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【06】二人の絆 〜TOP SECRET〜

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そんなダニエルの気持ちを察してか、サニーはダニエルのこめかみにキスをする。

「俺がそれを望んでるからだよ。それに今はキャーキャーされたくない。俺にはキミがいるしね」


本当に?ベッドの中限定のリップサービスじゃない?

嬉しいような、嬉しくないような……でもやっぱり嘘でも嬉しくて、口の端がニヤけちゃう。


「そっかぁ。でも、ちょっともったいないね」

「めんどくさいだけだヨ。それに写真を公開したら、親衛隊の現場に出れなくなるし、自由に街を歩くのもままならなくなる。女王陛下とフィリップ兄上をみてよ、何処に行くにも護衛隊をぞろぞろ引き連れてさ……俺は絶対ムリ!」


サニーの表情から、衆人環視を心の底から嫌がってるのが見て取れ、ダニエルはなんとなくだけれど、彼が言わんとしていることが理解できた。

陛下や殿下の周囲を近衛隊が囲み護衛する様子は、ダニエルにとってはカッコいいものだ。

しかし実際される側は、窮屈で鬱陶しいのだろう。


そういえばダニエルとサニーがアリャーリャ村で初めて出会った時も、彼は護衛を連れておらず、一人気ままにポーカーを楽しんでいたっけ。

派手なシャツに無精髭ぶしょうひげをはやし、ウィスキーのグラス片手に女性を侍らせていた男の姿を思い出し、第一印象は自由気ままな一匹狼だったのを思い出す。

最近の彼はきっちり髭を剃り、軍服もしくは貴族風のジャケットを着てばかりだから忘れていたが、その野性味の強さに惹かれたんだった。



「サニーの情報って、もしかしてトップシークレット?」

「トップシークレットかどうかはわからんけど……まぁ、一応秘密事項デスね」


「それなのに教えてくれたってことは……もしかしてあたし、信用されてる?」

「ディディは俺のお姫様だから、特別にネ」


サニーの答えに、ダニエルは飛び上がりたくなった。

誰かに信用してもらえるは、素直に嬉しい。

相手が好意を持つ異性ならなおのこと、それだけで力になる。

二人の絆が目に見えたようで、豪華な贈り物より何倍も価値がある気がした。



口の端が緩むのを抑えきれず「ンフフ」と笑うと、サニーはゆっくりとした動作でベッドに上がり、優しくダニエルの腰を引き寄せ首筋に吸い付く。

「だから誰にも言っちゃダメだよ」

囁かれ、くすぐったさにダニエルは肩をすくめながらも、大きく頷いた。


「まかせてよ!あたし、こう見えても口は固いんだよ」

自信満々に胸を叩くダニエルに、サニーは少し懐疑的だ。


「絶対絶対、秘密にする!もちろん親友のセレーナとアリには……」

和み系女子のセレーナとキツめ美人の肉食女子アリの顔を思い出し、ダニエルは言葉を濁した。

二人が相手だと、口を滑らせてしまいそう。


既にダニエルには前科がある。

何も考えずにポーラにサニーの正体を教えてしまったのだ。

幼馴染のラスティーにも言わないように、注意しなきゃ。
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