最弱種族の最強戦記

平山

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最悪の始まり3

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朝、ヨシズミの一件で疑問を抱いたままスズムたちは指定された時間に王都軍本部受付所に着いた。

受付の係員に「スズムですけど……」と言うと係員が

「あーはいはい、ちょっとまってね『呼出コール』」

コールを使えるとゆうことはこのおばさん、上級術師か。

そんな事を考えていると、「おばさーん、何のようですか?」とハラさんの声が聞こえてきた。

「スズムさんらが来てるよ」

ハラさんがこちらに気がついた。

ハラさん、なんかかっこいい。
白を基調としたスリムな装備をつけていて、
鉄槌を持っているとゆうことは鎚使いか。
ハラさんの鉄槌、雷鎚じゃん。激レア装備じゃん。

「スズムさん、ミオさん、ユウキさん、チトセさん、おはようございます。もうすぐ朝礼が始まります。こちらに着いて来てください」


「はい」と返事してハラさんに着いて行った。


少し狭い道を歩きグラウンドらしき場所に出た。

ミオが「すごい人数だな」と呟いた。
ミオの声を聞き逃さなかったハラさんが、
「王都軍は1万人兵士がいます、そのうちの九割が元狩人です、潜在能力者は君たち合わせ12人います」と教えてくれた

「僕は朝礼の進行役に当たっているので、君たちはここで見ていてください『拡声マイク』」

ハラさんが拡声の魔法を編みながら壇上に上がって行った。

ハラさんが喋り出した。

「皆さん、おはようございます。今回は新しい兵士が介入してきます」

兵士達がざわめき出した、ざわめいたと言えど、悪いざわめきでわない、「久しぶりだな新人入るの」やら「やっと後輩ができる」
やらいろいろと聞こえてくる。

「それじゃあ、スズムさん、チトセさん、ユウキさんミオさん、出てきてください」

チトセとユウキとミオが壇上に上がりに行こうとする。

チトセが「スズム、早く来て!」と急かしてくる。

スズムは極度の人見知りで大勢の前に出るとすぐにユウキの後ろに隠れてしまう。
スズムは身長160cmと小柄だがユウキは180cmと大柄でがっちりしているので、隠れやすい。他の2人も168cm以上ある。

ユウキは、
「俺の後ろに隠れといていいから」
と言いながら、スズムを引っ張り、無理あり壇上に上がらせた。

「えー、この四人が新兵の……」

ハラさんが話してることより、
スズムは違うことが気になった。
(なんだろ、この普通じゃない気配は……)

「なぁ、ユウキ」
「なんだ、スズム」
「変な気配しない?」
「さぁ、お前サーチのスキル使えただろ?」
「うん、やってみるよ」

スズムは目を瞑った。無心になり、全感覚神経をフル稼働させる……見えた。兵舎の時計台の上にいる。

スズムはユウキの前に立ち、即座にライフルを取り出した。
スコープで敵を確認し、頭を狙って弾を放った。

「!?」

今、敵が銃弾をかわし、消えた。
唖然としていると敵が目の前に現れ、スズムに向かって太刀を振り下ろした。

ダガーを出すにも間に合わない。
しかも敵がいきなり目の前に現れた驚きのあまり、体が動かない。

スズムは頭からカチ割られるのを覚悟し、目を瞑った。

するとスズムの前でガチン!と鈍い音が聞こえた。
目を開けるとハラさんが手甲で相手の太刀を受け止めた。ハラさんの手甲と太刀の隙間から血がドバドバ出ている。

敵の顔を見てみると肌が黒色で顔の所々に紋章のようなものが入っている。

「何の用だ、ガーゴイル……新入りに手を出すとはいい度胸してますね」

「いい事教えてやるよ、エルフが動きだした、ドワーフもへんな動向を示してるぞ、お前は賢いからわかるよな」

「……根拠は?」

ハラさんはガーゴイルの腹に小型ナイフを突き刺した。

「もう一ついいこと教えてやるよ……種族対戦は始まっている、悪魔は吸血種ダンピールに宣戦布告した」

ガーゴイルは消えて行った。
ハラさんは顔面蒼白だった。
兵士もざわつき出した。

種族対戦が始まった?
嘘だろ。あり得ない。
また始まる?
などと一部除いて兵士はざわつきまくっている。

「ハ、ハラさん?」

スズムの呼び声にハッとしたように反応した。

「腕の怪我、大丈夫ですか?」

「こんなのまだマシですよ……あと、スズムさん悪魔の言うことです、多分冗談ですよ……今日の朝礼は終わります。皆さんくれぐれも悪魔の言うことはまにうけないように」

ハラさんは壇上から降り、スタスタと廊下を歩いていった。
こころなしか震えているように見えた。


午前9時を告げる鐘の音が響き渡った。
まるで戦争のゴングを鳴らしているようだった。

そしてスズム達はまだ知らない、人類種存続をかけた人類史上最悪の戦いが始まることを。
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