転生したらオークたん♪だった件

岸利トオル

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勇者の能力

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 魔王軍との交戦中と言う事もあり、式典も簡素なものとなり、祝賀会は後回しとなっていた。



 話し合いの為、ロコック用の執務室に移動したオークたん達は、魔王城に向かい魔王を倒すもの、前線を守るもの、国内、ノルン=オルガーノおよび、ダークエルフの軍団を倒すものに分かれることにした。



「すまないが、俺はそもそも、それぞれの能力がわからん、だからどう分担すべきかが想像できん。」



 一人だけ、デスクの椅子に腰かけるロコックが、ゆっくりと話し出した。



「この国では、各国の王を超える存在がいる。」



 それは、神器を司る三人の適正者と、勇者に聖女、神器の内一つでもあれば、魔王を滅する事ができ、勇者と聖女が揃えば国は安泰と言われている。実際に、魔王軍と魔王を、黎明の書のみで倒したことさえあった。

 そして勇者の能力は、世界の限界を超え魔法を扱えることにあり、通常は強化魔法は、下位の魔法に上位の魔法を掛ければ、効果は上書きされる。しかし、勇者だけは効果が重複する。レベル1から10までの強化魔法を掛けた場合、1.5×2×2.5×3×3.5×4×4.5×5×5.5×6=233887.5倍、その圧倒的な力に及ぶものはいない。

 聖女、付与補助回復魔法に長け、覚醒することで、超多人数超広範囲に回復や補助魔法を行えるようになる。また、同系の魔法なら、最下位から最上位まで同時に施行できる。

 メテオスターは大破壊担当、先端の鉄球のサイズが自在に変化し、大型の魔物や広範囲の物理破壊などに長けている。魔王城も粉々にしたことがある。

 斬人刀は対人戦特化武器、切りたい対象物以外を透過して対象を切る事が出来る。その加護で能力や剣技は向上する。

 黎明書、全ての魔法を知ることが出来るが、本人が使えるかは別、その鎖で魔道具や魔法石や人などを武器化することで、魔力や扱える魔法の限界を補う事が出来る。



「勇者と聖女の組み合わせが、一番いいんじゃないか?」



 オークでも分かる簡単な問題だ、本来の組み合わせが、一番考えられているというもの。



「外れですです。」



「なんでやねん」



 オークたんは、前世ぶりに『なんでやねん』とクロエに突っ込んだ。※注(突っ込んだのはチンコではありません。)



「タン、勇者が魔道具なら、攻撃魔法でも威力が重ね掛け出来たらどう思う?」



 ロコックから得た新情報に、ある疑問が浮かぶ。



「それは話が違ってくるな…例えば勇者魔道具で補助魔法を一般人にかけた場合どうなる?」



「まあ、重ね掛け可能だ、勇者より強い者が居れば、その方がより強い戦士になるわけだ、しかも、魔法がかけられる人数だけ、通常の23万倍の戦士ができる。」



 う~ん、おかしいな~、こっちの法の抜け道みたいな方が、なんだか良い感じ?



「どうだい、僕の凄い能力は♪」



 勇者アルケ=ツヴァイは、ソファーに腰掛けて、優雅に紅茶を嗜んでいる。



「お前…あの惨事の後で、よくそんな三時のティータイムできるな…」



『上手い!!』



 聖女マリアだけは、心の中でそう言った。



「僕の精神攻撃耐性と回復力は、世界でもトップクラスだからね♪」



 うわ~引く~…わ~みんな引いてる~…ってロコックは引いてない!?



「まあ、コイツ…勇者の精神は人とは違う。過去に、目の前で兄を殺したが、五分後には私と談笑していたぞ」



 うっうわ~…勇者より引く~…



「まあ、どっちが正しいか考えれば、すぐに割り切れちゃうんだよね♪」



 この世界の人間はどうなってんだよ~…ってクロエとマリアはちゃんと引いてる~…



「ともかく、私としては、広範囲の攻撃が得意なものでは、魔王城やダンジョンは斬人刀か勇者の担当だと思う。したがって今回はタンに任せたい。」



「異議なしですです。」



「私もですわ」



 クロエとマリアは異議なしか、勇者は…うわ、むっちゃいい顔で紅茶すすってる。



「ん?ああ僕はクロエちゃんにずっとついて行くよ♪ね~」



「キ・モ・イ!」



 クロエに顔を近づけるが押し返されている。



「俺は実践経験がないんだぞ、一人はきついだろ」



「まあ、前衛のお手本として、ウチの御剣を貸そう、回復には聖女が付いて行けばいいだろう。」



「じゃあ、ついでにアルマも連れてくわ、それなりに強いし戦闘の補助に向いてる気がするもの」



「ふ~む、アルマ…アルマ=ツゲーネね、まあ問題ないわね(死んでも)、バランス的にもパーティーになりそうね」



 勇者アルケ=ツヴァイがカップを置く。



「じゃあ、僕とクロエちゃんでノルン=オルガーノだね♪でも、ダークエルフの軍団はどうするの?」



「それは、こっちも手持ちのエロフに相談するです。」



 どうやら話は決まったように見える。最後にロコックが締める。



「不本意だが私がここで防衛線を守り、タンは魔王を、クロエはツヴァイハンダーをもってノルン=オルガーノを討て」



 全員の顔を見回す、各々が頷いたが、オークたんは不服な顔をしている。



「やるよ、どこかで決めないといけない…覚悟だ」
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