元女神様と現世でreSweetライフ!!

美味しい肉まん

文字の大きさ
24 / 78

閑話 ある休日のお話

しおりを挟む
 トチを拾って来て1ヶ月が過ぎた、ヒエがちゃんと毎日躾けたようで、トイレに爪研ぎの失敗は無くなっていた。そんな日々がゆっくりと過ぎていったある日の休み。
「もうお昼か……あれ?」
「どうかした健?」
「作り置きが無いな……ヒエ今日のお昼どうする?」
「う~ん……カップラーメン?」
「見つかるとヤエがうるさいよ?」
「だよね~トチ?」
「にゃう~」
「しょうがない買ってくるか……そうだな……ちょっとヤエの様子見がてら行かないか?」
「良いかもね! トチも連れてって良い?」
「店には入れないぞ?」
「トチをお外に連れて行くだけだから!」
「しょうがないなぁ……じゃ行こうか」
 トチを抱っこしてヒエがついて来る道すがら。
「なぁ? ヤエの様子を見に行くのって初めてだよな?」
「そうね、ヤエってば、恥ずかしがって来ないで! って言うのよ」
「なるべく他人のフリして入るか」
「その方が良いかもね、私は顔が割れてるから外でトチと遊んでるね」
 程なくして惣菜屋キッチンサイトウに着いた、中を覗くとヤエがキッチンで何か料理中だ昼時という事もあり混んでいるな……
「ヒエ、何か食べたいリクエストあるか?」
「そうね……任せる!」
「そう言うのが1番困るんだよ……文句言うなよ?」
「わかってるよ、ね! トチ!」
「じゃ行ってくる!」

 店内に入ると若い女の子が接客中だった、さて、ガッシャーン! ヤエだよな……音の方を見るとヤエが謝っていた、どうしてって顔してるけどね……女の子にオススメを聞いてみる。
「いらっしゃいませ!」
「今日のオススメ何かあるかな?」
「酢豚と筑前煮になります! あっそちらのコーナー特にオススメです!」
「賞味期限が近いの?」
「ちっがいますよ! 当店の店員が日替わりで作ったオススメです!」
 ノリのいい子だなぁ……どれどれ親子丼の上に乗せるやつか……これで良いかな、米さえ炊けば楽だしな。ヤエの挙動不審さが面白い、きっとテンパってるんだろうな、あんまり長居するのも悪いので。
「じゃあこの親子丼の上に乗せるやつ下さい二人分で」
「ありがとうございます!」
 店を出ようとするとキッチンから不意に声をかけられる。
「八神健さんだよね?」
 ヤエじゃない、振り返って顔を見ると誰だ? 俺より年上のオバちゃんだった、ヤエが何故か驚いているが……
「どちら様で?」
「昔と言っても八神さん覚えていないかね……ほらスーパーミヤモトで働いていたでしょ!」
 そんな昔か……もう忘れていたのに。でもこの人に関する記憶が無い、本当に誰だ?
「まぁ働いていましたけど……」
「歳は取ったけど、相変わらず整った顔してるから直ぐに分かったよ」
「小野寺茂子よ! 惣菜部にいた!」
「シゲコさん? ……あっ! 良く豚汁作ってくれた?」
「そうよ! 久しぶりね!」
「ですね」
「ん! って言う事はヤエちゃんと住んで居る同居人って八神さんかい!?」
「茂子さん! 仕事中です!」
 おやおや、ヤエが呼んだのか店長さんらしき人が現れましたね。昔の事は思い出したくも無いので、さっさと退散しようとする事にすると若い女の子が出ていく俺に。
「ありがとうございました! また来てくださいね!」
「気が向いたらね」
 店を出るとヒエがトチと遊んでいたので
「お待たせヒエ、昼は親子丼だ!」
「良いじゃない! ヤエはどうだった?」
「なんかテンパってたな、ヤエには帰って来たら謝らないとな」
「まっ私も一緒に謝ってあげるね」
「ありがとうヒエ」
 流石に昼過ぎだ暑い……さっさと帰って昼にしよう。アパートに着くと部屋が涼しい、米を研ぎ準備をするとヒエがトチをブラッシングしていた。
「毎日良くブラッシングしてるなヒエ」
「だって抜け毛とか気になるでしょ? 私は掃除担当よ、こうしてブラッシングしてあげればね」
 確かに……トチは気持ち良さそうだし部屋も綺麗だし、ヒエって意外と良いお嫁さんになるんじゃないか?
「ねぇヒエってさ本当は料理とか出来るんじゃないの?」
「なんで?」
「だってさ掃除洗濯何でもしてくれるじゃん、なのに料理だけヤエってのはさ」
「それに昔言ってたよな? 何でも出来るって」
「覚えていたのね、確かに料理もやろうと思えば出来るわよ……ただね」
「ヤエがさ……どうしても健には自分の手料理を食べてもらいたいって、それでね」
「そうだったのか……じゃ今のは聞かなかったことにするよ」
 ご飯が炊けたようなので親子丼にして二人で食べる。
「やっぱり美味しいなあの店の料理」
「ヤエの料理の腕が上がってるのが理解できたようね?」
「うん、良い人達に巡り会えたようでなりより!」
 食後の後片付けをヒエが終わらせると。
「どうする? 周回する? 島作る?」
「う~ん……レトロゲーム機買ったよねこの前?」
「あ~アレね! 忘れてた! やってみようか?」
 押入れの中からレトロゲーム機の入っているダンボールを取り出すと。
「これどれ位人間界で昔のゲーム機なの?」
「25年位前かなぁ……俺が若造の頃だな」
「何のゲームを買ったの?」
「ちょうどその頃流行っていた格ゲーだよ、懐かしいなぁ……あの頃は……まっ良いか」
 ゲーム機をテレビに繋いで電源を入れると懐かしい起動画面が表示される。
「ヒエやってみるか?」
「先ずやって見せてよ」
「オッケー見てなさい! オッサンゲーマー舐めんなよ!」
 やってみたが思った以上に技が出せない、こんなに難しかったっけ? 四苦八苦しながらゲームを一通り終わらせると、ヒエが対戦を申し込んで来た。
「操作できるのか?」
「大丈夫よ、スマホで作品名で調べたから! アンタが負けたら今日の後片付けヨロシク! 行くわよ健!」

 ……数時間後
「何で!!」
「あっはっは! 私に勝とうなんて10年早いのよ! どうする? まだやる?」
「もうやめる……暫らく修行させて……」
「じゃ今日の後片付け宜しくね~! トチ! 一緒に遊ぼ!」
「ふみゅ?」
 ヒエに何度か勝つ事は出来たが、連敗しまくって流石に凹んだが……これはこれで楽しかったが! 次こそ見てろよ! 1人プレイではなぁ……ってもう夕方か!
「たっだいま~!」
「おかえり茉希ちゃん」
「おかえり~」
「今日はヒエと何してたの師匠?」
「ヤエの働くお店を見に行って、ゲームしてただけだよ?」
「ふーん? 本当にヒエ?」
「そうよ? 格ゲーでボッコボコにしてやった位かな」
「あっは! 師匠ゲーム弱いの?」
「ぐっ……ベッ別に悔しくないし!」
「アタシとやろうよ! ねっ! 教えてよゲーム」
「よし! 俺の格ゲーリハビリに付き合って!」
「オッケー!」
 二人でテレビの前で並んで用意していると
「ただいま!」
「「「おかえり!」」」
 ヤエも仕事を終えて帰ってきたが……
「健!! 後で話があるからね! シゲコさんから聞いた事も確認したいし!」
「ヤダよ! お店に行ったのはヤエの働く顔が見たかったからだよ!」
「っ!?」
「一生懸命に頑張って働くヤエはカッコ良かったよ、いつもお疲れ様!!」
「あっ……うん……夕飯の準備するわね」
 別の部屋からヒエの声が聞こえてくる
「美味しいのお願いね~」
「わかったわよ! もうっ! 健、今度のお休み私に付き合ってよね!」
「了解しました」
「ちょっとアタシは!?」
「茉希ちゃんとはこの間デートしたじゃない」
「帰りが一緒の電車待ちで入った、スタバでコーヒー飲んだのがデート!?」
「まぁまぁ茉希こっちで3人でトチと遊びましょ」
「遊ぼう茉希ちゃん?」
「うーん納得いかないけど……今度ちゃんとデートしてよね師匠!」
「考えておくから」

 こうして休日は過ぎていく……また明日から仕事だ!



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

レオナルド先生創世記

山本一義
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

竜焔の騎士

時雨青葉
ファンタジー
―――竜血剣《焔乱舞》。それは、ドラゴンと人間にかつてあった絆の証…… これは、人間とドラゴンの二種族が栄える世界で起こった一つの物語――― 田舎町の孤児院で暮らすキリハはある日、しゃべるぬいぐるみのフールと出会う。 会うなり目を輝かせたフールが取り出したのは―――サイコロ? マイペースな彼についていけないキリハだったが、彼との出会いがキリハの人生を大きく変える。 「フールに、選ばれたのでしょう?」 突然訪ねてきた彼女が告げた言葉の意味とは――!? この世にたった一つの剣を手にした少年が、ドラゴンにも人間にも体当たりで向き合っていく波瀾万丈ストーリー! 天然無自覚の最強剣士が、今ここに爆誕します!!

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

無自覚チートで無双する気はなかったのに、小石を投げたら山が崩れ、クシャミをしたら魔王が滅びた。俺はただ、平穏に暮らしたいだけなんです!

黒崎隼人
ファンタジー
トラックに轢かれ、平凡な人生を終えたはずのサラリーマン、ユウキ。彼が次に目覚めたのは、剣と魔法の異世界だった。 「あれ?なんか身体が軽いな」 その程度の認識で放った小石が岩を砕き、ただのジャンプが木々を越える。本人は自分の異常さに全く気づかないまま、ゴブリンを避けようとして一撃でなぎ倒し、怪我人を見つけて「血、止まらないかな」と願えば傷が癒える。 これは、自分の持つ規格外の力に一切気づかない男が、善意と天然で周囲の度肝を抜き、勘違いされながら意図せず英雄へと成り上がっていく、無自覚無双ファンタジー!

処理中です...