悪役令嬢の居場所。

葉叶

文字の大きさ
24 / 73
その頃国では…

セッカside2

しおりを挟む


「あ…目覚めた。」

ピンッと魔法が解けたのを感じ先程までアヒャアヒャ笑ってた奴が正気に戻っていた

「み、ミヤネ!貴方何をしているの!?」

「あぁ、母上。まだ正気を保っているなんて残念です。
母上、貴方が捨てた彼は元気に生きてるんでしょうかね?」

不敵に笑うミヤネ。
誰の話だろう?
凄く青褪めてるけど

「な、何を言っているのです!
早くこの縄を解きなさい!私は貴方の母親よ!?言うことを聞きなさい!!」

こんなのが母親とかやだなぁ。
僕には両親なんて居ないから全部の母親がこんなのなのかわかんないけどさ。
あ、でも姫様みたいな母親だったら欲しいなぁ。
あ、でも母親とは結婚できないんだっけ…?むぅ、それはやだなぁ。

「母親らしい事を何一つしてくれなかったくせにこういう時だけその言葉を言うんですね。
私は、貴方に抱かれた事も子守唄を歌ってもらった事もありません。
ましてや、一緒に遊んでくれた事もないじゃありませんか。
貴方がしたのは、私を責め罰する事だけだった。
私の何がいけなかったのですか?
何故後から産まれた弟達には愛を与えたのにっ
…どうして私は…愛してもらえなかったんですか…?」

悲しげに顔を歪め目からは大粒の涙を流すミヤネ。
何か可哀想…
力が抜けたのか座り込むミヤネの頭をポンポン撫でる。
ミヤネは小さな小さな子どもみたい。
姫様の小さな時を思い出すなぁ

「どれだけ頑張っても貴方達は褒めてはくれなかった…
食事をしても私だけがその場で他人だった…
貴方にわかりますか…?その場に居るのに…居ない者として扱われる気持ちがっ!
何でっ…何でっ家族であった筈の人達はわかってくれないのに
ティアラ嬢や…彼等がっ…私の事をわかってくれるんですか…?
何故なのです…っ」

「セラ…ティッシュ」

「此処にあります。
セッカ様、そんなに擦るように拭いたら痛いと思いますよ?
もっとこうふんわり優しくポンポンする感じで拭いてあげて下さい」

ふんわり優しくってどんな感じでやればいいんだろ…
首を傾げていると

「姫様と握手する時と同じくらい優しくです!」

あぁ!それならわかる!
姫様が怪我しないように力を入れずに優しく握ってる。
緊張して力が入りそうになる度に、セラにハリセンで叩かれるけど
そのおかげで姫様を怪我させたことはないよ!

「私は貴方を愛していますわ…だからこの縄を解いて下さい。
私の可愛い娘達も連れ今すぐ逃げましょう」

うぇー…嘘ばっかりー
セラがよくする悪い顔してる!

「…母上…その言葉を私がどれだけ求めていたか…わからないんですね。
私だって昔のまま成長していない訳じゃないんです。
愛に飢えた私にだって…その言葉が嘘だと…わかりますよっ」

泣きながらヘニャっと力なく笑うミヤネ。

「私っ…貴方達に此処まで嫌われるような事をしましたか…っ?
ティアラ嬢はっ…貴方達に何かしましたか…?
何でっ…何でっ私達は嫌われねばならなかったのです…っ
何故…っ!?」

「チナ…どうにか…しないの?」

今にも掴みかかりそうなミヤネの服を掴みながら腕を組み静観するチナに聞いた。
珍しくチナが無表情だ…!
いつもニコニコ笑顔なのに

「しない。まだね。
今迄心に溜め込んだもの全部吐かせなきゃ。
未練なんてなくなるくらい空っぽにしなきゃ前には進めないでしょ?」

「…僕には…わかんない」

そういうのわかんない。
溜め込んだりした事ない
やりたい事はやるしやりたくない事はやらない。
あぁ、でも姫様には我慢いっぱいしてる
もっともっと姫様といたいのにいれない
何でだろ。
姫様は僕が好きじゃないのかな?
好きだったら一緒に居てくれるよね?
それじゃあ、姫様は僕が嫌い…
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

そんな事になるくらいなら…いっそ…

「セッカ様」

「んむっ!?」

突然口に広がる甘いチョコレート

「糖分は適度に取らないといけないんですよ。」

「美味しっ…」

もう一個欲しくて口を開けるとセラが口に入れてくれる。
甘い物は好き。
だから、甘い匂いがして甘い味がする姫様も好き
…姫様の血の味は…どんな味かなぁ…へへへ


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです

珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。 でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。 加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。

【改稿版】婚約破棄は私から

どくりんご
恋愛
 ある日、婚約者である殿下が妹へ愛を語っている所を目撃したニナ。ここが乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢、妹がヒロインだということを知っていたけれど、好きな人が妹に愛を語る所を見ていると流石にショックを受けた。  乙女ゲームである死亡エンドは絶対に嫌だし、殿下から婚約破棄を告げられるのも嫌だ。そんな辛いことは耐えられない!  婚約破棄は私から! ※大幅な修正が入っています。登場人物の立ち位置変更など。 ◆3/20 恋愛ランキング、人気ランキング7位 ◆3/20 HOT6位  短編&拙い私の作品でここまでいけるなんて…!読んでくれた皆さん、感謝感激雨あられです〜!!(´;ω;`)

10回目の婚約破棄。もう飽きたので、今回は断罪される前に自分で自分を追放します。二度と探さないでください(フリではありません)

放浪人
恋愛
「もう、疲れました。貴方の顔も見たくありません」 公爵令嬢リーゼロッテは、婚約者である王太子アレクセイに処刑される人生を9回繰り返してきた。 迎えた10回目の人生。もう努力も愛想笑いも無駄だと悟った彼女は、断罪イベントの一ヶ月前に自ら姿を消すことを決意する。 王城の宝物庫から慰謝料(国宝)を頂き、書き置きを残して国外逃亡! 目指せ、安眠と自由のスローライフ! ――のはずだったのだが。 「『顔も見たくない』だと? つまり、直視できないほど私が好きだという照れ隠しか!」 「『探さないで』? 地の果てまで追いかけて抱きしめてほしいというフリだな!」 実は1周目からリーゼロッテを溺愛していた(が、コミュ障すぎて伝わっていなかった)アレクセイ王子は、彼女の拒絶を「愛の試練(かくれんぼ)」と超ポジティブに誤解! 国家権力と軍隊、そしてS級ダンジョンすら踏破するチート能力を総動員して、全力で追いかけてきた!? 物理で逃げる最強令嬢VS愛が重すぎる勘違い王子。 聖女もドラゴンも帝国も巻き込んだ、史上最大規模の「国境なき痴話喧嘩」が今、始まる! ※表紙はNano Bananaで作成しています

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

婚約破棄の、その後は

冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。 身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが… 全九話。 「小説家になろう」にも掲載しています。

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!

夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」 婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。 それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。 死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。 ​……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。 ​「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」 そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……? ​「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」 ​不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。 死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!

処理中です...