カルピスサワー

ふうか

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「んっ、んっ……」

 揺さぶられる度に息を詰めた声がもれる。

 宮下はゆっくり動いてくれているけれど、とにかく入口の所がびっくりするくらい熱くて胎の中が苦しい。喘ぎ声というより呻き声が出てしまいそうで、必死で声を殺した。

 身体を起こしたまま俺の腰を掴んでいた手が、思い出したようにするりと動き手探りで握られて、ひっと声が出た。

「苦しい、ですよね……。こっちもしたら、少し楽になりますか?」

 いくら声を押し殺しても苦しいのなんてバレてる。
 興奮で芯を持ち始めたものの、まだふにゃりと柔らかい性器を宮下の指が掴んで扱いた。

「ぁっ」

 現金なもので、性器をにぎられた途端ゾクゾクゾクッと身体の中を電流が走る。頭の中の琴線が、あっと言う間にピンと張った状態になった。
 ゆっくりと動く宮下の動きに合わせてゆっくりと扱かれて、性器が徐々に固さを取り戻していくと、胎の中でも変化が起こり、さっき指で刺激されたあたりがムズムズとして来た。

「はっ、ぁ、ぁ、ぁんっ」

 押し殺した声に、甘い色が加わったのが自分でもわかった。……それは、当然宮下にも筒抜けで……。

「加藤さん……」

 名前を呼ばれて、ぐいっと奥まで挿し込まれて「うぁっ」と声が出た。反射で身体がビクビクと跳ねる。
 それは快感というより衝撃で、気持ちいいというより苦しくて。
 ぐぐっと自分が宮下を締め付けるのがわかった。

「ぅっ……、かと、さんっ……、んっ。そんなに、締めないで……」

 イっちゃうから、と呻かれて「イっていいよ」と思ったけれど、言葉には出来なかった。

「ぁー……、っ、ぁ」

 締め付ける自分の動きで、中が動いて、もどかしい快感を見つける。小さく震える俺を背中から抱き締めて、きつ……、と宮下が呟く。

「加藤さん、ごめんなさ……っ……」

 そう言うと、抱き締めたまま俺の身体を押さえ付けて、宮下の動きが激しくなった。
 奥まで突かずに早いピストンで何度もムズムズする場所を擦られる。

「あっ、ぁ、あっ、」

 突かれる度に、抑えることを忘れた喘ぎがこぼれた。挿れられたその場所が熱くて、中がもどかしくて、もっと、と思う。
 身体を支えていた腕に力が入らなくなり、上半身が頽れそうになると、後ろから宮下が抱き込んで身体を支えた。腕を突っ張って身体を支えようとするけれど、胎の中が熱くてもどかしくて、そんなことすらままならない。

「ぁ、ぁ、ぁ」

 もどかしい快感を追いかけて声が出る。自分の声をどこか遠くに聞きながら、「そこ、もっと」って思っていた。
 密着した上半身が熱くて、背中にポタリと宮下の汗が落ちる感触がする。

「ぅっ、……んっ……」

 近付いた宮下の吐息が汗と一緒に落ちて来て「あ、」と抑えられない声が出た。頭の芯が、段々とぼんやりしてくる。
 あと、もう少し……って、身体が言っている。

 けど、もう少しはなかなかやって来なくて「ぁっ……」と、宮下の声が漏れた。
 俺の中に埋められた性器がドクリと脈打って、ぐぐっと大きさを増す。
「あ……」と思っているうちに「加藤さんっ……」と名前を呼ばれて、奥まで打ち付けられる。

「んっ……」と、とんでもなくやらしい声を上げながら、二度、三度と宮下が俺に衝撃をぶつけた。
 その度に息を張り詰めて耐える。
 そのまま、宮下がぎゅっと俺を抱きしめてふる、と震えた。

「んぁっ……、ぁー……」

 深く息を吐いた宮下がドクドクと射精するのがわかった。極限まで大きくなった性器が徐々に力を失っていくのを、尻の穴で感じる。

「ぁぁ……」

 俺でイったんだな、っていう満足感が小さな声になった。
 なんか堪らなくて俺の中に精を吐き出す男に抱き付きたくなる。けどそれは敵わなくて、代わりに宮下が「加藤さん」て名前を呼んで、後ろからぎゅうぎゅうと抱きしめた。

 じわじわと、好きだなぁって気持ちが湧いてくる。

 ……ほんと、すげぇ好き。

 何だ、俺、いつの間にこんなに加藤の事好きになってたんだ!? ってくらい、加藤でいっぱいになる。……ちょっと、泣きそうかも。
 なんて、思ったのに……。

 腰を上げて上半身は俯せたままの格好で、俺を抱きしめていた加藤の手が股間に下りる。

「加藤さん、イかなかった……ですよね?」
「へ?」

 間抜けな声を出した俺に、しゅんと文字が見えそうな声音で宮下が続けた。

「ごめんなさい、俺、途中から自分が気持ちいいのでいっぱいになっちゃって……」

 いやいやいや、それでいいんだって! と言う間もなく、半勃ちのままの性器を握って扱かれる。

「あっ」

 びっくりするくらい高い声が出て、自分で驚いた。宮下も驚いたらしく、一瞬動きが止まる。

 ……なんだこれっ、めちゃくちゃ恥ずかしいけど!?

 訂正する余裕も与えずに、宮下は手を動かして後ろから首筋にキスをした。中途半端なまま放っておかれた性器はあっという間にマックスになり、首筋のキスはゾクゾクとその快感を全身に伝える。

「ぁー……」

 宮下は俺を追い上げ、俺は気持ちいいだけの声を上げる。

「イキますか?」

 背中から聞かれて、コクコクと頷いた。

「ん……、すぐイク……」
「加藤さん、可愛い……。好きです、好き……」

 首筋にキスと一緒にスキが落ちる。

「あっ、イク……」
「加藤さん」

 それはとんでもなく気持ち良くて、あっと言う間に達してしまう。
 震える俺の首筋に宮下が噛みつくみたいに吸い付いて、ビクビクと身体が跳ねた。

「ぁー……」

 俺が全て吐き出すまで抱きしめて、それから唇を離す。……まさか、キスマーク付けてないよな? って思ったけど、付いてたらそれはそれで嬉しいような気がする。

「すみません、受け止めれなくて……、シーツ汚しちゃいました」
「あ、いや……、いいよ、それは……」

 俺が早かっただけだし……ともごもごいう間にティッシュで軽くシーツを拭い、ベッドの上にコロリと俺を転がした。
 それから覆い被さるみたいに抱き付いて、自分もコロリとベッドに転がる。
 セミダブルとはいえ、男二人じゃ狭いベッドの上で向かい合う。

 後ろから抱かれていたから、最中の宮下の顔はほとんど見ていなくて向かい合って顔を見るだけで恥ずかしい。
 ……だって、あんな声を上げて痴態を晒したわけで……。受け入れる側って、恥ずかしい……。

「あ……」

 きょろきょろと視線を泳がす俺を「加藤さん」と名前を呼んで射止める。
 仕方なく視線を合わすと、宮下はとんでもなく優しくて嬉しそうな顔をしていて……、すごく照れ臭くなる。
 だけど、視線は外せなかった。
 二人で、引き寄せ合うみたいに、キスをする。

「ふっ……」

 顔を近付けたまま、唇だけ離して宮下が我慢できないみたいに笑った。それに釣られて俺も笑ってしまう。

 ニヤニヤが止まらない。
 照れ臭くて、嬉しくて、ふふふと笑いながら宮下に抱き付いた。
 なんだろうな、この気持ち。……これは、

「加藤さん、好き、大好きです」

 俺が言葉にする前に、宮下が言葉にした。

「俺も……」

 嬉しくて、もう一度キスをして宮下に抱き付いた。
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