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第3章~あなたの愛に完全幸福します~
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ジェロージアの言葉が引っかかったリヒトはすぐに家族に向けて手紙を書いた。
普段どれだけ低レベルなじゃれあいをしていてもあのボスが大切な家族を危険にさらすはずがないと知っている。
絶対にあり得ないと身を持って知っているのにリヒトの不安は消えなかった。
それを紛らわせるように綴られた手紙の返事はすぐに届いた。
「ハハハ……」
やってくれる。
リヒトはノクトから送られてきた手紙に目を通しながら思わず乾いた笑いが漏れる。
1年という期限を決めて王女の家庭教師をするといったのは自分だが、リヒトはセイラがはじめて自分なしに夜の闇の任務に就いた時の報告書を読んで早々に後悔した。
はっきり言ってしまえば危なっかしくて生きた心地がしない。
ノクトから送られて来た手紙にはそれはそれは面白可笑しくセイラの武勇伝が書かれていてリヒトに言わせると心配の一言につきるのだ。
ただでさえセイラは女の子だというのにやることが大胆というか男前すぎる。
どうして誰も止めないんだろう。あぁ、ボスの娘だからか。
妙に納得してしまうのは誰もが恐れ敬う我らがボスに真っ向から噛みついている姿を見ているからか、それとも『その椅子寄こせ!』と大胆にも啖呵を切る姿が日常になりつつあるからか。はたまた『絶対にパパからボスの椅子を奪い取って兄様のお嫁さんにもなってみせます』という男前すぎる宣戦布告が知れわたってしまったからか。
黙っていれば文句なしに可愛いのに。いや、お転婆してても可愛いけど。
少しは心配させられる身にもなって欲しい。
いやいや違う。そうじゃない。戻って来い俺。
最近、なんだかちょっと可笑しいぞ。
ブンブンと首を振って脇道にそれた思考を手繰り寄せているとふいに頭痛持ちの上司の姿が思い浮かんでなんだか泣きたくなった。
帰ったらもっとジオに優しくしよう。
せめて自分だけは両親に、そして弟妹たちに振り回され続けているジオの味方でいよう。
「返事、どうしようかな」
ポツリと呟いたリヒトの脳裏に真っ先に浮かんだのは自分の反応を楽しみに待っているノクトの意地の悪い笑みだった。
ついで自分が書くであろう手紙の内容を思い浮かべて溜息を吐く。
セイラのことに関しては言いたいことがあり過ぎて小言で終わりそうだ。
それは離れた家族に向けた手紙には頂けないし、小言であろうと仕事に関する事を文字にするのは憚れる。
なによりもリヒトがそうだったようにリヒトからの手紙を心待ちにしているだろうセイラたちにそれは可哀相だろう。
「あ」
ふっと視線を投げかけたそこにあったものにリヒトはひらめいた。
これなら必要以上に情報を文字にしなくて済むし、頑張ったご褒美にもなる。
ノクトには普通に返事を書いてセイラたちにはこれにしよう。
「ステラがいるしなんとかなる、よね……?」
伝えたいことが伝わるかどうかは妹分の手に委ねられることになりそうだけど、きっと大丈夫だろう。
リヒトは自分からの返事が届いた時のセイラを想像して柔らかく微笑んだ。
普段どれだけ低レベルなじゃれあいをしていてもあのボスが大切な家族を危険にさらすはずがないと知っている。
絶対にあり得ないと身を持って知っているのにリヒトの不安は消えなかった。
それを紛らわせるように綴られた手紙の返事はすぐに届いた。
「ハハハ……」
やってくれる。
リヒトはノクトから送られてきた手紙に目を通しながら思わず乾いた笑いが漏れる。
1年という期限を決めて王女の家庭教師をするといったのは自分だが、リヒトはセイラがはじめて自分なしに夜の闇の任務に就いた時の報告書を読んで早々に後悔した。
はっきり言ってしまえば危なっかしくて生きた心地がしない。
ノクトから送られて来た手紙にはそれはそれは面白可笑しくセイラの武勇伝が書かれていてリヒトに言わせると心配の一言につきるのだ。
ただでさえセイラは女の子だというのにやることが大胆というか男前すぎる。
どうして誰も止めないんだろう。あぁ、ボスの娘だからか。
妙に納得してしまうのは誰もが恐れ敬う我らがボスに真っ向から噛みついている姿を見ているからか、それとも『その椅子寄こせ!』と大胆にも啖呵を切る姿が日常になりつつあるからか。はたまた『絶対にパパからボスの椅子を奪い取って兄様のお嫁さんにもなってみせます』という男前すぎる宣戦布告が知れわたってしまったからか。
黙っていれば文句なしに可愛いのに。いや、お転婆してても可愛いけど。
少しは心配させられる身にもなって欲しい。
いやいや違う。そうじゃない。戻って来い俺。
最近、なんだかちょっと可笑しいぞ。
ブンブンと首を振って脇道にそれた思考を手繰り寄せているとふいに頭痛持ちの上司の姿が思い浮かんでなんだか泣きたくなった。
帰ったらもっとジオに優しくしよう。
せめて自分だけは両親に、そして弟妹たちに振り回され続けているジオの味方でいよう。
「返事、どうしようかな」
ポツリと呟いたリヒトの脳裏に真っ先に浮かんだのは自分の反応を楽しみに待っているノクトの意地の悪い笑みだった。
ついで自分が書くであろう手紙の内容を思い浮かべて溜息を吐く。
セイラのことに関しては言いたいことがあり過ぎて小言で終わりそうだ。
それは離れた家族に向けた手紙には頂けないし、小言であろうと仕事に関する事を文字にするのは憚れる。
なによりもリヒトがそうだったようにリヒトからの手紙を心待ちにしているだろうセイラたちにそれは可哀相だろう。
「あ」
ふっと視線を投げかけたそこにあったものにリヒトはひらめいた。
これなら必要以上に情報を文字にしなくて済むし、頑張ったご褒美にもなる。
ノクトには普通に返事を書いてセイラたちにはこれにしよう。
「ステラがいるしなんとかなる、よね……?」
伝えたいことが伝わるかどうかは妹分の手に委ねられることになりそうだけど、きっと大丈夫だろう。
リヒトは自分からの返事が届いた時のセイラを想像して柔らかく微笑んだ。
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