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7章 人質姫のもう一つの生活
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時はフレッド様のお邸を訪問した次の日。
フレッド様にお医者様を紹介していただいて、病気ではないことがわかり、ジュディは安心していた。
「できれば、わたしも診察に同席させてもらいたかったですけどねぇ」
多少はブツブツ言っていたジュディだったが、診察を受けさせてくれたフレッド様のことは、ジュディも感謝しているようだった。
お城に帰ってくるときにお借りした黄色のドレスは、お返ししようとしたら、急に連れ出したお詫びだからと、返却を拒否されて、今でも私の部屋のクローゼットに仕舞われている。
ここにいる限りは、もう着ることもないだろうけれど、初めて私用に用意をしてもらったドレスだから、大事に仕舞わせてもらうことにした。
そんなこんなで、今日もお気に入りのメイド服で、お掃除したり畑仕事をしたりしている。
ジュディもここの生活に慣れてきて、本宮に行けばお城のメイドさんとも仲良くなったらしい。
離宮のことをアレコレ聞かれるのだけは嫌がっていたけれど、あとは楽しくやっているそうだ。
いいなあ。
私もお友達が欲しい…。
「ねぇ、ジュディ。私も本宮に行ってはダメかしら…?」
「え、いよいよ王太子とお会いになるんですか?」
ジュディと仲良く3時のお茶をしていて、本宮のお友達の話を聞いたら、とても羨ましくなったのだ。
手にしていた紅茶をテーブルに置き、潤んだ瞳でジュディにお願いをする。
「ううん。王太子に用はないわ。私も本宮のメイドさんとお友達になりたいの。ボナールでは塔からなるべく出てはいけないと言われていて、お友達はジュディとアーサーだけだったでしょう。他の人ともお友達になりたいなあって」
「えぇーっ、ダメですよ。姫様の身分の方が、気安くメイドと話なんて、普通はできないんですよ」
「だから、このままメイド服を来て、ジュディと一緒に行くの。侍女はふたりと申告してあったのでしょう?マリーは来ていないし、私がもうひとりの侍女ってことにしてお城で働くのはどう?」
「は?働く?なに言ってるんですか?本当だったら、この離宮でも働かなくていいくらいの人が。できれば、ここでも働くのをやめて、優雅に刺繍でもしていて貰いたいくらいなのに」
ジュディは私が働くのをよしとしない。
私がどうしてもやりたいと言うから、目をつぶっていてくれるだけなのだ。
わかってはいるけれど、このまま人質で、誰とも会わずに歳をとって死んでしまったらと思うと、とてつもなく寂しい。
「…そうね。わかったわ。ごめんなさい。ワガママ言って。そうね。今までもマリーとジュディがいてくれた他はひとりぼっちだったんだもの。我慢できるわ。ジュディ以外、誰も訪ねてきてくれない離宮で、ひとりでいても我慢するわ」
ひとりぼっちを強調し、瞳を一層潤ませて下を向くと、ジュディのため息が聞こえた。
「…わかってますよ。姫様、確信犯でしょう。…でも、やっぱりお寂しいですよね。わかりました。離宮のもう一人の侍女として、わたしと一緒に本宮へ行ってみましょう。まあ、ばれたって、どうせ勝手に逃亡さえしなければ自由にしていいとフレッド様もおっしゃってましたし。見つかっても、後でランバラルドに来た母さんにわたしが怒られるだけですから」
「マリーにはわからないようにするわ!ありがとう!ジュディ」
私はジュディに抱きついた。
「そう願いたいですけどね」
ジュディは呆れたように笑っていた。
次の日、早速メイド服に身を包み、本宮へ向かってみた。
離宮から庭を通り抜け、建物に沿って歩き、裏口から中に入った。
フレッド様に案内された時は、ちゃんと庭へ出る正面入り口を通ったので、裏口というところが、まず新鮮だった。
「姫様、あまりキョロキョロしないでください」
「だって、珍しいんですもの」
「すぐにお城のメイドじゃないってバレちゃいますよ。そうしたら、もう二度と連れてきませんよ」
「はぁーい。ごめんなさーい」
ジュディは、慣れた様子で廊下を歩いて行った。
私も緊張しながら後をついて行く。
多分、ちゃんとメイドさんに見えている…はず!
フレッド様にお医者様を紹介していただいて、病気ではないことがわかり、ジュディは安心していた。
「できれば、わたしも診察に同席させてもらいたかったですけどねぇ」
多少はブツブツ言っていたジュディだったが、診察を受けさせてくれたフレッド様のことは、ジュディも感謝しているようだった。
お城に帰ってくるときにお借りした黄色のドレスは、お返ししようとしたら、急に連れ出したお詫びだからと、返却を拒否されて、今でも私の部屋のクローゼットに仕舞われている。
ここにいる限りは、もう着ることもないだろうけれど、初めて私用に用意をしてもらったドレスだから、大事に仕舞わせてもらうことにした。
そんなこんなで、今日もお気に入りのメイド服で、お掃除したり畑仕事をしたりしている。
ジュディもここの生活に慣れてきて、本宮に行けばお城のメイドさんとも仲良くなったらしい。
離宮のことをアレコレ聞かれるのだけは嫌がっていたけれど、あとは楽しくやっているそうだ。
いいなあ。
私もお友達が欲しい…。
「ねぇ、ジュディ。私も本宮に行ってはダメかしら…?」
「え、いよいよ王太子とお会いになるんですか?」
ジュディと仲良く3時のお茶をしていて、本宮のお友達の話を聞いたら、とても羨ましくなったのだ。
手にしていた紅茶をテーブルに置き、潤んだ瞳でジュディにお願いをする。
「ううん。王太子に用はないわ。私も本宮のメイドさんとお友達になりたいの。ボナールでは塔からなるべく出てはいけないと言われていて、お友達はジュディとアーサーだけだったでしょう。他の人ともお友達になりたいなあって」
「えぇーっ、ダメですよ。姫様の身分の方が、気安くメイドと話なんて、普通はできないんですよ」
「だから、このままメイド服を来て、ジュディと一緒に行くの。侍女はふたりと申告してあったのでしょう?マリーは来ていないし、私がもうひとりの侍女ってことにしてお城で働くのはどう?」
「は?働く?なに言ってるんですか?本当だったら、この離宮でも働かなくていいくらいの人が。できれば、ここでも働くのをやめて、優雅に刺繍でもしていて貰いたいくらいなのに」
ジュディは私が働くのをよしとしない。
私がどうしてもやりたいと言うから、目をつぶっていてくれるだけなのだ。
わかってはいるけれど、このまま人質で、誰とも会わずに歳をとって死んでしまったらと思うと、とてつもなく寂しい。
「…そうね。わかったわ。ごめんなさい。ワガママ言って。そうね。今までもマリーとジュディがいてくれた他はひとりぼっちだったんだもの。我慢できるわ。ジュディ以外、誰も訪ねてきてくれない離宮で、ひとりでいても我慢するわ」
ひとりぼっちを強調し、瞳を一層潤ませて下を向くと、ジュディのため息が聞こえた。
「…わかってますよ。姫様、確信犯でしょう。…でも、やっぱりお寂しいですよね。わかりました。離宮のもう一人の侍女として、わたしと一緒に本宮へ行ってみましょう。まあ、ばれたって、どうせ勝手に逃亡さえしなければ自由にしていいとフレッド様もおっしゃってましたし。見つかっても、後でランバラルドに来た母さんにわたしが怒られるだけですから」
「マリーにはわからないようにするわ!ありがとう!ジュディ」
私はジュディに抱きついた。
「そう願いたいですけどね」
ジュディは呆れたように笑っていた。
次の日、早速メイド服に身を包み、本宮へ向かってみた。
離宮から庭を通り抜け、建物に沿って歩き、裏口から中に入った。
フレッド様に案内された時は、ちゃんと庭へ出る正面入り口を通ったので、裏口というところが、まず新鮮だった。
「姫様、あまりキョロキョロしないでください」
「だって、珍しいんですもの」
「すぐにお城のメイドじゃないってバレちゃいますよ。そうしたら、もう二度と連れてきませんよ」
「はぁーい。ごめんなさーい」
ジュディは、慣れた様子で廊下を歩いて行った。
私も緊張しながら後をついて行く。
多分、ちゃんとメイドさんに見えている…はず!
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