アヒルタイガー2

ブルッキ

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エピソード6

光芒

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「そろーり、そろーり。」
木の枝がゆっくりと動いている。

鹿原の研究所。鹿原の机の上にはリュウキの時計。
机から少し離れたソファーで鹿原がうとうとしている。

「こんなところに置いていては取ってくださいと言ってるようなものではないか。」
リュウキの時計は鹿原と呉羽が調べるために少しの間預けられているのだ。

「ワタシにかかればこんなこと造作もないこと。」
ゆっくりと時計を拾い上げ、ゆっくりと部屋を出て行った。

ナナフシモドキバラスは研究所を出ると、外に停めてあったジープに乗り込みどこかへ向かって走りだした。

するとその後を静かに追う車があった。

「思ったとおりだ。」
「どこへ向かってるんでしょう?」
鹿原とリュウキだ。

しばらく走るとジープは超高層ビルの地下駐車場へと入って行った。

「こ、ここはー。」
驚く鹿原。

「ど、どうしたんです?」
「NEW  RECOMBINATIONー世界的な製薬会社のビルだ。」
ビルから少し離れた道端に車を駐めて二人はビルを見上げた。

「リュウキくん。君を狙っているのはこの企業ということだ。」
「企業ですか?」
「ああ。盗んだ時計が偽物とわかればまた君を狙ってくるだろう。今日はひとまずここまでだ。」

二人を乗せた車は帰路についた。


次の日ー

「そう。そんな大企業があなたを狙っているのね。」
呉羽は前髪を整えながら言った。

「ええ、これからどうしたものかと・・・。」
鹿原の研究室がある大学の正門からリュウキと呉羽が出てきた。

「あなたの時計のことなんだけど。」
リュウキの時計は呉羽らに分析されてすでにリュウキに返されている。

「紫外線、プラズマを発生する装置の他に鉱物が入っていたわ。」
「鉱物?」
「そう、突然変異を可能にするエネルギーを秘めた鉱物。石のようなものね。あなたを狙う組織もその秘密を知りたいのよ。」
「で、何かわかったんですか?」

大学近くの公園に来ていた。二人は公園のベンチに腰掛けた。

「そうね・・・。これは私の仮説なんだけど・・・。」
少し困ったような顔で呉羽は言った。

「地球ってね、過去に爆発した星の星屑からできているのよ。だから太陽のエネルギーが宿った鉱物があるのかもしれないわ。ジャック・オズワイルド博士はそれを発見したとか・・。」
「じゃあ、博物館が襲われて石を盗まれる事件はその石を探していると?」
「そんなところじゃないかしら。あ、そろそろ大学に戻らないと。じゃあね。」
呉羽はベンチから立ち上がりしばらく歩いてから急に立ち止まった。
そしてポケットに両手を突っ込み振り向いた。

「あー、さっきからこっちを睨んでる娘がいるわよ。」
笑いながらそう言うと何やら楽しそうに歩きだした。

「え?」
リュウキが辺りを見回すと、スタスタと歩み寄る人影が。リュウキの恋人レイナだ。

「ちょっと!誰よ!あの綺麗な女は。」
完全に勘違いされている。

「ち、ちがう。勘違い、ご、誤解だ・・・よ・・・ガッ!」

言い終わるのを待たずに足の甲に激痛が。
レイナの靴のヒールがリュウキの右足の上にある。

「あれー?ごめんなさーい。」
感情のない微笑みが怖いー。

「っぐ(T . T)・・・。」
リュウキは右足を両手で掴み片足でクルクル回り続けた。

それをレイナが鬼の形相で腕組みして見ている。
と、その背後の木から何かが動いてるような・・・。

「ちょ、ホントに信じて・・・よ・・・?」
止まってレイナがいたであろう場所を見るとレイナがいない。

「あれ・・・?おかしいな。さっきまで居たのに・・・」
リュウキはその場に立ち尽くした。



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