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第拾弐章
太陽の能力
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アマテラスの身体から今までに無いほどの魔力が溢れ出ました。高熱を帯びたオーラは太陽を彷彿とさせる程で、その力はプロメテウス以上のものでした。
その力を見たゼウスが、アマテラスに結晶を渡しました。結晶はアマテラスに渡ると、自ら溶け出しアマテラスの身体へと入って行きました。
その瞬間、アマテラスのオーラは激しさを増し、オレンジだったオーラまるで命が宿ったかのように、熱く燃え盛る太陽が如く燃えているようでした。
「やはり我の睨んだとおりだ!アマテラスには才能があった!」
アマテラスの姿を見て喜びを隠せないゼウス。先程ゼウスが渡した結晶こそがプロメテウスから奪った恩恵だったのです。生きとし生けるものに温もりと光をもたらす太陽の力、太陽に目覚めのです。
しかし、その魔力は不完全で、自身の恩恵に呑み込まれそうになっていた。太陽の恩恵は思いのほか魔力の消費が激しく、アマテラスは悲鳴をあげて苦しむ。その姿に少し動揺を見せるゼウスだったが、最高神としての能力を遣い暴走を食い止めようとする。
「この地に生まれし自然の力、汝に秘めたる真なる力を解き放ち、我が声が聞こえたならば主とし、その者に力を授けよ!聖なる加護」
その瞬間、暴走していた太陽の恩恵がまるで意志を持っているかのように、アマテラスの中に入り込んで行きました。こうして、無事にアマテラスに結晶となった太陽の恩恵を与えることに成功したのです。
「はぁ・・・はぁ・・・、なんとか、抑え込むことに成功したな・・・。これだけの魔力を消費するとは・・・、さすがに・・・儀式の後では・・・。」
ゼウスも魔力をほとんど使い切りその場に倒れてしまった。
「・・・ウス、ゼ・・・ス、ゼウス。」
誰かがゼウスを呼ぶ。
(・・・この声、どこかで聞いたような・・・)
ゼウスは夢の中で幼い日のことを思い出していた。ゼウスが目を覚ますと、アマテラスに膝枕をされており、アマテラスの能力とも言える緋色の結界の中にいた。
「やっと目を覚ましましたね」
アマテラスがゼウスに優しく笑いかける。
「ここは・・・」
ゼウスは目覚めたばかりで少し思考が鈍っていた。
「ここは、私が創り出した結界の中です。とても疲弊しておられたので、聖なる太陽の輪を展開し、あなたの魔力を回復しておりました。」
アマテラスがゼウスの顔を覗き込みながらいった。
う、うぅ・・・
ゼウスは苦しそうに体を起こそうとするが、アマテラスがそれを見てそっと肩に手を乗せる。
「まだ魔力が完全には回復しきっておりません。もう少しお休み下さい。」
そう言うと、アマテラスがそっと寝かしつけた。ゼウスはアマテラスの心配を押し切り立ち上がろうとする。
「それは出来ない。アマテラスの太陽の能力が覚醒した今、私にはやるべきことがある。こんなところでゆっくり休んでいる暇などない。」
ゼウスは、疲弊した体を無理やり起こしアマテラスに尋ねた。
「アマテラス、あの儀式の後からどれほどの時間が経過した?」
アマテラスが少し考えて答えた。
「私はそれ程ダメージをおっていた訳ではありませんので、数時間ほどで目が覚めましたが・・・。あなたは私のために相当量の魔力を使用して3日程眠っておりましたよ?ゼウス、あなたが使用した魔力量は致死量に達しておりましたので・・・。」
そう言うとゼウスが深刻そうな顔をして俯く。するとゼウスが1つの疑問にいきついた。
「まさか、私が寝ている間ずっと看病していてくれたのか?」
驚いた表情でアマテラスに尋ねる。アマテラスが小さく頷くと話し始めた。
「私の聖なる太陽の輪は、ゼウスだけでなく私にも力を与えてくれるようで、サークルを展開している間はサークルを解除するまで、サークル領域内全ての者を回復し続けるようです。しかし、難点も1つあり・・・。このサークルを展開中は私は他の能力を使用することが出来ないのです。」
アマテラスが自身でいきついた答えだった。
(さすがはアマテラスだ。この短期間のうちにこの力のメリットとデメリットに気がつくとはな。やはりアマテラスの力は今後我にとって大きな意味をもつだろう。)
ゼウスはアマテラスの能力に賞賛と同時に一つの脅威として考えていた。その後、ゼウスはアマテラスを太陽神に任命し、正式にアマテラスは太陽神としてその座に着くこととなる。
これが、アマテラスが今の地位に着くまでの話と、先代太陽神にまつわる全てである。今はアマテラスの能力を皆も認めており、誰一人として反旗を翻す者はいなくなった。
現在に至るまで本当に良き働きをしてくれた。だが、驚異になりうる可能性のある者は早いうちから対処しなくてはならない。
我が理想のために・・・。
その力を見たゼウスが、アマテラスに結晶を渡しました。結晶はアマテラスに渡ると、自ら溶け出しアマテラスの身体へと入って行きました。
その瞬間、アマテラスのオーラは激しさを増し、オレンジだったオーラまるで命が宿ったかのように、熱く燃え盛る太陽が如く燃えているようでした。
「やはり我の睨んだとおりだ!アマテラスには才能があった!」
アマテラスの姿を見て喜びを隠せないゼウス。先程ゼウスが渡した結晶こそがプロメテウスから奪った恩恵だったのです。生きとし生けるものに温もりと光をもたらす太陽の力、太陽に目覚めのです。
しかし、その魔力は不完全で、自身の恩恵に呑み込まれそうになっていた。太陽の恩恵は思いのほか魔力の消費が激しく、アマテラスは悲鳴をあげて苦しむ。その姿に少し動揺を見せるゼウスだったが、最高神としての能力を遣い暴走を食い止めようとする。
「この地に生まれし自然の力、汝に秘めたる真なる力を解き放ち、我が声が聞こえたならば主とし、その者に力を授けよ!聖なる加護」
その瞬間、暴走していた太陽の恩恵がまるで意志を持っているかのように、アマテラスの中に入り込んで行きました。こうして、無事にアマテラスに結晶となった太陽の恩恵を与えることに成功したのです。
「はぁ・・・はぁ・・・、なんとか、抑え込むことに成功したな・・・。これだけの魔力を消費するとは・・・、さすがに・・・儀式の後では・・・。」
ゼウスも魔力をほとんど使い切りその場に倒れてしまった。
「・・・ウス、ゼ・・・ス、ゼウス。」
誰かがゼウスを呼ぶ。
(・・・この声、どこかで聞いたような・・・)
ゼウスは夢の中で幼い日のことを思い出していた。ゼウスが目を覚ますと、アマテラスに膝枕をされており、アマテラスの能力とも言える緋色の結界の中にいた。
「やっと目を覚ましましたね」
アマテラスがゼウスに優しく笑いかける。
「ここは・・・」
ゼウスは目覚めたばかりで少し思考が鈍っていた。
「ここは、私が創り出した結界の中です。とても疲弊しておられたので、聖なる太陽の輪を展開し、あなたの魔力を回復しておりました。」
アマテラスがゼウスの顔を覗き込みながらいった。
う、うぅ・・・
ゼウスは苦しそうに体を起こそうとするが、アマテラスがそれを見てそっと肩に手を乗せる。
「まだ魔力が完全には回復しきっておりません。もう少しお休み下さい。」
そう言うと、アマテラスがそっと寝かしつけた。ゼウスはアマテラスの心配を押し切り立ち上がろうとする。
「それは出来ない。アマテラスの太陽の能力が覚醒した今、私にはやるべきことがある。こんなところでゆっくり休んでいる暇などない。」
ゼウスは、疲弊した体を無理やり起こしアマテラスに尋ねた。
「アマテラス、あの儀式の後からどれほどの時間が経過した?」
アマテラスが少し考えて答えた。
「私はそれ程ダメージをおっていた訳ではありませんので、数時間ほどで目が覚めましたが・・・。あなたは私のために相当量の魔力を使用して3日程眠っておりましたよ?ゼウス、あなたが使用した魔力量は致死量に達しておりましたので・・・。」
そう言うとゼウスが深刻そうな顔をして俯く。するとゼウスが1つの疑問にいきついた。
「まさか、私が寝ている間ずっと看病していてくれたのか?」
驚いた表情でアマテラスに尋ねる。アマテラスが小さく頷くと話し始めた。
「私の聖なる太陽の輪は、ゼウスだけでなく私にも力を与えてくれるようで、サークルを展開している間はサークルを解除するまで、サークル領域内全ての者を回復し続けるようです。しかし、難点も1つあり・・・。このサークルを展開中は私は他の能力を使用することが出来ないのです。」
アマテラスが自身でいきついた答えだった。
(さすがはアマテラスだ。この短期間のうちにこの力のメリットとデメリットに気がつくとはな。やはりアマテラスの力は今後我にとって大きな意味をもつだろう。)
ゼウスはアマテラスの能力に賞賛と同時に一つの脅威として考えていた。その後、ゼウスはアマテラスを太陽神に任命し、正式にアマテラスは太陽神としてその座に着くこととなる。
これが、アマテラスが今の地位に着くまでの話と、先代太陽神にまつわる全てである。今はアマテラスの能力を皆も認めており、誰一人として反旗を翻す者はいなくなった。
現在に至るまで本当に良き働きをしてくれた。だが、驚異になりうる可能性のある者は早いうちから対処しなくてはならない。
我が理想のために・・・。
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