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【92】一緒に行こう 〜マッキニー領へ〜
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「すごい!こんなに沢山用意してくれたんだ。ありがとーーー!」
ダニエルが感謝の印に頬を差し出すと、サニーはヒョイっと屈んでそれを受けてくれる。
言葉がなくても通じ合える瞬間が増えてきて嬉しい。
「ベッドの上で食べよう」
「最高!でも大丈夫?クライン執務官に見つかったら、“お行儀が悪いですよ!”って怒られちゃうわ」
「ユージンはマッキニー領に置いてきたから安心して」
「やったぁ!心置きなくベッドで食べれるわね」
ダニエルはベッドの上でピョンと飛び上がった。
ダニエルが紅茶の用意をしていると、サニーがサンドウィッチを皿に装ってくれる。
ポーラは皿に装うなんて気の利いた事はしないだろう。
椅子をひいたりドアを開けたり、紳士のマナーは問題なくこなすが、生活力があまりないというか。
それに比べサニーは出会った時から庶民の生活に馴染んでいた。
バーで出会った時はそれこそアウトローな雰囲気で、誰も彼をこの国の第三皇子だなんて思わないだろう。
雰囲気や仕草が野性味に溢れていて、気品を感じなかったのに、今の彼は何処と無く気品を感じる。
演技で気品の有無すら表現しているのだろうか。
それなら凄すぎる。
「なに?じーっと俺をみて……あ、見とれちゃった?」
「自意識過剰ね!どっちのサニーが本物なのかなって観察してたの」
「本物?どっちがって、どことどこの俺?」
「最初に会った時と今」
「あぁ……最初に会った時は休暇中だったから。ちょーっと羽を伸ばしてたよね」
「今は?」
「今も休暇中デス」
「……いつまで?」
「んー、明日には戻るかな」
現実に引き戻され、ダニエルは無言になった。
進捗や今後どうなるのか、聞きたくないけど聞かずにはいられない。
「父上や母上はどうなるかんじ?」
「ロンド教を掃討する時に協力してくれるかどうかで決まるかな」
「それじゃあポーラが父上と母上をどれだけ説得できるかにかかっているわね」
ダニエルは肩を落とした。
あの両親がダニエルの言葉に耳を傾けてくれるとは思えないが、それでも何もしないのは見捨てたようで心が痛む。
「ディディにもかかっているよ」
「……?どういう……っ!もしかして!!」
サニーの得意げな表情に、ダニエルは目を輝かせた。
「私もマッキニー領に一緒に行っていいの?」
サニーは無言で頷く。
「きゃーーーーーーっ!」
「うぉっ!!」
ダニエルが大声を上げて飛び上がりサニーに抱きついたので、彼は驚きの声をあげた。
「ありがとう!ありがとう、サニーーーーッ!!」
頰ずりしてお礼をいうと、サニーはダニエルの背中を抱きしめ返す。
「そんなに嬉しい?」
「勿論!」
喜びのあまり、ダニエルはサニーの膝に乗って彼を抱きしめていた。
ハグだけじゃ足りず、ブチュっとキスもお見舞いする。
サニーは満足げに「迎えに帰ってきた甲斐があったな」と呟いた。
「一緒に行こう、マッキニー領へ」
サニーの言葉に、ダニエルは大きく頷いた。
ダニエルが感謝の印に頬を差し出すと、サニーはヒョイっと屈んでそれを受けてくれる。
言葉がなくても通じ合える瞬間が増えてきて嬉しい。
「ベッドの上で食べよう」
「最高!でも大丈夫?クライン執務官に見つかったら、“お行儀が悪いですよ!”って怒られちゃうわ」
「ユージンはマッキニー領に置いてきたから安心して」
「やったぁ!心置きなくベッドで食べれるわね」
ダニエルはベッドの上でピョンと飛び上がった。
ダニエルが紅茶の用意をしていると、サニーがサンドウィッチを皿に装ってくれる。
ポーラは皿に装うなんて気の利いた事はしないだろう。
椅子をひいたりドアを開けたり、紳士のマナーは問題なくこなすが、生活力があまりないというか。
それに比べサニーは出会った時から庶民の生活に馴染んでいた。
バーで出会った時はそれこそアウトローな雰囲気で、誰も彼をこの国の第三皇子だなんて思わないだろう。
雰囲気や仕草が野性味に溢れていて、気品を感じなかったのに、今の彼は何処と無く気品を感じる。
演技で気品の有無すら表現しているのだろうか。
それなら凄すぎる。
「なに?じーっと俺をみて……あ、見とれちゃった?」
「自意識過剰ね!どっちのサニーが本物なのかなって観察してたの」
「本物?どっちがって、どことどこの俺?」
「最初に会った時と今」
「あぁ……最初に会った時は休暇中だったから。ちょーっと羽を伸ばしてたよね」
「今は?」
「今も休暇中デス」
「……いつまで?」
「んー、明日には戻るかな」
現実に引き戻され、ダニエルは無言になった。
進捗や今後どうなるのか、聞きたくないけど聞かずにはいられない。
「父上や母上はどうなるかんじ?」
「ロンド教を掃討する時に協力してくれるかどうかで決まるかな」
「それじゃあポーラが父上と母上をどれだけ説得できるかにかかっているわね」
ダニエルは肩を落とした。
あの両親がダニエルの言葉に耳を傾けてくれるとは思えないが、それでも何もしないのは見捨てたようで心が痛む。
「ディディにもかかっているよ」
「……?どういう……っ!もしかして!!」
サニーの得意げな表情に、ダニエルは目を輝かせた。
「私もマッキニー領に一緒に行っていいの?」
サニーは無言で頷く。
「きゃーーーーーーっ!」
「うぉっ!!」
ダニエルが大声を上げて飛び上がりサニーに抱きついたので、彼は驚きの声をあげた。
「ありがとう!ありがとう、サニーーーーッ!!」
頰ずりしてお礼をいうと、サニーはダニエルの背中を抱きしめ返す。
「そんなに嬉しい?」
「勿論!」
喜びのあまり、ダニエルはサニーの膝に乗って彼を抱きしめていた。
ハグだけじゃ足りず、ブチュっとキスもお見舞いする。
サニーは満足げに「迎えに帰ってきた甲斐があったな」と呟いた。
「一緒に行こう、マッキニー領へ」
サニーの言葉に、ダニエルは大きく頷いた。
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