カルピスサワー

ふうか

文字の大きさ
58 / 78

カルピスサワー 57

「……っ」

 ぎゅ、と強く抱きしめられる。それから耳元で、やらしい声……、と宮下が囁く。
 首筋から肩口、それから身体の中心へぞわりとふるえが走る。その間も、俺の唇は自然と媚びるみたいな音をもらす。
 すっかり慣れた。本当に。
 一年、いや半年前にはこんなこと思いもしなかったのに。それでも今はこれが自然だと思えるんだから、本当にすごい。

 ごそごそと服の中で胸元を探っている腕を握る。もう一方の宮下の手は、するするの股間の感触を楽しんでいて、その期待を孕んだくすぐったさに、ぴくぴくと腰が震えた。
 きゅ、と胸をつままれて、思わず小さく叫ぶ。

「んぁ! ……それっ、ぁ」
「小っちゃいのに、敏感ですよね。かわい……」
「っ……、最近、可愛いって、言い過ぎっ…て」
「だって、かわいくて……」

 宮下はそう言ってくれるけど、どう考えても可愛くはないだろう。自虐ってわけじゃないけど、俺は俺の思う『可愛い』からはだいぶ外れている。というか、たぶん一般的にも。
 ゲイの中ではあからさまに性癖や趣向が語られることも多くて、確かに老け専だの、デブ専だの、筋肉がいいだの、体毛だの……、色んな趣味のやつがいて、それが普通なのは理解しているつもりだけれど。

 いざ、それが自分に向けられるとなると、信じられないというか。『嘘だろ~?』って感じなのだ。頭じゃわかっているけど、感覚が追いつかない。
 それから、それが好意からくることはわかっているので、嬉しいような、くすぐったいような……。
 だけど、やっぱり『嘘だろ~?』はぬぐえない。

 ふふふ、と宮下が笑った。

「そうやって、恥ずかしがるの、余計に可愛いんですよ。知ってました?」

 まあ、そういう仕草が可愛いことは知っている。が、それは自分でなければの話で。

「可愛くないだろ、とか思ってるでしょ? でも……」

 宮下の指がピンと乳首を弾いて、同時に大きくなり始めてもまだ柔らかな性器をきゅ、と握った。

「……んんっ!!」

 ビクン。身体が跳ねて、声がこぼれる。
 それから、優しく乳首をこねくりまわされて、性器をゆっくりと扱く。

「あ、っ……、ん、…ん」

 気持ち良さに震える。連日与えられている快感を思い出して、すぐに身体がとろけてゆくみたいだ。
 ちゅと耳に直接、音が響く。後ろから耳元にキス。

「こういうの、全部に反応するの、可愛くないわけないじゃないですか。しかも可愛いっていうと、嫌がるのに口元、嬉しそうですよ?」

 かわいいの奥にある、気恥ずかしさを言い当てられれる。

「そ、いう…の、言わなくて、いいから……」
「……って、照れるのも可愛いし。でも、何よりギャップが、余計にクるんですよね。仕事の加藤さんにずっと憧れてたから、……俺以外の誰もこういうの、知らないですよね?」
「知る…わけ、ないだろっ」
「みんなに頼られてる加藤さんが……」

 きゅと力を入れた手が扱く速度を増して、乳首を引っ張られる。

「っ… あっ……、やっ…」
「こんなふうに、喘いでとろけちゃうの……」

 かぷ、と耳を口に含んで、そのまましゃべる。ぬちゃ、と舐める音が頭に直接響いた。

「それ、みみ……、やだっ…って……」
「やだ、じゃなくて、イイでしょう?」
「みやし…たぁ……」

 自分の甘えた声が、やけに耳につく。

「宮下、じゃなくて?」
「…んんっ、……けーご…」
「そ…、良くできました」

 ご褒美、というようにつまんでいた胸の先を優しく撫でられた。そのまま、きもち良いって言って、とねだられる。

「ア…、きもちい……」
「ね、名前も呼んで?」
「けーご…、きもちぃ……」
「ほんと、きもちいい? これ、されるの好き?」

 鈴口からあふれた先走りを、亀頭に塗り込まれるように擦り込まれて、ビクビクッと腰が震える。

「…ンンッ、……すき。きもちい…。それ、きもちいぃ」
「それ、ってこれ? それともこっち?」

 乳首を弄る手が、胸の先を優しくピンッとはじく。

「ンアッ、どっちも……。どっちも、すき」
「きもち良さそ……」
「ぅんっ、きもちいっ! けーごぉ……っ、あっ」
「うん、きもちイイ? かわい…。きょーへいさん、かわいい」

 浮かされるような宮下の声が、霞がかった頭の中に響いた。
 すきだ、と思う。
 俺のことで、夢中になってくれる宮下こそ、本当に可愛くて。そう伝えたいのに、口から飛び出るのは喘ぎ声だけだ。
 後ろから抱き込まれている身体を逸らして、宮下を見た。

「んぅっ」

 はく、と息を継ぐ唇を宮下の唇にふさがれる。ぁ、と小さな声が呑み込まれた。絡めた舌を吸われて、ぞわぞわと頭の芯がしびれる。
 ぁ、
 抱きしめられた腰の後ろ、尻の間にぐりと硬くなった宮下を擦り付けられた。二度、三度とこすられて、身体の中心が疼いてくる。
 尻の間に擦り付けられる熱いかたまりに、たまらなくなった。
 腕を掴んだままの手を離して、宮下との身体の間に強引に手を割り込ませる。尻の谷間に押し付けられているそれを丁寧に撫でてその硬さを確認した。
 その充実感に、思わず舌なめずりをするようなため息が出る。同時に宮下もはぁ、と大きくため息をついた。

「…それ、やば。指、動かすの」
「気持ちいい?」
「はい」

 素直にそう言った宮下は、腰を押し付けられるようにうごめかせた。そうされると、反射みたいにひくひくと尻がひくつき、ビクリと背中がふるえた。
 ちょっと、と宮下の手を振りきって、こっちと正面を向き直す。

「キツいだろ?」

 言いながら、パツパツになった宮下のズボンをくつろげてやると、さすがというか何というか。ガチガチになった性器が、待ってましたとばかりにぴょこんと飛び出した。
 勢いのままにふるりと揺れるそれが、あまりに可愛くて、くくくと笑う。

「……しょうがないでしょ。加藤さんが可愛いんだし」
「何も言ってないだろ。それに、可愛いのはコイツだろ?」
「……っ」

 言いながら、期待する性器をゆっくりと握ってやる。
 そのまま血管の凹凸を確認しながら手を上下させると、簡単に宮下は息を詰まらせた。

「……加藤さんだって、」
「俺はいいの。……つーか、俺も気持ち良くしてやりたいんだから、素直にされとけ」
「でも、加藤さんの気持ち良くなってるの、見たいんです……」

 まあ、その気持ちはわからなくはないけれど、それは俺にも当てはまるわけで。

「俺は宮下ほど若くないし、そんな何回もイケねえよ、多分」
「そう、ですか? そんなことないと思うけど……」

 宮下の手が、両手で宮下をしごいている俺の、中途半端にずり降ろされたズボンを太ももまで下ろした。温まったと言ってもまだ冷たい空気がすうっと素肌に触れて、温かい手が何度か尻たぶを撫で回す。

「んっ…、こら、いたずらすんな」
「いたずらじゃないですよ」

 そう言いながらも、宮下の手は後ろをなぞり、割れ目に指をかける。

「それ、されると……っ」
「されると?」
「……集中、できないからっ」

 既に、割れ目に触れられただけで、ビクッと身体が
はねる。

「……奎吾」

 名前を呼ぶと、ぴたりと宮下の手が止まる。

「そこで名前呼ぶの、ずるい」
「もうちょい、いい子にしてろって」
「充分、いい子だと思うけど……」

 そう言いながらも、宮下は大人しくされるがままになった。
感想 36

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【完結】兄さん、✕✕✕✕✕✕✕✕

亜依流.@.@
BL
「兄さん、会いたかった」 夏樹にとって、義弟の蓮は不気味だった。 6年間の空白を経て再開する2人。突如始まった同棲性活と共に、夏樹の「いつも通り」は狂い始め·····。 過去の回想と現在を行き来します。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。