女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません!!〜

アムロナオ

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【137】翌朝③ 〜誘惑〜

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「おはようございます!すみません、遅くなりました」

「おはよう、ダニエル嬢」

「おはよう、マッキニー准尉」

「おはよう、ダニエル。重役出勤だな」

サニー、カイル、エドは既に席に付き笑顔でダニエルを出迎えたが、ミランダは渋い顔してる。


「旅の疲れが出たみたいで……お待たせして申し訳ありません」

「朝食に遅刻するなんて、恥ずかしいわね」

「申し訳ありません、母上」

「貴女はそこよ」

末席に促され、ダニエルは何も考えずにその席についた。



「それでは皆様、お召し上がりください」

「いただきます」と挨拶をし、各々おのおの朝食を食べ始めるが、サニーは不快感を胸の内に納めるべく努めた。


仮にもダニエルは長姉なのに、入り口に近い末席に座らせるなんて。

ダニエルもポーラも気にする素ぶりはない。

当たり前の光景なのだろう。

どれだけ彼女ダニエルが軽んじられ育てられたか、察せられる。



「ダニエル嬢、本日は何をされるんですか?」

ほぼ対角に位置するサニー、もといアグロン伯爵から話しかけられ、ダニエルは朝食をかきこむ手を止めた。

ミランダとキャサリンも一時停止している。


「……本日は帳簿の確認作業をしようかと」

「それは大変だね。領地はないが私も爵位持ちだから帳簿処理の大変さはわかるよ。よかったらお手伝いさせてくれ」

サニーは誘惑するような熱い視線を送ってきて、ダニエルは内心ギョッとした。



「伯爵様にそんな事させられませんわ。ねぇ、ダニエル」

ミランダは「断れ」と目で訴えている。


「え、えぇ……」

「今日は天気もいいし、ドルパ山の麓の湖へ出かけるのはどうでしょう?夏は緑碧に濁る湖も、この時期はサファイアブルーに輝くんですのよ。キャサリンがご案内いたしますわ」


「いいえ、結構です。ダニエル嬢のお手伝いをさせてください。帳簿整理なら人手が多い方がいいでしょう?」

サニーは煌めく笑顔でキッパリと断り、ミランダは頬を引きつらせた。


「なんでもお手伝いしますよ、ダニエル嬢」

サニーは婉然と微笑みながら、ダニエルに流し目をよこした。

彼の笑顔を見慣れているダニエルでさえ、ドキッとしてしまう。


昨夜のイチャコラがまだ残ってるのかと思うほど甘い雰囲気に、ダニエルはドギマギしてしまった。


「遠慮なさらないでください」

「しかしお客様にそのような事……」


「私がしたいんです!帳簿の計算から力仕事まで、なんでもできますよ。貴女ダニエルのお役に立ちたいんです。何でも申し付けてください」

「は、はぁ……」


「不躾ですみません。でも貴女の事が知りたいし、貴女の側にいたいんです。貴女ともっと親しくなりたいんです」

サニーは人目を憚らず口説いてくる。

既定路線ではあるのだが、家族の前で好意をただ漏れされるのはちょっと恥ずかしい。
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