマにも消えてもらおうか。」
さぁ、どうする?と最高神がウラヌスに選択肢の無い選択を迫った。
グッ・・・、とウラヌスが唇を噛みしめ席へとついた。
「これは選別なのだよ!低俗な人種も神もこの世には必要ない!だからこそこのゲームをすることに価値が生まれるのだ。よく聞け愚かなる神々よ、これはゲームではない。文字通り互いの人生を賭けた人生ゲームだ!」
最高神は高らかに宣言した。
一同は唖然とし言葉を発せる者は誰一人としておらず、ゲームが再開された。
コロコロ......。
アマテラスのサイコロの出た数字は⑤。最高神と同じマス目に止まった。
(同じマス目に止まった時、下界でも同様にその人物同士が遭遇します。そこで起こるイベントは、互いのコマ同士のみが知ります。言わばコマ自身の運命が試される状態となります。つまり、彼らの生活そのものがマス目のイベントとなります。)
(皆様モニターにご注目下さい。只今より運命イベント開始となります。)
アナウンスと共にモニターに2人の様子が映し出された。
時は遡ること和真と葵の登校時刻。
こうして2人は同時刻、時を同じくしてはち合わせをしたのだった。
運命とは皮肉なもので全ては盤上で起こった出来事。
生きるというものは、自分たちが生きているかのように見えるが、それは神々による単なる遊戯でしかないのだ。
この時はまだ誰もそんな事を考える者はいなかった・・・。
いや、この先も出ることは無いはずだった。
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