女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません！！〜

【36】自然体 〜雨降って地固まる〜

「ディディを専属から外すくらいなら、警護に付けるヨ」

「えっ！？」

ダニエルは下腹部の怠さも忘れて勢いよく起き上がった。


「いいの？」

「あんま良くないけど、ユーリを説得してみる。まぁ最終的には力技という名の権力でどうにかするサ」



「キャァ！嬉しい～！！やっと仕事ができるわっ」

ダニエルはベッドの上で跳ね、サニーに抱きついた。


「んもぉ、護衛させてくれるなら、なんでこんなに焦らしたのよ。もっと早く帯同させてくれてもよかったのに」

「そんな無茶な……でも今まで通り隣室待機も多いと思うヨ。聞かせられない話も多いからネ」

ダニエルがプゥと口を尖らせると、サニーはその唇をむにゅと摘む。


「可愛い顔してもダメ。頼むから情報を漏らさないでね……そろそろロンド教の情報も集まったし、今後の作戦を耳にする機会も増えるだろうし」

「漏らすわけないじゃない。ドーンと任せて！！」


自信たっぷりに胸をたたくと、豊かなおっぱいがゆさッと揺れた。

それに目を奪われたサニーは「ふむ……」と考え込む。



「ちょうどいい機会だ。明日カイルが報告に帰ってくるから、ディディも同席しなヨ」

「サニー……っ」

あんなに蚊帳の外にしていたのに、どういう風の吹き回しだろう。


しかしそんなことどうでも良くなるくらい、ダニエルは猛烈に感激していた。

「ありがと、サニー！！」

ダニエルはサニーのほっぺに強めにキスをし、そのままハムハム食いついた。


「ディディは嬉しい時にもこれするんダネ」

蒸気機関車ホクトベガの時にも一度されてるので耐性はあったが、それでもサニーはちょっと驚いてしまった。


「今日のキレっぷりを見せられたら、隠しすより明かしたほうがイイって良くわかったからネ」

「子どもみたいに泣いて恥ずかしかったけど、怒ってみるものね。雨降って地固まるってヤツかしら」


「その通りだけど、次からは不満は小出しにしてくだサイ。まぁ、怒ってキィーってなってるディディもすげぇ可愛かったけど……」

サニーは面映そうに言い淀む。


「どんなキミでも俺はメロメロっていうか、そこんとこヨロシクっていうか…………俺ナニ言ってるんだろ」

照れて視線を逸らせるサニーに、ダニエルは目を丸くする。



エッチ中の貪りあう雰囲気じゃなく、火花を散らすような恋の駆け引きや激甘な口説きでもなく。

何気ない、でも穏やかで安心できるような空気の中で。

こんなにも自然にサニーの気持ちを聞いたのは初めてだった。


それがすごく嬉しくて、ダニエルは頬が緩んだ。

ーーもっと二人でいるのが自然体になりたい


ダニエルはにっこり笑って、目を瞑る。

サニーはチュとまたキスをくれた。