元女神様と現世でreSweetライフ!!

美味しい肉まん

文字の大きさ
49 / 78

八神さんちのクリスマスその2

しおりを挟む
 時計は正午を周っていた、俺は顔を洗い身支度を済ませていた。今日のパーティーの買い物までまだ少し時間があるな……しかし部屋がこれでもかとクリスマスだ、もう26日なんだけどな。ついでに言うと日本のしかも地方の田舎町を治めていた元女神……
「本当に良いのか? 日本の元女神様が……」
「別に? ねぇヤエ?」
「別に知らない神でもないしね」
 
 !?

「今なんて言ったヤエ?」
「えっ? 別に知らない神でもって事?」
「まぁ所謂天上界って1つだからね、私は忘れてたけど……別に供物をする訳でもないし!」
 まあヒエらしい答えが帰ってきた、なる程な供物とかが必要であったなら絶対にやらなかったのだろう……いやむしろキレていた可能性すらあるな。
「あのさヤエ、知り合いって訳でも無いんだ?」
「うん、私達が女神として生まれるよりさらに昔の話よ? 偉大なる先輩ってところかしら?」
「ふ~ん先輩ねぇ」
「大女神様ならもっと詳しいだろうけど」
「いや、そこまで知りたくない」
 何かガッカリエピソードとか飛び出したりしそうで怖い。
「まっまぁ問題ないなら良いか! 皆で楽しもうか!」
「そうよ楽しんだもの勝ちよ! ちょっとだけお酒……」
「ヒエ……明日の仕事は?」
「茉希と休みを貰ったわ!」
「もう許可とか気にしてないだろ?」
「……だめ?」
「しょうがないなぁ……俺は飲めないけど少しだぞ?」
「私基準で良いわね!」
「ふっざけんっな! お前基準にしたら少しの概念が壊れるわ!」
「良いじゃん師匠、ヒエだって毎日頑張ってるんだしさ、ヒエのお陰で助かってる所あるでしょ?」
 それはそうなんだけどな、甘やかすとつけあがるからなぁコイツは……でもたまには良いかな?
「わかったよヒエの基準で少しな?」
「おっけい! じゃあ皆で買い物に行こう!」
「ヤエ……大丈夫かな? ヒエ」
「アナタ心配しすぎよ……外で呑み歩きされるより良いでしょ?」
「想像しただけで嫌になるね……呑ませてあげようか!」
「私もフォローするから!」
「はーやーくー行こうよ!!」
 ヒエと茉希ちゃんはすでにコートを着て待っていた。ヤエと急いでコートを着て玄関から表に出ると珍しく青空が見えた、歩きながら思い出す……毎年重苦しいほどの曇天なのに……
「アナタのおかげかもね」
「なんで?」
「去年迄この街は……私と」
「ヤエとヒエは悪くない、悪いのは一部の人間だよ」
「うん……」
「はーやーくー! お酒も買うんだからね!」
「ほら当事者が何か言ってるぞ! 行こうヤエ!」
 ヤエの手を取るとヒエ達を後ろから追いかけた。

 到着すると店内は、流石にクリスマス明けで既にお正月用品を陳列していた。
「アタシがオードブル取ってくる!」
「私はお酒!」
「茉希は良いけどヒエは私達と一緒ね」
「なんでよ!」
「ヒエ……茉希は自分のお金でオードブルを用意してくれたのよ?」
「うぐっう!」
「ヒエのお酒のおk」
「ヤエと一緒!」
「それで良~し!」
「まぁ何か買うのヤエは?」
「オードブルだけじゃバランスが悪いでしょう? サラダに……そうね仁美ちゃんが教えてくれたポトフでもどうアナタ?」
 ヤエ……いや流石ヤエ様……凄い料理覚えてる、本当に努力したんだな良い職場にも恵まれて……
「ねぇアナタ聞いてるの? 今日の料理どうかしら?」
「全然大丈夫! ヤエの料理は美味しいから!」
 ヤエの料理の材料を買い物しながら店内を移動して、食材が一通り揃ったのかヤエが遂にヒエを解き放った。
「さっ良いわよ、お酒コーナーに行くわよヒエ?」
 ヒエがガッツポーズをとると、茉希ちゃんもオードブルを持ってやって来た。
「お待たせ! どう? そっちは?」
「これからお酒よ、もちろんヒエと……ちょっとだけ私も良いかな……?」
 ヤエなら大丈夫だろう、ちゃんと自制心があるはずだったような? 何か忘れている様な気がするが……
「オッケー! 楽しく行こう! 俺と茉希ちゃんはシャンメリーで良いかな?」
「師匠……シャンメリーはどうかと思うよ」
「俺は好きだけどなシャンメリー」
「アンタ達早く来てよ! 選ぶの手伝って!」
 お酒コーナーからヒエが呼んでる
「好きなの買ってもらいなよヤエから!」
「ヤッホーィ」
 不味かったかなぁヒエの歓喜の声が聴こえてきた、様子を見に行くと……やっぱりな、ヤエが呆れた様子でヒエの買い物カゴを指差す。
「おいヒエ様、来月のお小遣い減らされたいのか?」
「今! この時この瞬間! そして呑めるのなら私は我慢する!」
「だそうだ、ヤエと茉希ちゃん絶対に来月のヒエのお小遣い……分かってるな?」
「えぇ勿論……差っ引いておくわ」
「アタシに借金あるんだけどヒエ……あっ!」
「「んなっ!?」」
「ヤエ……もう来月ヒエのお小遣いなしね」
「茉希いくら貸したの?」
「えっ?」
「正直に言いなさい」
「あのね……あんまりヒエを怒らないでね師匠、ヤエ」
「良いから、おいくらかしら?」
「5千円……です」
 ちょっとだけホッとした、もし1万円越えてたら、ヒエをげんこつの上お酒を全て没収するところだった。
「なんでまた借金なんて……」
「う~ん言ってもいいのかなぁ……ヤエちょっとこっち来て」
 茉希ちゃんがヤエを引っ張って行くと、戻ってきた時には諦めた様な表情だった。何がとか聞かないでおこう……
「今日は飲むわよ!」
 コイツは置いて帰るか……という訳にも行かず、ヤエが俯いたまま会計を済ませてスーパーを後にしたヒエに一言だけ伝えて。

「その酒は自分で持って帰れよ」
「なんでよ!」
「「やかましいわ!!」」
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サラリーマン、少女になる。

あさき のぞみ
ファンタジー
目が覚めたら、俺は見知らぬ10歳の少女になっていた。 頼れるのは、唯一の理解者であるはずの同僚「まい」だけ。彼女はなぜか僕を**「娘」として扱い始め、僕の失われた体を巡る24時間の戦い**が幕を開ける。 手がかりは、謎の製薬会社と、10年前の空白の記憶。 時間がない。焦るほどに、この幼い体が僕の理性と尊厳を蝕んでいく。そして、僕は知る。最も近くで微笑んでいた人物こそが、この絶望的な運命の**「設計者」**であったことを。 あなたは、その愛から逃れられますか?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

俺は異世界の潤滑油!~油使いに転生した俺は、冒険者ギルドの人間関係だってヌルッヌルに改善しちゃいます~

あけちともあき
ファンタジー
冒険者ナザルは油使い。 魔力を油に変換し、滑らせたり燃やしたりできるユニークスキル持ちだ。 その特殊な能力ゆえ、冒険者パーティのメインメンバーとはならず、様々な状況のピンチヒッターをやって暮らしている。 実は、ナザルは転生者。 とある企業の中間管理職として、人間関係を良好に保つために組織の潤滑油として暗躍していた。 ひょんなことから死んだ彼は、異世界パルメディアに転生し、油使いナザルとなった。 冒険者の街、アーランには様々な事件が舞い込む。 それに伴って、たくさんの人々がやってくる。 もちろん、それだけの数のトラブルも来るし、いざこざだってある。 ナザルはその能力で事件解決の手伝いをし、生前の潤滑油スキルで人間関係改善のお手伝いをする。 冒険者に、街の皆さん、あるいはギルドの隅にいつもいる、安楽椅子冒険者のハーフエルフ。 ナザルと様々なキャラクターたちが織りなす、楽しいファンタジー日常劇。

処理中です...