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富を根こそぎ失った男
第四話
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「ーーーーあら、もうこんな時間」
白く細い左腕に巻かれた腕時計を見つめ彼女は言う。
「あなたの話を聞いていると時が経つのを忘れてしまうわね」
彼女は僅かに口角を上げ、そう口にした。
彼は彼で時を忘れすっかりと話し込んでしまった事を詫びるように、顔いっぱいに苦笑いを浮かべこう応えた。
「すまない。すっかり夢中になって話しこんでしまったーーーーあっ……」
彼の指先が慌ただしくズボンのポケットを探るが、お目当ての物が無いと分かると、自身の愚かしさに心底辟易した。
「どうかしたの?」
「あ、いや……さっきも話したと思うが、俺はその……今から……死ぬつもり……だったから……その……」
「ーーーーああ、それなら大丈夫よ。ここは私に任せておいて」
彼女は今日一番の笑顔を振りまき彼を制する。
「いやっ……しかし……」
気後れした彼の手は何度も何度も自身の身体を丹念に探るが、目当ての財布はやはり見つからない。
「いいの。あなたには無理言ってお話を聞かせてもらったのだし、それにーーーー」
「?」
彼は小首を傾げ、彼女の次の一声を固唾をのんで待ち構えている。
彼女はしばらくの間、空になったカップの底を眺めていた。まるで遠い昔の光景を覗き込んでいるかの様に、静かに、熱心に。
そして、
「ーーーーそうしないと未来が変わらないから」
「未来……?」
聞いた言葉がそのまま口からこぼれ出た。だが、その言葉がすぐには理解できなかった。慣れ親しんだ言葉のはずであるが、どこか違和感を纏っていて妙に偽物のように感じてしまう。
未来。未来。未来……。
その二文字は朧げな輪郭のまま彼の頭の中でぐるぐると彷徨い続けた。
まるで帰る場所を失ってしまった哀れな子犬の様に、自身がそれまで存在していたであろう場所を求めてあてどなく一人きり、寂しく、彷徨い続けた。
彼は言い知れぬ不安や悲しみといった感情にかられ、ひどく居心地が悪かった。頭を強く振り、それらを振り払おうと試みるが上手くはいかない。
「ーーーーさて、私はもう行くわ。今日は本当にありがとう。あなたに会えて良かった」
彼女はそう言いながら静かに椅子から立ち上がった。
「あ……あのっ……!」
彼は一種の頭痛の様な重苦しい痺れに耐えつつ、彼女の方を見やった。慌てて椅子から立ち上がろうとしたため、テーブルが大きく揺れてしまい紅茶の入ったカップがカチャリと音をたてた。
騒がしい彼とは打って変わって、彼女はまるで世界が違っているように粛々としており、凛とした立ち姿で歩き始めていた。
彼の呼びかけに彼女は静かに足を止め、楽しそうに肩を震わせながら言った。
「ふふっ、あなたは残った紅茶を早く召し上がりなさいな」
口元に右手を当て、微かな笑みを浮かべる。
「冷めても美味しいのよ、その紅茶。温かい時とは違ってとてもすっきりとした味わいになるの」
そう言われた彼は自身の思いとは裏腹に、静かに椅子へと腰を降ろしていた。座る気などまったくありはしないのに、まるで彼女に操られたかの様に従順に行動してしまった。その事がさらに彼を困惑させた。
まどろみの中にいるような非常にふわふわとした意識のまま、彼の視線はカップを捉え、右手でそっと持ち上げわずかに残った紅茶を口に含んだ。
すっかりと冷めた紅茶が喉の奥へと流れ落ちていく。
「ね? 冷めていても美味しいでしょう? 私は温かい紅茶の香りが花開いている方が好きなのだけれど。たとえ同じ紅茶でも温度が違うだけでこうも表情が異なる。不思議よね。まあそれは紅茶に限った話ではなく他の物事も同じなのよね、きっと」
「えぇ、まぁ……」
頭上から降り注ぐ彼女の言葉は、理解し難いものではあったが彼はとりあえずそんな風に返事をした。
そして彼はすっかり空になったカップの底を見つめた。
本当に美味しい。
彼はしみじみとそう感じていた。今まで紅茶を好んで飲む事はなかった彼だが、なんだか今までの人生損をして生きていた気分になっていた。
まして彼は今から死ぬつもりだったのだ。紅茶がこんなにも美味しいものだと知らぬまま。
だからたとえ今日自ら命を終えるのだとしても、彼の人生の最後の最後でこうして紅茶に出会えた事は何にも勝る僥倖だと言える。
最後にこんな素敵な出会いをさせてくれた彼女にお礼くらいはきちんと伝えなければ、彼はそう思い至り正面にたつ彼女の方へと視線を送った。
「あれ……?」
だが、彼の視界に彼女の姿は映らなかった。
ついさっき、冷めた紅茶も美味しいと言ったばかりの彼女の姿がどこにも見当たらない。時間にしてほんの数秒しか経過していない筈なのに。それなのに、彼はまるで最初から一人で紅茶を楽しんでいたかのような空気感がそこには漂っていた。
彼女がついさっきまで口をつけていた、空の紅茶のカップがそこになければ彼はきっとそう思い込んでいたに違いない。
彼は一人静かに彼女のカップを見つめる。
まるで幽霊にでも出会したかのような、不思議でなんとも言えない居心地の悪さを感じていると、突然、何者かに肩を叩かれた。
「っ⁉︎」
「ーーーーはい、これ。おつりです」
そう言われ差し出されたのは二枚の銀貨であった。
彼は理解が追いつかぬまま、差し出されたその二枚の銀貨を受け取った。
視線を落とした先には今年造られたばかりの物なのか、鮮やかな光沢のある二枚の銀貨が光り輝いていた。
二枚の銀貨は己の美しさを誇示するように光っては彼の視線を捉えて離さない。
しばらくの間無心で眺めていた彼は、はっと我に帰った。
途端に、周囲の雑音がうねりを上げ一気に彼に押し寄せた。まるで今まで止まっていた時間が再び息を吹き返したかのように。
彼は慌てて周囲に視線を送る。そこには見慣れたいつもの街並みが、通りを行く騒がしい人々の姿があるだけだった。
彼は輝く銀貨をそっと握りしめた。
白く細い左腕に巻かれた腕時計を見つめ彼女は言う。
「あなたの話を聞いていると時が経つのを忘れてしまうわね」
彼女は僅かに口角を上げ、そう口にした。
彼は彼で時を忘れすっかりと話し込んでしまった事を詫びるように、顔いっぱいに苦笑いを浮かべこう応えた。
「すまない。すっかり夢中になって話しこんでしまったーーーーあっ……」
彼の指先が慌ただしくズボンのポケットを探るが、お目当ての物が無いと分かると、自身の愚かしさに心底辟易した。
「どうかしたの?」
「あ、いや……さっきも話したと思うが、俺はその……今から……死ぬつもり……だったから……その……」
「ーーーーああ、それなら大丈夫よ。ここは私に任せておいて」
彼女は今日一番の笑顔を振りまき彼を制する。
「いやっ……しかし……」
気後れした彼の手は何度も何度も自身の身体を丹念に探るが、目当ての財布はやはり見つからない。
「いいの。あなたには無理言ってお話を聞かせてもらったのだし、それにーーーー」
「?」
彼は小首を傾げ、彼女の次の一声を固唾をのんで待ち構えている。
彼女はしばらくの間、空になったカップの底を眺めていた。まるで遠い昔の光景を覗き込んでいるかの様に、静かに、熱心に。
そして、
「ーーーーそうしないと未来が変わらないから」
「未来……?」
聞いた言葉がそのまま口からこぼれ出た。だが、その言葉がすぐには理解できなかった。慣れ親しんだ言葉のはずであるが、どこか違和感を纏っていて妙に偽物のように感じてしまう。
未来。未来。未来……。
その二文字は朧げな輪郭のまま彼の頭の中でぐるぐると彷徨い続けた。
まるで帰る場所を失ってしまった哀れな子犬の様に、自身がそれまで存在していたであろう場所を求めてあてどなく一人きり、寂しく、彷徨い続けた。
彼は言い知れぬ不安や悲しみといった感情にかられ、ひどく居心地が悪かった。頭を強く振り、それらを振り払おうと試みるが上手くはいかない。
「ーーーーさて、私はもう行くわ。今日は本当にありがとう。あなたに会えて良かった」
彼女はそう言いながら静かに椅子から立ち上がった。
「あ……あのっ……!」
彼は一種の頭痛の様な重苦しい痺れに耐えつつ、彼女の方を見やった。慌てて椅子から立ち上がろうとしたため、テーブルが大きく揺れてしまい紅茶の入ったカップがカチャリと音をたてた。
騒がしい彼とは打って変わって、彼女はまるで世界が違っているように粛々としており、凛とした立ち姿で歩き始めていた。
彼の呼びかけに彼女は静かに足を止め、楽しそうに肩を震わせながら言った。
「ふふっ、あなたは残った紅茶を早く召し上がりなさいな」
口元に右手を当て、微かな笑みを浮かべる。
「冷めても美味しいのよ、その紅茶。温かい時とは違ってとてもすっきりとした味わいになるの」
そう言われた彼は自身の思いとは裏腹に、静かに椅子へと腰を降ろしていた。座る気などまったくありはしないのに、まるで彼女に操られたかの様に従順に行動してしまった。その事がさらに彼を困惑させた。
まどろみの中にいるような非常にふわふわとした意識のまま、彼の視線はカップを捉え、右手でそっと持ち上げわずかに残った紅茶を口に含んだ。
すっかりと冷めた紅茶が喉の奥へと流れ落ちていく。
「ね? 冷めていても美味しいでしょう? 私は温かい紅茶の香りが花開いている方が好きなのだけれど。たとえ同じ紅茶でも温度が違うだけでこうも表情が異なる。不思議よね。まあそれは紅茶に限った話ではなく他の物事も同じなのよね、きっと」
「えぇ、まぁ……」
頭上から降り注ぐ彼女の言葉は、理解し難いものではあったが彼はとりあえずそんな風に返事をした。
そして彼はすっかり空になったカップの底を見つめた。
本当に美味しい。
彼はしみじみとそう感じていた。今まで紅茶を好んで飲む事はなかった彼だが、なんだか今までの人生損をして生きていた気分になっていた。
まして彼は今から死ぬつもりだったのだ。紅茶がこんなにも美味しいものだと知らぬまま。
だからたとえ今日自ら命を終えるのだとしても、彼の人生の最後の最後でこうして紅茶に出会えた事は何にも勝る僥倖だと言える。
最後にこんな素敵な出会いをさせてくれた彼女にお礼くらいはきちんと伝えなければ、彼はそう思い至り正面にたつ彼女の方へと視線を送った。
「あれ……?」
だが、彼の視界に彼女の姿は映らなかった。
ついさっき、冷めた紅茶も美味しいと言ったばかりの彼女の姿がどこにも見当たらない。時間にしてほんの数秒しか経過していない筈なのに。それなのに、彼はまるで最初から一人で紅茶を楽しんでいたかのような空気感がそこには漂っていた。
彼女がついさっきまで口をつけていた、空の紅茶のカップがそこになければ彼はきっとそう思い込んでいたに違いない。
彼は一人静かに彼女のカップを見つめる。
まるで幽霊にでも出会したかのような、不思議でなんとも言えない居心地の悪さを感じていると、突然、何者かに肩を叩かれた。
「っ⁉︎」
「ーーーーはい、これ。おつりです」
そう言われ差し出されたのは二枚の銀貨であった。
彼は理解が追いつかぬまま、差し出されたその二枚の銀貨を受け取った。
視線を落とした先には今年造られたばかりの物なのか、鮮やかな光沢のある二枚の銀貨が光り輝いていた。
二枚の銀貨は己の美しさを誇示するように光っては彼の視線を捉えて離さない。
しばらくの間無心で眺めていた彼は、はっと我に帰った。
途端に、周囲の雑音がうねりを上げ一気に彼に押し寄せた。まるで今まで止まっていた時間が再び息を吹き返したかのように。
彼は慌てて周囲に視線を送る。そこには見慣れたいつもの街並みが、通りを行く騒がしい人々の姿があるだけだった。
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