人生ゲーム

第陸章

集いし神々

　これまでの動きを振り返っていきましょう。

　ゼウス、ハデス、アマテラス、メーティス、ポセイドン、ガイア、ウラヌスこの7名の神によりゲームが開始されました。

　まず最初に最高神であるゼウスがサイコロを振って5マス進み、職業が男子高校生大山和真となりました。

　次にハデスがサイコロを振り10マス進みます。ここでも同様に職業を選ぶマスでした。この、ハデスの動きにより10マス目までは確定で職業を選ぶマスであることが伺えます。ここでハデスは詐欺師さぎしとなりました。

　その次にアマテラスがサイコロを振り2マス進み、職業は女子高生平野葵がコマとなりました。

　このあとも同様に、メーティスが4マス進み、職業は看護師安達恵となり、ポセイドンは1マス進み、職業は水泳選手風間真司がコマとなりました。

　残り2人も順番にサイコロを振り、ガイアは3マス進み職業は大工大倉大輔、ウラヌスは8マス進み、職業はパイロット村田弓弦が最後のコマとなりました。

　ここまでは、神の人間コマと職業を決めるマスとなっております。

　最初の時点で最もコマを進めたのはハデスとなり、通常の人生ゲームであれば1度リセットされますが、これは人間コマ自身の人生と神の命をかけた人生ゲームです。

　よって、進んだマスから再度ゲームが再開されることとなります。

　つまり、ここからが人生ゲームの本当の意味でのスタートラインという事となるのです。それ故ゆえに、あえてここでは何周目とは言わないでおきましょう。

    そして、最高神ゼウスからゲームが再開されました。

　再びサイコロを振り2が出ました。

　2マス進み、このマスでは和真コマは学校へ向かい１回休みとなります。

    次にハデスも2マス進み、詐欺師はサラリーマンから20万円を騙し取りました。ここで神々はこのゲームがもたらす下界への影響力を思い知ることとなります。

    その後アマテラスが5マス進み、ゼウスの駒と重かさなり運命イベントが開始されました。運命イベントが発生するとそれ以前に出たマス目の内容は取消となり、新たなイベントが形成されます。その内容は、互いのコマの運命力に委ゆだねられ、何が起こるかは神にも予測することが出来ず、そこで起こりうることは全て現実のものとなり、コマを扱う者にも影響を及ぼします。

    そして神々はようやく、このゲームの真の恐ろしさに気が付くのでありました。

　その後は順当にコマを進めていきます。

　さて、ここまでが前回までの近況報告となります。

　それではここからは序列についての説明をしましょう。

　先ず、元々地位の高い最高神の座に君臨するのが「ゼウス」です。このゲームを始めようと言い出した張本人ですね。しかしながら、彼の心に巣食う闇が彼の思考や心を大きく変えてしまったのです。

　次に命を生み出したとされる神「ハデス」です。この者は掴みどころがなく、行動の予測できない厄介な神であり、命のやり取りにおいてはこの神が有利にことを運ぶことができるでしょう。

　そして、最高神ゼウスの幼なじみである太陽神「アマテラス」。この神は、ゼウスが就任したと同時に神の地位に昇格しました。つまり、それ以前の神が蹴落とされたことになりますが、それはまた別のお話･･･。

　しかしながら、実質的なＮｏ．2の地位に君臨するのはアマテラスであり、ハデスは傍観者ぼうかんしゃとして全てを見ている。

　次に、あらゆる生物に知恵を与えた神「メーティス」である。メーティスは、アマテラスと同じく女性の神であり、初の女性の神としてその地位を確立していた。

　そして、大地・海と同等の地位である、大地を築きし神「ガイア」と大海を生み出しし神「ポセイドン」である。この2人によって生命の行き場所が誕生したと言っても過言かごんではありません。

　最後に、7人目の神にして人類を生み出した神「ウラヌス」。人類はウラヌスにより管理され見守られ秩序を保たれて来た。人類に寿命を与え、時には人類の歪んだ欲望に絶望し、心を痛め見守っていました。

　今回の件で最も心を痛めているのはウラヌスでしょう。

　これが下界を維持するために集められた六神ろくしんと最高神である。

　申し遅れました、私･･･。

　「カオス」と申します。

　時に、この物語のナレーターとして皆様にご説明させて頂いたり、時にゲーム進行を務めさせていただいております。

　「以後お見知りおきを･･･」

　「それではこれより現状に戻らせて頂こうと思います。皆様、この物語の整理はできましたか？」

　それでは引き続きデスゲームをご堪能下さいませ。

　「それでは二巡目にじゅんめに移行したいと思います。準備はよろしいですか？」

　カオスが神々に確認を取る。

　「皆様準備も出来ておられるようですので、これよりゲームを再開致します。」

　これから先は今までよりもさらに過酷かこくなものとなるでしょう。

　これまでの物語はほんの序章にすぎません。