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第2話 ガウ
「がう」
謎の美少年はそんな風に言葉を発した。
いや……、
鳴いたと言うべきなのか。
そんな折。ふと我に帰ってみると青空の元、木陰で、胸を曝け出して、謎の美少年に見つめられている今の状況が途端に恥ずかしくなってしまい、私は急いで着衣を整えた。
「…………」
「…………」
何とも重苦しい沈黙が私達の間に垂れ込めた。
謎の美少年は眠そうな目で未だ私を見つめている。
「あのっ……えっと……これは……どういう……事なの……?」
「…………」
返事がない……。
「ここは……どこ? 東……京?」
「…………」
返事がない……。
え? 何? シカトなの? そんな感じなの? 私、何か悪い事した? どちらかと言うと被害者は私の筈なんだけれど……。
質問に何一つ答えてくれない謎の美少年に困り果てていると、
「ZZZZ……」
謎の美少年は再びその場で眠りだしてしまった。
「ーーーー待て待て待てぇぇぇい!」
私はすぐさま謎の美少年の両頬を掬い上げるようにして問いかける。
「ねえっ! 君は誰っ⁉︎ 私の言ってる事分かるっ⁉︎」
「がう」
またも謎の美少年はそう呟いて大きなあくびをひとつした。
むむむ………。
どうしたものかしら、この状況。
私が私である事以外、何ひとつとして分からない。
目の前の美少年は私の手の匂いを嗅ぐ素振りをして鼻息をひとつ、ふんっとならした。
「ふぅむ……」
謎の美少年をまじまじと観察する。
少年と思っていたけれどそこまで幼い感じではない。見た目的には私より少し下……十八歳くらいだろうか? よく日焼けした浅黒い肌、眉の下まで伸びた銀色のくせっ毛、そこから覗くぶ厚いふさふさの垂れ耳、眠そうな垂れ目、ワンちゃんの様な仕草に『がう』という鳴き声。おまけに尻尾まであるのか……。
なんじゃこれ? 人間か、それともワンちゃんか、全く分からない。
見ようによっては人気アイドルがワンちゃんのコスプレをしているようにも見える。
「ふむ……」
未だ分からない事ばかりだけれど、私の心を奪ったのは間違いないみたいだわ。
すっごい好きーーーー仔犬系男子。
「さて……」
私はその場に立ち上がり服に着いた土を払い落とし、自身の身体の具合を注意深く確かめる。
ざっと見た限り怪我はしていないようだ。
頭も妙にさっぱりとしているし、特に問題はないでしょう。
「行くわよ! ガウ!」
私はそう言って手を差し出した。
ガウはそんな私の手を見つめ、小首を傾げてまたしても『がう』と小さく呟いたのであった。
謎の美少年はそんな風に言葉を発した。
いや……、
鳴いたと言うべきなのか。
そんな折。ふと我に帰ってみると青空の元、木陰で、胸を曝け出して、謎の美少年に見つめられている今の状況が途端に恥ずかしくなってしまい、私は急いで着衣を整えた。
「…………」
「…………」
何とも重苦しい沈黙が私達の間に垂れ込めた。
謎の美少年は眠そうな目で未だ私を見つめている。
「あのっ……えっと……これは……どういう……事なの……?」
「…………」
返事がない……。
「ここは……どこ? 東……京?」
「…………」
返事がない……。
え? 何? シカトなの? そんな感じなの? 私、何か悪い事した? どちらかと言うと被害者は私の筈なんだけれど……。
質問に何一つ答えてくれない謎の美少年に困り果てていると、
「ZZZZ……」
謎の美少年は再びその場で眠りだしてしまった。
「ーーーー待て待て待てぇぇぇい!」
私はすぐさま謎の美少年の両頬を掬い上げるようにして問いかける。
「ねえっ! 君は誰っ⁉︎ 私の言ってる事分かるっ⁉︎」
「がう」
またも謎の美少年はそう呟いて大きなあくびをひとつした。
むむむ………。
どうしたものかしら、この状況。
私が私である事以外、何ひとつとして分からない。
目の前の美少年は私の手の匂いを嗅ぐ素振りをして鼻息をひとつ、ふんっとならした。
「ふぅむ……」
謎の美少年をまじまじと観察する。
少年と思っていたけれどそこまで幼い感じではない。見た目的には私より少し下……十八歳くらいだろうか? よく日焼けした浅黒い肌、眉の下まで伸びた銀色のくせっ毛、そこから覗くぶ厚いふさふさの垂れ耳、眠そうな垂れ目、ワンちゃんの様な仕草に『がう』という鳴き声。おまけに尻尾まであるのか……。
なんじゃこれ? 人間か、それともワンちゃんか、全く分からない。
見ようによっては人気アイドルがワンちゃんのコスプレをしているようにも見える。
「ふむ……」
未だ分からない事ばかりだけれど、私の心を奪ったのは間違いないみたいだわ。
すっごい好きーーーー仔犬系男子。
「さて……」
私はその場に立ち上がり服に着いた土を払い落とし、自身の身体の具合を注意深く確かめる。
ざっと見た限り怪我はしていないようだ。
頭も妙にさっぱりとしているし、特に問題はないでしょう。
「行くわよ! ガウ!」
私はそう言って手を差し出した。
ガウはそんな私の手を見つめ、小首を傾げてまたしても『がう』と小さく呟いたのであった。
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