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八神さんちのクリスマスその2
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時計は正午を周っていた、俺は顔を洗い身支度を済ませていた。今日のパーティーの買い物までまだ少し時間があるな……しかし部屋がこれでもかとクリスマスだ、もう26日なんだけどな。ついでに言うと日本のしかも地方の田舎町を治めていた元女神……
「本当に良いのか? 日本の元女神様が……」
「別に? ねぇヤエ?」
「別に知らない神でもないしね」
!?
「今なんて言ったヤエ?」
「えっ? 別に知らない神でもって事?」
「まぁ所謂天上界って1つだからね、私は忘れてたけど……別に供物をする訳でもないし!」
まあヒエらしい答えが帰ってきた、なる程な供物とかが必要であったなら絶対にやらなかったのだろう……いやむしろキレていた可能性すらあるな。
「あのさヤエ、知り合いって訳でも無いんだ?」
「うん、私達が女神として生まれるよりさらに昔の話よ? 偉大なる先輩ってところかしら?」
「ふ~ん先輩ねぇ」
「大女神様ならもっと詳しいだろうけど」
「いや、そこまで知りたくない」
何かガッカリエピソードとか飛び出したりしそうで怖い。
「まっまぁ問題ないなら良いか! 皆で楽しもうか!」
「そうよ楽しんだもの勝ちよ! ちょっとだけお酒……」
「ヒエ……明日の仕事は?」
「茉希と休みを貰ったわ!」
「もう許可とか気にしてないだろ?」
「……だめ?」
「しょうがないなぁ……俺は飲めないけど少しだぞ?」
「私基準で良いわね!」
「ふっざけんっな! お前基準にしたら少しの概念が壊れるわ!」
「良いじゃん師匠、ヒエだって毎日頑張ってるんだしさ、ヒエのお陰で助かってる所あるでしょ?」
それはそうなんだけどな、甘やかすとつけあがるからなぁコイツは……でもたまには良いかな?
「わかったよヒエの基準で少しな?」
「おっけい! じゃあ皆で買い物に行こう!」
「ヤエ……大丈夫かな? ヒエ」
「アナタ心配しすぎよ……外で呑み歩きされるより良いでしょ?」
「想像しただけで嫌になるね……呑ませてあげようか!」
「私もフォローするから!」
「はーやーくー行こうよ!!」
ヒエと茉希ちゃんはすでにコートを着て待っていた。ヤエと急いでコートを着て玄関から表に出ると珍しく青空が見えた、歩きながら思い出す……毎年重苦しいほどの曇天なのに……
「アナタのおかげかもね」
「なんで?」
「去年迄この街は……私と」
「ヤエとヒエは悪くない、悪いのは一部の人間だよ」
「うん……」
「はーやーくー! お酒も買うんだからね!」
「ほら当事者が何か言ってるぞ! 行こうヤエ!」
ヤエの手を取るとヒエ達を後ろから追いかけた。
到着すると店内は、流石にクリスマス明けで既にお正月用品を陳列していた。
「アタシがオードブル取ってくる!」
「私はお酒!」
「茉希は良いけどヒエは私達と一緒ね」
「なんでよ!」
「ヒエ……茉希は自分のお金でオードブルを用意してくれたのよ?」
「うぐっう!」
「ヒエのお酒のおk」
「ヤエと一緒!」
「それで良~し!」
「まぁ何か買うのヤエは?」
「オードブルだけじゃバランスが悪いでしょう? サラダに……そうね仁美ちゃんが教えてくれたポトフでもどうアナタ?」
ヤエ……いや流石ヤエ様……凄い料理覚えてる、本当に努力したんだな良い職場にも恵まれて……
「ねぇアナタ聞いてるの? 今日の料理どうかしら?」
「全然大丈夫! ヤエの料理は美味しいから!」
ヤエの料理の材料を買い物しながら店内を移動して、食材が一通り揃ったのかヤエが遂にヒエを解き放った。
「さっ良いわよ、お酒コーナーに行くわよヒエ?」
ヒエがガッツポーズをとると、茉希ちゃんもオードブルを持ってやって来た。
「お待たせ! どう? そっちは?」
「これからお酒よ、もちろんヒエと……ちょっとだけ私も良いかな……?」
ヤエなら大丈夫だろう、ちゃんと自制心があるはずだったような? 何か忘れている様な気がするが……
「オッケー! 楽しく行こう! 俺と茉希ちゃんはシャンメリーで良いかな?」
「師匠……シャンメリーはどうかと思うよ」
「俺は好きだけどなシャンメリー」
「アンタ達早く来てよ! 選ぶの手伝って!」
お酒コーナーからヒエが呼んでる
「好きなの買ってもらいなよヤエから!」
「ヤッホーィ」
不味かったかなぁヒエの歓喜の声が聴こえてきた、様子を見に行くと……やっぱりな、ヤエが呆れた様子でヒエの買い物カゴを指差す。
「おいヒエ様、来月のお小遣い減らされたいのか?」
「今! この時この瞬間! そして呑めるのなら私は我慢する!」
「だそうだ、ヤエと茉希ちゃん絶対に来月のヒエのお小遣い……分かってるな?」
「えぇ勿論……差っ引いておくわ」
「アタシに借金あるんだけどヒエ……あっ!」
「「んなっ!?」」
「ヤエ……もう来月ヒエのお小遣いなしね」
「茉希いくら貸したの?」
「えっ?」
「正直に言いなさい」
「あのね……あんまりヒエを怒らないでね師匠、ヤエ」
「良いから、おいくらかしら?」
「5千円……です」
ちょっとだけホッとした、もし1万円越えてたら、ヒエをげんこつの上お酒を全て没収するところだった。
「なんでまた借金なんて……」
「う~ん言ってもいいのかなぁ……ヤエちょっとこっち来て」
茉希ちゃんがヤエを引っ張って行くと、戻ってきた時には諦めた様な表情だった。何がとか聞かないでおこう……
「今日は飲むわよ!」
コイツは置いて帰るか……という訳にも行かず、ヤエが俯いたまま会計を済ませてスーパーを後にしたヒエに一言だけ伝えて。
「その酒は自分で持って帰れよ」
「なんでよ!」
「「やかましいわ!!」」
「本当に良いのか? 日本の元女神様が……」
「別に? ねぇヤエ?」
「別に知らない神でもないしね」
!?
「今なんて言ったヤエ?」
「えっ? 別に知らない神でもって事?」
「まぁ所謂天上界って1つだからね、私は忘れてたけど……別に供物をする訳でもないし!」
まあヒエらしい答えが帰ってきた、なる程な供物とかが必要であったなら絶対にやらなかったのだろう……いやむしろキレていた可能性すらあるな。
「あのさヤエ、知り合いって訳でも無いんだ?」
「うん、私達が女神として生まれるよりさらに昔の話よ? 偉大なる先輩ってところかしら?」
「ふ~ん先輩ねぇ」
「大女神様ならもっと詳しいだろうけど」
「いや、そこまで知りたくない」
何かガッカリエピソードとか飛び出したりしそうで怖い。
「まっまぁ問題ないなら良いか! 皆で楽しもうか!」
「そうよ楽しんだもの勝ちよ! ちょっとだけお酒……」
「ヒエ……明日の仕事は?」
「茉希と休みを貰ったわ!」
「もう許可とか気にしてないだろ?」
「……だめ?」
「しょうがないなぁ……俺は飲めないけど少しだぞ?」
「私基準で良いわね!」
「ふっざけんっな! お前基準にしたら少しの概念が壊れるわ!」
「良いじゃん師匠、ヒエだって毎日頑張ってるんだしさ、ヒエのお陰で助かってる所あるでしょ?」
それはそうなんだけどな、甘やかすとつけあがるからなぁコイツは……でもたまには良いかな?
「わかったよヒエの基準で少しな?」
「おっけい! じゃあ皆で買い物に行こう!」
「ヤエ……大丈夫かな? ヒエ」
「アナタ心配しすぎよ……外で呑み歩きされるより良いでしょ?」
「想像しただけで嫌になるね……呑ませてあげようか!」
「私もフォローするから!」
「はーやーくー行こうよ!!」
ヒエと茉希ちゃんはすでにコートを着て待っていた。ヤエと急いでコートを着て玄関から表に出ると珍しく青空が見えた、歩きながら思い出す……毎年重苦しいほどの曇天なのに……
「アナタのおかげかもね」
「なんで?」
「去年迄この街は……私と」
「ヤエとヒエは悪くない、悪いのは一部の人間だよ」
「うん……」
「はーやーくー! お酒も買うんだからね!」
「ほら当事者が何か言ってるぞ! 行こうヤエ!」
ヤエの手を取るとヒエ達を後ろから追いかけた。
到着すると店内は、流石にクリスマス明けで既にお正月用品を陳列していた。
「アタシがオードブル取ってくる!」
「私はお酒!」
「茉希は良いけどヒエは私達と一緒ね」
「なんでよ!」
「ヒエ……茉希は自分のお金でオードブルを用意してくれたのよ?」
「うぐっう!」
「ヒエのお酒のおk」
「ヤエと一緒!」
「それで良~し!」
「まぁ何か買うのヤエは?」
「オードブルだけじゃバランスが悪いでしょう? サラダに……そうね仁美ちゃんが教えてくれたポトフでもどうアナタ?」
ヤエ……いや流石ヤエ様……凄い料理覚えてる、本当に努力したんだな良い職場にも恵まれて……
「ねぇアナタ聞いてるの? 今日の料理どうかしら?」
「全然大丈夫! ヤエの料理は美味しいから!」
ヤエの料理の材料を買い物しながら店内を移動して、食材が一通り揃ったのかヤエが遂にヒエを解き放った。
「さっ良いわよ、お酒コーナーに行くわよヒエ?」
ヒエがガッツポーズをとると、茉希ちゃんもオードブルを持ってやって来た。
「お待たせ! どう? そっちは?」
「これからお酒よ、もちろんヒエと……ちょっとだけ私も良いかな……?」
ヤエなら大丈夫だろう、ちゃんと自制心があるはずだったような? 何か忘れている様な気がするが……
「オッケー! 楽しく行こう! 俺と茉希ちゃんはシャンメリーで良いかな?」
「師匠……シャンメリーはどうかと思うよ」
「俺は好きだけどなシャンメリー」
「アンタ達早く来てよ! 選ぶの手伝って!」
お酒コーナーからヒエが呼んでる
「好きなの買ってもらいなよヤエから!」
「ヤッホーィ」
不味かったかなぁヒエの歓喜の声が聴こえてきた、様子を見に行くと……やっぱりな、ヤエが呆れた様子でヒエの買い物カゴを指差す。
「おいヒエ様、来月のお小遣い減らされたいのか?」
「今! この時この瞬間! そして呑めるのなら私は我慢する!」
「だそうだ、ヤエと茉希ちゃん絶対に来月のヒエのお小遣い……分かってるな?」
「えぇ勿論……差っ引いておくわ」
「アタシに借金あるんだけどヒエ……あっ!」
「「んなっ!?」」
「ヤエ……もう来月ヒエのお小遣いなしね」
「茉希いくら貸したの?」
「えっ?」
「正直に言いなさい」
「あのね……あんまりヒエを怒らないでね師匠、ヤエ」
「良いから、おいくらかしら?」
「5千円……です」
ちょっとだけホッとした、もし1万円越えてたら、ヒエをげんこつの上お酒を全て没収するところだった。
「なんでまた借金なんて……」
「う~ん言ってもいいのかなぁ……ヤエちょっとこっち来て」
茉希ちゃんがヤエを引っ張って行くと、戻ってきた時には諦めた様な表情だった。何がとか聞かないでおこう……
「今日は飲むわよ!」
コイツは置いて帰るか……という訳にも行かず、ヤエが俯いたまま会計を済ませてスーパーを後にしたヒエに一言だけ伝えて。
「その酒は自分で持って帰れよ」
「なんでよ!」
「「やかましいわ!!」」
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