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~番外編~
雪の果てに消えるー4ー
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真っ直ぐに向けられる嘘のない瞳に、安心をくれる低く柔らかな声に、胸の中のモヤモヤがすっと押し流される。
けれど、それと同じ速度で今まで絶対に口にしないようにと抑えつけていたものの枷までもが外れていくのをリヒトは確かに感じた。
「お前は俺たちのガキなんだ。もっと甘えてわがまま言って困らせてみろ」
頬を包み込む手の温かさに、涙を拭う指の繊細さに、ニヤリと意地悪く笑った瞳の奥に灯る愛情に言ってはいけない何かを抑えていた枷が完全に外れる音が聞こえた。
「でも、俺、本当の子どもじゃない。ボスと姉ちゃんの、本当の子どもじゃないもん!!」
目を見開いて息を呑むノクトの顔を滲んだフィルター越しに見つめながらリヒトはどこか他人事のようにぼんやりと思った。
あぁ、言ってしまった。
これが、俺の心の一番奥でずっとモヤモヤしてたことだったんだ。
双子が産まれてから、ずっとずっと苦しくて悲しくて寂しくて不安で、だけど言えなかった心のしこりだったんだ。
今まで気にしたことなんてなかったのに。
ただ、ボスと姉ちゃんの側にいられたら、ジオとニナに構ってもらえたら、それだけで嬉しかったのに。
幸せだったのに、双子が産まれて気が付いてしまった。
ずっと一緒にいられる理由が俺にはないって。居てもいい理由がないんだって。
「ヤダよ!俺もボスと姉ちゃんの子どもがいい!
ずっとずっと、俺だってパパとママはボスと姉ちゃんだけがいい!!
おれ、おれ、……ずっと一緒にいたいよ!だけど、だけどいつか―――」
いつか、ココを出て行かなきゃいけない日が来る。
大好きな人の邪魔にならないようにこの優しい場所から出ないといけない日がきっと来る。
だって、俺は、ボスと姉ちゃんの子どもだけど、ボスと姉ちゃんは、ジオ達はそう言ってくれるけど、セイラとアルバみたいに揺らがない証がない。
血のつながりが、絶対の縁が、俺にはない。
俺だって、俺だって、ボスと姉ちゃんの本当の子どもが良かったのに、俺は、ちがう。
「リヒト!!」
「ヒック、やだよぉ!ぼす、おれ、やだ!」
いやだ。いやだ。いやだ。
大好きだけど、大好きだから、一緒にいられなくなる。
俺が、いつか可愛い妹の、弟の、邪魔になる。
俺のパパがボスだから。俺とボスに血の繋がりがないから。俺がボスと姉ちゃんに本当に愛してもらってるから。
だから、だから、きっと、俺は、いつか自分で、大好きなこの場所から、出て行かなきゃいけないんだ。
俺という存在が温かくて優しいこの場所を壊してしまわないように。
俺のせいで大好きな人たちが傷ついてしまうことのないように。
「ずっと、居ればいい。
誰が何と言おうとお前はもう俺たちのガキだ。俺たちの家族だ。
ここがお前の家で、ここの連中がお前の家族なんだ」
「ヒック、でも、だって、」
「リヒト。いいんだ。
俺が守ってやる。お前もチビたちも。王国の狸どもにも飢えたハイエナどもにも利用なんてさせやしねぇ。
だから、安心してここにいればいい。ここにいろ。」
「っ、うわぁあああん!!」
心配することなんてなにもないんだ。
言い聞かせるように何度も紡がれる言葉はなんだか本当に信じてもいいような気がして、ぎゅうっと抱きしめてくれる温もりに全てを委ねて甘えてしまってもいいような気がするのに、どうしてか素直に頷くことはできなくて。
リヒトはこんがらがる心にどうしようもなくなって声をあげて泣き続けた。
けれど、それと同じ速度で今まで絶対に口にしないようにと抑えつけていたものの枷までもが外れていくのをリヒトは確かに感じた。
「お前は俺たちのガキなんだ。もっと甘えてわがまま言って困らせてみろ」
頬を包み込む手の温かさに、涙を拭う指の繊細さに、ニヤリと意地悪く笑った瞳の奥に灯る愛情に言ってはいけない何かを抑えていた枷が完全に外れる音が聞こえた。
「でも、俺、本当の子どもじゃない。ボスと姉ちゃんの、本当の子どもじゃないもん!!」
目を見開いて息を呑むノクトの顔を滲んだフィルター越しに見つめながらリヒトはどこか他人事のようにぼんやりと思った。
あぁ、言ってしまった。
これが、俺の心の一番奥でずっとモヤモヤしてたことだったんだ。
双子が産まれてから、ずっとずっと苦しくて悲しくて寂しくて不安で、だけど言えなかった心のしこりだったんだ。
今まで気にしたことなんてなかったのに。
ただ、ボスと姉ちゃんの側にいられたら、ジオとニナに構ってもらえたら、それだけで嬉しかったのに。
幸せだったのに、双子が産まれて気が付いてしまった。
ずっと一緒にいられる理由が俺にはないって。居てもいい理由がないんだって。
「ヤダよ!俺もボスと姉ちゃんの子どもがいい!
ずっとずっと、俺だってパパとママはボスと姉ちゃんだけがいい!!
おれ、おれ、……ずっと一緒にいたいよ!だけど、だけどいつか―――」
いつか、ココを出て行かなきゃいけない日が来る。
大好きな人の邪魔にならないようにこの優しい場所から出ないといけない日がきっと来る。
だって、俺は、ボスと姉ちゃんの子どもだけど、ボスと姉ちゃんは、ジオ達はそう言ってくれるけど、セイラとアルバみたいに揺らがない証がない。
血のつながりが、絶対の縁が、俺にはない。
俺だって、俺だって、ボスと姉ちゃんの本当の子どもが良かったのに、俺は、ちがう。
「リヒト!!」
「ヒック、やだよぉ!ぼす、おれ、やだ!」
いやだ。いやだ。いやだ。
大好きだけど、大好きだから、一緒にいられなくなる。
俺が、いつか可愛い妹の、弟の、邪魔になる。
俺のパパがボスだから。俺とボスに血の繋がりがないから。俺がボスと姉ちゃんに本当に愛してもらってるから。
だから、だから、きっと、俺は、いつか自分で、大好きなこの場所から、出て行かなきゃいけないんだ。
俺という存在が温かくて優しいこの場所を壊してしまわないように。
俺のせいで大好きな人たちが傷ついてしまうことのないように。
「ずっと、居ればいい。
誰が何と言おうとお前はもう俺たちのガキだ。俺たちの家族だ。
ここがお前の家で、ここの連中がお前の家族なんだ」
「ヒック、でも、だって、」
「リヒト。いいんだ。
俺が守ってやる。お前もチビたちも。王国の狸どもにも飢えたハイエナどもにも利用なんてさせやしねぇ。
だから、安心してここにいればいい。ここにいろ。」
「っ、うわぁあああん!!」
心配することなんてなにもないんだ。
言い聞かせるように何度も紡がれる言葉はなんだか本当に信じてもいいような気がして、ぎゅうっと抱きしめてくれる温もりに全てを委ねて甘えてしまってもいいような気がするのに、どうしてか素直に頷くことはできなくて。
リヒトはこんがらがる心にどうしようもなくなって声をあげて泣き続けた。
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