完全幸福論

のどか

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第2章~守るために強くなると誓いました~

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そんなこんなで辿りついた部屋の扉が開いたその瞬間、リヒトは目を見開いて息を呑んだ。

あれは、誰だ…?

大きな瞳を縁取る長い睫毛が影を落とし憂いを帯びた表情で窓の外を眺める少女。
艶やかな黒髪がドアの開く音とジオの声に反応してサラリと靡いた。

ドクン。

心臓が今まで知らなかったリズムで脈を刻む。
まるでその光景だけを切り取ったかのようにリヒトは自分の知らないセイラから目が離せなくなっていた。
刹那の時間が永遠に感じられリヒトは無意識に息を呑んで確認するように妹の名前を紡いだ。

「セイラ……?」

戸惑いを孕んだリヒトの声にセイラが輝く笑顔で振り向いて「兄様!!」と駆けてくる。その姿にリヒトは心の底から安心した。
ほっと安心した様に息を吐きながらリヒトは改めて綺麗に着飾ったセイラの姿を見た。
ルナよりノクトに似たセイラは普段から大人びて見える。
それがドレスと薄らとほどこされた化粧のせいで余計に大人びて見えた。
この姿を人目に、他の男の目に晒すのが嫌だと思うくらいに綺麗だと思った。

「すっごく可愛いよ。誰にも見せたくないくらいに」

そう口走ってリヒトはあれ??と首を傾げた。

誰にも見せたくないって、どういうことだろう。
というか俺はさっきから何を考えているんだろう。
セイラは可愛い大事な妹で、自分はその兄で、だから、えぇっと。

「リヒト?」
「セイラ様?お顔が真っ赤です」
「あー、えっと、うん。セイラもステラもすっごく可愛いよ」
「ぁりがとぅ、ございます」
「えへへ、母様とお揃いなんですよ!」
「俺が贈ったやつだな。
 ステラはもちろんだがちい姫も悪い虫がつかないように気を付けねぇとな」
「そう!そうだよ!それだよ!ジオ!」
「リヒト?何がそうなんだよ??」
「だから、俺はセイラに悪い虫がつくのが心配なんだよ。
さっきのは言葉のあやというかセイラがすっごく綺麗だから」
「リヒト様そのくらいにしておいてください。ちぃ姫がのぼせて気絶しそうです」
「え!?あ、ごめん……??」

いまいち分かっていなさそうなリヒトにニナは微苦笑を零して愛娘を褒めまくるジオを見て溜息を吐いた。

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