【完結】女王陛下、クビだけはご勘弁を 〜「できちゃった。責任とって」って、ソイツはヤリチン王子。できるはずがありません!!〜

アムロナオ

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【66】晴れ晴れ ① ーまだ怒ってるんだからねっ!!!ー

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 というわけで、ダニエルは今日から宮殿を離れ、王子の護衛任務が始まるのである。
 親衛隊との共同業務は気を遣うし慣れないことばかりで大変だけど、へこたれないわっ!

 一昨日、宮殿でやらかした時は凹んだけれど、ポジティブに考えればこれはチャンスだ。
 この任務で功績をあげて、華麗に宮殿に返り咲くのよ!

 念願の近衛隊第一分隊に配属されるかも。
 そして憧れの女王陛下の側近に……くぅぅぅぅ~!
 一気に先輩達を追い抜ける千載一遇のチャンス。

 アツい展開に、ダニエルは燃えた。
 夢を叶えるため、手柄を立てるんだ。

 ヤル気が空回って、網棚に戻そうとしたクッションが転げおちる。

「おい、落とすなよ」
「ごめん、ありがとう」

 拾ってくれたエドから「ガサツな女は嫌われるぞ」と揶揄われ、ダニエルは「いつもは違うのー」と言い訳した。


「ハルボーン中佐はわざとおまえに厳しく当たってるんだよ」

 彼はテキパキと手慣れた手つきで座席の下を確認しながら、同期で部下になったばかりのダニエルにフォローを入れてくれる。

 軍学校時代、彼は影の薄い男だった。
 赤毛で、アリが好きそうな地味な面立ちをしており、身長はダニエルより少しだけ高いくらい。
 細マッチョな体型だが、軍には精悍な大男達が多く在籍しているため、特出して体躯に恵まれているわけではない。

 闘犬の集まりみたいな帝国軍の中でも性格も大人しめで、窓際で本を読んでいるような学生だった。
 そのため挨拶するまで、彼が親衛隊に居ることを知らなかった。

 けれどかなりのやり手なのだろう。
 同じ年に入隊したのに、階級はダニエルの一つ上の少尉。
 近衛隊と違い親衛隊はエリートが集まるので、その中で少尉ということは、実質大尉くらいの実力はあるのでは。

「おまえは特殊な”一時預かり”だから、仲間から反感を買ってるしな」

 親衛隊の面々からすると、ダニエルの存在は異質なお荷物に他ならない。
 ダニエルもそれを承知しており、なんとか役に立とうと奮闘中だ。


 そもそも普段からサニーは護衛を付けていない。

 必要ないほどに強いし、筋肉モリモリの男に四方八方を囲まれ過ごすのは地獄だと拒絶したらしい。

 それならば今回のように女性軍人を弾除け代わりに置こうと、ユージンはじめ親衛隊の面々は提案した。
 中には、「私を盾にしてください」と直談判した者もいたそう。
 しかし「女性を盾にするくらいなら死んだほうがマシ」と、サニーは断固拒否したのだとか。

 ”女王陛下が王子の身を案じ、近衛隊から護衛をつけた”
 その一報に、王子に近しい者はみな喜んだが、それが腕っ節も実力もないダニエルだとわかると失望された。
 ”護衛”とは名ばかりで、有事の際には王子がダニエルを守る可能性のほうが高いと判断されたのだ。
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