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エピソード7
混沌
しおりを挟む「アヒルタイガー!女は預かったー。貴様の腕時計をこちらへ渡すのだ。よくも我々を騙してくれたな!」
「何?」
公園の小高い丘から声がした。ナナフシモドキバラスがレイナの腕を掴んでいる。その横には強靭な身体つきの怪人が立っている。
「アヒルタイガー!もう、お前の時代は終わりだ。このライアンイーグル様が一番強いのだ。ぐぁっ、はっ、はー。さあ、こちらに時計をよこすのだー。」
「レ、レイナちゃん・・・。くそっ。俺としたことが。」
リュウキは苦悶の表情で時計を外し、ライアンイーグルの方へ時計を放り投げた。
その時ー
「とりゃーっ!」
ナナフシモドキバラスの背後から飛び蹴りをする影が現れた。
「ぐわーっ!」
ナナフシモドキバラスが蹴り飛ばされる。レイナを掴む手が離れた。
「だ、誰?」
全く知らない怪人がリュウキの味方をしているのだ。
投げた時計は丘の手前の芝生の中に落ちたままになっていて、見知らぬ怪人とライアンイーグルが交戦している。
「どうなってるんだ?」
リュウキはそっと時計を回収しようと時計に近づく。
リュウキが時計に触れようとした時、
ドゴッ!
リュウキの腹をライアンイーグルが蹴り上げた。
「うわっ。」
吹っ飛ぶリュウキ。
「簡単に渡さぬぞ。」
ライアンイーグルがリュウキを指差す。
そこに見知らぬ怪人がライアンイーグルに殴りかかる。
リュウキは腹の痛みに顔を歪めながら、ライアンイーグルと見知らぬ怪人に目線を向けたー
その視野にレイナの顔が割り込んできた。
「大丈夫?」
レイナが心配そうにリュウキの肩に手をかけた。
「レイナちゃん・・・。」
安堵の表情を浮かべるリュウキ。
「ハイ、時計。」
「レ、レイナちゃん・・・。」
レイナが時計を拾ってきていたのだ。
リュウキは時計を腕にはめると、
「ファイヤー!アヒルタイガー!」
と叫んだ。
するとリュウキの身体を光が包み込んだ。
光が収まるとレイナの横でアヒルタイガーが仁王立ちしている。
「レイナちゃん。ありがとう。離れて隠れていて。ナナフシに気をつけて。」
そう言うと、ライアンイーグルに飛びかかって行った。
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