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第1章 旅立ち編 〜冒険者になろう〜
パーティーを組むことに決めました
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驚いたと同時に、私は疑問が口に出ていた。
「なぜ‥‥?」
私はまだ冒険者としてはスタート地点にも立っていないど素人だ。
そんな私がA級の彼に教えることなんてそうそう無い気がするのだが。
ロランは何をとち狂ってしまったのだろうか?と心配になる。
「まあ、交換条件だ。俺はセリーに冒険のイロハを教える。セリーは俺に魔法を教えてくれ」
「‥‥魔法を?」
「ああ、俺は剣技は得意なんだが、魔法はどうも苦手でな。最近上達していなくて、悩んでいたんだ」
防音魔法から見ても、そこまで苦手なようには思えなかったのだが‥‥
他の魔法を見ていないからそう思うのかもしれない。
「火球であの非常識な威力だからなぁ。俺には手の届かない領域だから正直知りたい。ま、セリーが嫌なら諦めるし、関わるなと言うなら俺ももう関わるつもりもない。どうだろうか」
ああ、魔法なら教えることができるかも。
冒険者のイロハを教えてもらえるのなら、願ったり叶ったりだ。
でも今日初めて会った人といきなりパーティーを組んで良いのだろうか。
どうしようか悩んでいると、ふと思い出す。
ーーセリーヌに僕が魔法のイロハを教えるね?
幼い時にお兄様が魔法を使っていたのを見て、「私もやりたい!」と言った時に言われた言葉だ。
偶然かもしれないが、ロランも冒険のイロハを教えると言っていた。
それに何となく勘ではあるが、お兄様ならこの申し出、受けた方が良いと言うような気がする。
そう思ったからかすぐに口から「お願いします」と言う言葉が自然と出ていたのだった。
了承の返事を聞いたロランは、顔を赤くして喜んでいた。
多分エールの飲み過ぎなのでは無いだろうか。そろそろ5杯目に突入するようだ。
ロランは人の話を聞くことが上手いらしく、うまく喋ることができない私の話も、相槌を打ちながら真剣に聞いてくれた。
その話の途中で、私が収納魔法を使えることを伝えたら呆れていたり、収納魔法に様々な種類の武器を入れていることを伝えたら、「なんでだよっ」と怒ら‥‥突っ込まれた。
ちなみに「なんでだよっ」に怯えた私が、ロランからは泣きそうに見えたらしく、「驚いて突っ込んだ。怒ってない。すまん」と言われたので、怒られたわけではないことを知った。
話し合いの末、私は魔導士という職業を隠すことに決めた。
ロランから「セリー、お前拳闘士に艤装したらどうだ?」と発案されたからだ。
最初は呆気にとられていた私だが、その後の説明を聞いて納得した。
「いや、冒険者でも流石に何も持っていなかったら、舐められるだろう?またさっき言ったみたいな輩がうろちょろする可能性もある。無詠唱、しかも杖を使わず魔法を使えるなら、艤装していた方が良いと思うぞ」
だが、何故拳闘士なのだろうか?その疑問も教えてくれた。
「暗黙の了解というか‥‥常識というか。細身の女性の拳闘士は強い、とギルドでは恐れられているからだ」
ロラン曰く、過去に細身のグラマラスな拳闘士の女性がいたらしい。ある日、ギルドで女性が拳闘士かよ、とバカにされ、怒った女性が男性全員を叩きのめしたという伝説があるそうだ。しかも2人も。
「セリーは細身で綺麗な容姿をしているから、俺は艤装に拳闘士を薦めるな」
確かに私は細身だ。そして綺麗‥‥綺麗!?
言われたことを思い返し、少し頬が熱くなった気がした。
ロランもその様子に気づいたのか、「どうした?」と声をかけてくれる。
が、家族以外の男性に真正面から綺麗と言われたことが初めてだったので、恥ずかしくて何も答えることができなかった。
ちなみにロランが、セリーに向けて綺麗だと言ったことに気づいて、慌てたのはそのすぐ後の話。
「なぜ‥‥?」
私はまだ冒険者としてはスタート地点にも立っていないど素人だ。
そんな私がA級の彼に教えることなんてそうそう無い気がするのだが。
ロランは何をとち狂ってしまったのだろうか?と心配になる。
「まあ、交換条件だ。俺はセリーに冒険のイロハを教える。セリーは俺に魔法を教えてくれ」
「‥‥魔法を?」
「ああ、俺は剣技は得意なんだが、魔法はどうも苦手でな。最近上達していなくて、悩んでいたんだ」
防音魔法から見ても、そこまで苦手なようには思えなかったのだが‥‥
他の魔法を見ていないからそう思うのかもしれない。
「火球であの非常識な威力だからなぁ。俺には手の届かない領域だから正直知りたい。ま、セリーが嫌なら諦めるし、関わるなと言うなら俺ももう関わるつもりもない。どうだろうか」
ああ、魔法なら教えることができるかも。
冒険者のイロハを教えてもらえるのなら、願ったり叶ったりだ。
でも今日初めて会った人といきなりパーティーを組んで良いのだろうか。
どうしようか悩んでいると、ふと思い出す。
ーーセリーヌに僕が魔法のイロハを教えるね?
幼い時にお兄様が魔法を使っていたのを見て、「私もやりたい!」と言った時に言われた言葉だ。
偶然かもしれないが、ロランも冒険のイロハを教えると言っていた。
それに何となく勘ではあるが、お兄様ならこの申し出、受けた方が良いと言うような気がする。
そう思ったからかすぐに口から「お願いします」と言う言葉が自然と出ていたのだった。
了承の返事を聞いたロランは、顔を赤くして喜んでいた。
多分エールの飲み過ぎなのでは無いだろうか。そろそろ5杯目に突入するようだ。
ロランは人の話を聞くことが上手いらしく、うまく喋ることができない私の話も、相槌を打ちながら真剣に聞いてくれた。
その話の途中で、私が収納魔法を使えることを伝えたら呆れていたり、収納魔法に様々な種類の武器を入れていることを伝えたら、「なんでだよっ」と怒ら‥‥突っ込まれた。
ちなみに「なんでだよっ」に怯えた私が、ロランからは泣きそうに見えたらしく、「驚いて突っ込んだ。怒ってない。すまん」と言われたので、怒られたわけではないことを知った。
話し合いの末、私は魔導士という職業を隠すことに決めた。
ロランから「セリー、お前拳闘士に艤装したらどうだ?」と発案されたからだ。
最初は呆気にとられていた私だが、その後の説明を聞いて納得した。
「いや、冒険者でも流石に何も持っていなかったら、舐められるだろう?またさっき言ったみたいな輩がうろちょろする可能性もある。無詠唱、しかも杖を使わず魔法を使えるなら、艤装していた方が良いと思うぞ」
だが、何故拳闘士なのだろうか?その疑問も教えてくれた。
「暗黙の了解というか‥‥常識というか。細身の女性の拳闘士は強い、とギルドでは恐れられているからだ」
ロラン曰く、過去に細身のグラマラスな拳闘士の女性がいたらしい。ある日、ギルドで女性が拳闘士かよ、とバカにされ、怒った女性が男性全員を叩きのめしたという伝説があるそうだ。しかも2人も。
「セリーは細身で綺麗な容姿をしているから、俺は艤装に拳闘士を薦めるな」
確かに私は細身だ。そして綺麗‥‥綺麗!?
言われたことを思い返し、少し頬が熱くなった気がした。
ロランもその様子に気づいたのか、「どうした?」と声をかけてくれる。
が、家族以外の男性に真正面から綺麗と言われたことが初めてだったので、恥ずかしくて何も答えることができなかった。
ちなみにロランが、セリーに向けて綺麗だと言ったことに気づいて、慌てたのはそのすぐ後の話。
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