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【07】めくるめく快楽 〜見ざる、聞かざる、言わざる〜

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「二人には?」

「……口を滑らさないように気をつけます」

自然とダニエルはおっぱい丸出しのマヌケな格好で正座し、頭を下げた。



「そうしてチョーダイ。ぶっちゃけ俺は気にしないけど、ユーリは厳しいからさ」

「もし口を滑らしたら、どうなるの?」

ダニエルは恐る恐るサニーを見上げた。


「そりゃあ、………………ねぇ」

「のぁぁぁぁ!!その沈黙が怖いよっ」


女王陛下の居城ヴァリカレー宮殿では、よく人が消えると聞く。

闇に葬られた人々がどうなったか、誰も知らない。

だから宮殿では”見ざる、聞かざる、言わざる”が最も重要だと、近衛隊の先輩方から教えられたっけ。


「心配しなくても大丈夫、俺が守ってあげるから」

顔を引きつらせ恐怖に慄くダニエルを、サニーは再び抱きしめ、二人でベッドに倒れこんだ。


サニーを全面的に信用しているわけではない。

でも彼が自分を窮地に追い込むとは、どうしても思えない。


背中を抱きしめる腕も、胸を揉む手も、絡めあった足のつま先までもが、こんなにも優しく温かいのに……そんな彼が自分を見殺しにするはずがない。

根拠はないが、ダニエルはそう確信していた。



気を取り直したところで、疑問が湧いてくる。

「公式な公務がペティファー公爵、秘密の仕事はアグロン伯爵なら、グリニッジ男爵はどんな場面で使ってるの?」


「ん?そりゃあ、まぁ……いろいろ?お買い物する時とかー、乗馬する時とかー」

ダニエルはピンときた。


「ふぅん、女遊びする時とか?」

サニーは表情を変えなかったが、ほんの僅かに息をのむ。

たったそれだけのことだが、女の勘が働いた。


「やっぱりそうなんだっ、サイテー!まだ女遊び続けて、んぅっ!……っ、んっ」

痛いところを突かれたサニーは、唇を重ねることで続くであろう詰問きつもんを封じる。


誤魔化されたくないのに、豪奢ごうしゃな刺繍がほどこされたシーツに身体を押し付けられ、男の重く固い筋肉に囲われてしまえば、その熱にあっという間に飲み込まれてしまう。



サニーは丸呑みするようにダニエルの口を口内に含み、舌で唇をベロベロ舐めてくる。

無条件で背筋がゾクっとし、鳥肌がたった。


「んぅ……、っ、んっ!、っん、ん”ん」

そして悪戯な指先が胸の蕾を掠めらる。

くすぐったさで、じんわり身体が熱くなった。


「はぁっ、っぁ……、っあ」

首筋に歯を立てられ、ダニエルは肩を小さく揺らす。

彼とのセックスを知ってるダニエルの身体は、拒絶するフリをしても、その先にあるめくめく快楽を求めてしまう。
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