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3章 旅立ち
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森の中を馬車は走り続ける。
暗くなる前に、森を抜けて今日の宿に着きたいのだそうだ。
国境の森を抜けると山の麓。
そこにある王家の宿泊施設に夜は滞在することになっている。
そのお屋敷は、国内外のお客様を招待して余暇を楽しむような施設らしく、この間泊まった宿泊施設で入ったような温泉もあるらしい。
ボナールから護衛としてついてきてくれた御者や護衛達がゆっくり疲れを取ることができるようにと、ランバラルドの使用人達が心尽くしのもてなしで私達を迎えてくれた。
どうやら、護衛や御者が入れる温泉もあるらしい。
私は王族専用の浴室を使うように勧められたが、丁重にお断りをした。
「…だって、ジュディと一緒に入りたかったんだもの」
「何を甘えているんですか。まったく。いつまでたっても姫様は甘ったれで困ります」
でも、今日だけですよ、と言って、ジュディは一緒に入ることを了承してくれた。
ボナールで温泉に入った時は一人だったから、寂しかったのだ。
私もジュディと共に、女性使用人専用の浴場へと向かった。
広々とした、代理石で作られた浴槽にびっくりする。
これが使用人専用の浴場ですって?
ここがこんなに立派なら、王族専用の方はどんなに素晴らしいのか。
ちょっぴり見てみたいけど、今更言えない…くすん。
ふたりでゆっくりと湯船に浸かると、馬車の中でギシギシしていた身体がほっこりとほぐされるよう。
今は私達のために、貸し切りにしてくれているので、他の使用人は入って来ない。
「ねぇ、ジュディ。いつも私がお世話をしてもらってるから、今日は私が背中を流そうか」
「ばかなこと言ってないで温まってくださいね。御髪を洗いますよ」
ぷくっと頬を膨らませたが、スルッと無視されて浴場にある台の上へと連れて行かれた。
「姫様、浴場の明かりのせいか、髪の色が薄くなってる気がします…。ずっと、室内に閉じこもっていたのに、陽の光をたくさん浴びたから日焼けしちゃったんですかね?洗っていて引っ掛かりがあるわけではないので、傷んではいないようですが…」
丁寧に洗ってもらうと、とても気持ちがいい。
ジュディの手は本当に魔法の手みたい。
「別に傷んでいても関係ないわ。特に気にする容姿でもないしー」
はぁー。極楽極楽。
「…年頃の娘なんですから、もう少し気を遣ってもいいと思いますよ。もう、セリーヌ様のお下がりをそのまま着なくてもいいのですし」
持たされたドレスはみんなお姉様、いいえセリーヌ様のお下がりだ。
でも、今までは夜会などの時に借りたドレスはジュディが元通りにして返していたけれど、今回のものは返す必要もないので、私のサイズに切っても縫い付けても何も言われない。
ジュディはこのドレスを持たされた時から、私用にきっちりリメイクするのだと張り切っていた。
二人とも口にはしないが、ランバラルドで新しいドレスが買えるわけがないと思っているからだ。
仕上げに身体に香油を塗って、いい気分で入浴を終える。
ホカホカふたり、用意された部屋まで戻った。
髪をとかしながら鏡を見ると、まだ瞳の色はすみれ色のままだった。
ランバラルド城についたら、よい医師を紹介してもらおう。
寝支度を終えると、もう瞼が重くなってきて、眠くて眠くて、他に何もする気になれず、ベッドの中に倒れ込んだ。
もう、目が重くて開けていられない…。
そのまま私は眠り込んでしまった。
「おやすみなさい。姫様。いい夢を」
ジュディの優しい声と、優しい手が、私の髪を撫でるのを感じた。
暗くなる前に、森を抜けて今日の宿に着きたいのだそうだ。
国境の森を抜けると山の麓。
そこにある王家の宿泊施設に夜は滞在することになっている。
そのお屋敷は、国内外のお客様を招待して余暇を楽しむような施設らしく、この間泊まった宿泊施設で入ったような温泉もあるらしい。
ボナールから護衛としてついてきてくれた御者や護衛達がゆっくり疲れを取ることができるようにと、ランバラルドの使用人達が心尽くしのもてなしで私達を迎えてくれた。
どうやら、護衛や御者が入れる温泉もあるらしい。
私は王族専用の浴室を使うように勧められたが、丁重にお断りをした。
「…だって、ジュディと一緒に入りたかったんだもの」
「何を甘えているんですか。まったく。いつまでたっても姫様は甘ったれで困ります」
でも、今日だけですよ、と言って、ジュディは一緒に入ることを了承してくれた。
ボナールで温泉に入った時は一人だったから、寂しかったのだ。
私もジュディと共に、女性使用人専用の浴場へと向かった。
広々とした、代理石で作られた浴槽にびっくりする。
これが使用人専用の浴場ですって?
ここがこんなに立派なら、王族専用の方はどんなに素晴らしいのか。
ちょっぴり見てみたいけど、今更言えない…くすん。
ふたりでゆっくりと湯船に浸かると、馬車の中でギシギシしていた身体がほっこりとほぐされるよう。
今は私達のために、貸し切りにしてくれているので、他の使用人は入って来ない。
「ねぇ、ジュディ。いつも私がお世話をしてもらってるから、今日は私が背中を流そうか」
「ばかなこと言ってないで温まってくださいね。御髪を洗いますよ」
ぷくっと頬を膨らませたが、スルッと無視されて浴場にある台の上へと連れて行かれた。
「姫様、浴場の明かりのせいか、髪の色が薄くなってる気がします…。ずっと、室内に閉じこもっていたのに、陽の光をたくさん浴びたから日焼けしちゃったんですかね?洗っていて引っ掛かりがあるわけではないので、傷んではいないようですが…」
丁寧に洗ってもらうと、とても気持ちがいい。
ジュディの手は本当に魔法の手みたい。
「別に傷んでいても関係ないわ。特に気にする容姿でもないしー」
はぁー。極楽極楽。
「…年頃の娘なんですから、もう少し気を遣ってもいいと思いますよ。もう、セリーヌ様のお下がりをそのまま着なくてもいいのですし」
持たされたドレスはみんなお姉様、いいえセリーヌ様のお下がりだ。
でも、今までは夜会などの時に借りたドレスはジュディが元通りにして返していたけれど、今回のものは返す必要もないので、私のサイズに切っても縫い付けても何も言われない。
ジュディはこのドレスを持たされた時から、私用にきっちりリメイクするのだと張り切っていた。
二人とも口にはしないが、ランバラルドで新しいドレスが買えるわけがないと思っているからだ。
仕上げに身体に香油を塗って、いい気分で入浴を終える。
ホカホカふたり、用意された部屋まで戻った。
髪をとかしながら鏡を見ると、まだ瞳の色はすみれ色のままだった。
ランバラルド城についたら、よい医師を紹介してもらおう。
寝支度を終えると、もう瞼が重くなってきて、眠くて眠くて、他に何もする気になれず、ベッドの中に倒れ込んだ。
もう、目が重くて開けていられない…。
そのまま私は眠り込んでしまった。
「おやすみなさい。姫様。いい夢を」
ジュディの優しい声と、優しい手が、私の髪を撫でるのを感じた。
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