元女神様と現世でreSweetライフ!!

美味しい肉まん

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居酒屋〜ラーメン屋

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 約束の週末がやって来た、来なけりゃいいのに……一応3人共了承してくれているから良いけど……さっさと帰ろう。
「八神君~お待ちかねの歓迎会よ!」
「2人で?」
「他に?」
「俺の家族を呼んでもいいですか?」
「未成年は駄目よ?」
 ん!? 何で知ってる? 塚田さんかなぁ? 茉希ちゃんだけ呼ばない訳には行かないか……あっ! ヒエに酒は駄目だったわ! アイツ酒好きだからな……それに新聞配達で朝早いし、ヤエはどうだろう?
「すみません社長? 家族を1人呼んでもいいですか?」
「女でしょ?」
「そうですよ」
「こうなるのよね……」
 何か小声で言ってるようだが
「良いわよ1人ね」
「じゃ呼んでみますね」


 そう云う訳で、ヤエに連絡したが……
『私まで行ったら、2人が夕飯を勝手にピザ何てまた頼まれたらどうするの?』
 そうだった……ヤエとデートした日にアパートに帰ったら、アイツらピザ食って散らかして寝てたんだっけ。その後は……ヤエの雷(物理)が落ちたんだっけ……


「断られました」
「じゃぁしょうがないね! 行こっか八神君!」
 居酒屋へ歩いて向かうが念を押しておく。
「22時には帰りますよ?」
「付き合いの悪い男は出世しないよ?」
「あいにく現状維持で良いんで、それに俺は先頭に立つのが嫌です」
「そうなの? 頼りないなぁ」
「その代わり、全力でサポートしますよ2番手が1番しっくりするんですよ」
「いるよねサポートが得意な人って」
 俺が先頭に立つと大体ろくな事がなかった、苦い思い出しかない。
 
 居酒屋に着くと既に社長が個室を予約していた部屋に案内される。
「あの……カウンターとかで良かったんじゃ?」
「2人っきりはいや?」
 何か媚びた声で言ってるが
「はい」
 キッパリ言ってやった、そりゃあ俺がもう10歳若くて家族が居なければね。
「はぁ!? 容赦ないね八神君、折角とってあげたのに……」
「今回だけですよ」
「もう! 私は結構気に入ってるのに八神君の事を! つれなすぎ!」
「そう言われても……」
 何でだろう……この人、結構美人さんだよな? なのに全然興味が湧かない、店員さんが最初のビールを運んで来た。
「まっ取り敢えず乾杯しようか!」
「「お疲れ様です!」」
「美味しいねぇ! 仕事の後は特に!」
「俺は最初の1杯で充分です、社長はどうぞ飲んで下さい」
「じゃんじゃん飲むわよ! 八神君はね沢山食べて!」


 30分もしない内にすっかり出来上がった社長がそこに居た……
「…………って訳で私は独立したのよ!」
「何て?」
「疲弊した五泉市の活気を取り戻そうって!」
「立派ですね社長は……」
「アタシは知ってるよ~八神君のやった事!」
 嘘だろ……歴史は改編されて『呪い』にまつわる記憶は、俺達以外に塚田さんと鷲尾さんだけだよな!?
「ちょっとノリ悪いよ~ヤガミ!」
 人が困惑してるのにヤガミってオイ!
「五泉を救った英雄様でしょ?」
「なんの事ですかね」
「ふぅ~んキョーコが言ってたんだけどな?」
 そんな筈はない……塚田さんは絶対に喋ってはいない筈だ。
「嘘ですね、塚田さんは軽々しく言わないと思います」
「そっか~あっ! もう敬語とか良いよお客さんの前以外は」
「じゃ時間も限られてますし遠慮なく……」


「アンタ何もんだ?」
「アンタと来たか! 良いね! 気になる?」
「面接の時に話した事以上に俺の事を知ってる様だが?」
「場合によっては辞める」
「大丈夫! 誰にも言わないよ~ヤガミィ! あっはははは!」
 陽気に笑ってら……どう言うつもりだ?
「アタシね……頑張った人が報われないの嫌なんだよね」
「同感です」
「タメ口で良いって言ってんのよ! このスットコドッコイ!!」
 さらに酔っ払ってんな……
「じゃ教えてくれ『何処』まで知ってる?」
「全部」
「もっと具体的に!」
「そうだねぇ……五泉市が衰退して行くのが嫌でね、色々提案したりしてやってたけど……」
「上手くいかなかったと」
「そう! 本当に……この街には活気が目に見えて無かった!」
「で?」
「アタシね『見え』るのよ」
 なるほどね……じゃぁ……ってそんな馬鹿な!?
「良いね! その顔! そういう顔が見たかった!」
「趣味悪いよ」
「あの中央病院に……ショッピングセンターの駐車場で『見え』た化物……それに向かって行ったよね?」
「なら社長がやってくれれば良かったのに」
「言ったでしょ、アタシには『見え』るだけ」
「んで……化物が消えた後にね不思議な感覚がした、必死に堪えたんだよ!」
「そうしたら誰も覚えていないって……アタシは焦ったよ、頭がどうにかしたのかって」
「へー、じゃあ探りを入れたろ? 塚田さんに? 俺の担当だったからな」
「遠回しにね……キョーコの事はすぐにわかるんだよアタシは」
「でねその後、街に不思議な風を感じた……流れが来るって!」
「流れ?」
「そう灰色だった街が色づいて行くのが」
「その時確信した、アレは本当にあった事だって。そして市役所では出来る事に限界があるって」
「地域活性化の事?」
「そう! アタシが1番頑張ったのは……」
「桜祭りに、この前の秋祭りだね?」
「へぇ?」
「一応会社の業務内容と成績には一通り目を通したからね」
「随分儲けてたみたいだけど、良く1人でやったな?」
「アタシに惚れるでしょ? 仕事が出来て美人!」
「そうですね」
 確かに凄い……其処は認めるが……
「その金であのビルのテナントを借りたんじゃなくて買ったんだな?」
「良く調べてるね合格ぅ!!」
 テンションがおかしくなってるぞ社長……んっ?
「今はもう『見え』て無いんですか? その手の者は?」
 あの時全ての力は俺以外消えてた筈だ。
「まぁ……そうなるねぇ」
「なるほど……」
「代わりに風を感じるんだよなぁ~流れとかそう云う何か!」
「才能じゃ無いですか?」
「ふふん! 惚れた? 惚れた? アタシは……」
 からんで来たよ……
「きっと良い人見つかりますよ!」
「見つけてるんだけどなぁ?」
「飲み過ぎですよ!」
「ねぇ! もう一軒行こうか!」
「もう21時なので帰りましょう」
「子供かっ!?」
「飲みたければどうぞ……」
「い~や~だ~!! ねぇお願い! もう一軒!」
 これ以上断って心象悪くなるのも嫌だしな……ヤエにメールしとくか。
「じゃあ一軒だけですよ?」
「安心してよ居酒屋じゃ無いから! お酒飲むとラーメン食べたくない?」
 確かに……遠慮して料理は殆ど頼んでいなかった、テーブルの上は社長が飲んだジョッキだらけだ、店員さんが定期的に下げてくれたが随分飲んだな社長。
「ラーメンなら喜んで付き合いますよ」
「ラーメンには食い付くのね……そういう所よ……」
「はぁ? じゃ行きましょ」
 会計は社長が払うと言ったが割り勘にして貰った、勿論揉めたがな!

 酔っ払っている社長の足元がフラフラだ
「この近くに美味しいラーメンとビールを出すお店があるんだよ!」
「タクシーでも呼びます?」
「近くだから! 肩貸して」
 何かベタベタして来るなぁ……肩を貸すとラーメン屋へと向かうのだった。
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