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9章 帰城
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「姫様、なに約束してるんですか。まったく…。姫様は甘過ぎます。あんな素性のしれない男…」
ジュディは、私がライと次に会う約束をしたのが、不満で不満で仕方ないらしい。
「いいじゃない。いつ行くとは約束していないのだし、あのまま具合が悪いのにあそこで私と問答しているよりは、早く話も終わってライもゆっくり休めるし」
馬車に乗り込みながら話をしていると、アーサーもそこに入ってくる。
「オレも反対ですよ。いつ行く、と約束していないんだから、反故にしましょう」
「みんなひどいわね」
私が頬を膨らませると、今度はマリーが口を開ける。
「姫様、世の中には悪い人というものがおります。ライがそれでないと言い切れますか?」
「…それは、言い切れないけど…」
「でしたら、わたしたちの言うことも聞いてください」
しょんぼりと下を向く。
「…はい」
そんな話をしているうちに、馬車はお城までたどり着いた。
私とジュディは、お城の門番に身分証を見せてお城に入った。
マリーとアーサーにはひとまずお城の外で馬車の中で待っててもらう。
素早く離宮まで戻り、メイド服に着替えてジュディは本宮のメイドのリサに会いに行った。
リサに頼んでギルバート様に連絡をしてもらうのだ。
ジュディが戻ってきて、半刻ほど経った頃、ギルバート様は離宮に現れた。
「シャーロット、よく帰った。無事でよかった」
ギルバート様はよっぽど心配だったのだろう。
私にハグをした。
「ギルバート様、この度はなんとお礼を申し上げていいのか…。無事にマリーとアーサーをこちらに呼ぶことができました。本当にありがとうございました」
ギルバート様は私の言葉を聞くと、パッと身を離す。
「まだ全部は終わってない。シャーロット、マリーのところに行くぞ。ついて来い。ジュディは残って待機だ」
私とギルバート様は、お城の外に待機している、マリーとアーサーの元へと向かった。
馬車を停めてあるところまで案内すると、ギルバート様はそのまま中に乗り込んだ。
「中に入ってからで失礼する。私はギルバート・フォンテールだ。そなたらがシャーロットの侍女のマリーと息子アーサーか?」
マリーとアーサー、ギルバート様と私に分かれて馬車の中、向かい合って座る。
馬車の中で立てないため、座ったままでアーサーは右手を左胸に添え、敬礼の体制をする。
「ギルバート様。わたくしはアーサーと申します。この度は多大なご尽力をありがとうございました」
マリーも同じように敬礼の姿勢を取る。
「マリーでございます。シャーロット様の乳母をしておりました。この度は、なんとお礼を申し上げて良いのかわかりません。誠にありがとうございました」
「よい。友人シャーロットのためだ。それより、これからのことを話す」
ギルバート様が御者に一声かけると、馬車は動き出した。
「これから行くところはマリーやアーサーの家だ」
その言葉にマリーが反応する。
「ギルバート様、畏れ多くも一言よろしいでしょうか」
「よいが…もう面倒だから普通に話せ。馬車の中にはわたしたちしかいない」
「ありがとうございます。わたしと息子の家と言うことですが、わたしは姫様の侍女です。姫様の側には置いていただけないのでしょうか?」
ギルバート様は眉間にシワを寄せ、渋い顔をする。
「離宮の侍女は2名で申請されている」
「では、わたくしがシャーロット様にお支えしても、問題ないのでは?侍女はジュディ1人しかおりませんよね?」
ギルバート様は私を横目でチラッと見てからマリーに言った。
「ロッテが侍女として働いてなければ、な」
あっ、私がマリーの席を取っちゃったんだ…。
「ひーめーさーまー!侍女の真似事などをなさるから、こんなことになるんです!だいたい、普通の姫様はお城の奥でじっとしているものです。どうしてじっとしていられないのですか」
「だって、私に料理やお掃除を教えたのはマリーよ?教えてもらったら、やってみたくなるじゃない」
ぐっ、とマリーは言いたいことを飲み込んだようだ。
マリーの思いは知っている。
私がひとりになっても困らないようにしてくれたのだ。
感謝こそすれ、責めるつもりもない。
「ね、過ぎてしまったことを今行っても仕方ないわ。建設的にこれからのことを考えましょ」
にっこり笑うとマリーは呆れたような笑顔を私に向けてくれた。
ジュディは、私がライと次に会う約束をしたのが、不満で不満で仕方ないらしい。
「いいじゃない。いつ行くとは約束していないのだし、あのまま具合が悪いのにあそこで私と問答しているよりは、早く話も終わってライもゆっくり休めるし」
馬車に乗り込みながら話をしていると、アーサーもそこに入ってくる。
「オレも反対ですよ。いつ行く、と約束していないんだから、反故にしましょう」
「みんなひどいわね」
私が頬を膨らませると、今度はマリーが口を開ける。
「姫様、世の中には悪い人というものがおります。ライがそれでないと言い切れますか?」
「…それは、言い切れないけど…」
「でしたら、わたしたちの言うことも聞いてください」
しょんぼりと下を向く。
「…はい」
そんな話をしているうちに、馬車はお城までたどり着いた。
私とジュディは、お城の門番に身分証を見せてお城に入った。
マリーとアーサーにはひとまずお城の外で馬車の中で待っててもらう。
素早く離宮まで戻り、メイド服に着替えてジュディは本宮のメイドのリサに会いに行った。
リサに頼んでギルバート様に連絡をしてもらうのだ。
ジュディが戻ってきて、半刻ほど経った頃、ギルバート様は離宮に現れた。
「シャーロット、よく帰った。無事でよかった」
ギルバート様はよっぽど心配だったのだろう。
私にハグをした。
「ギルバート様、この度はなんとお礼を申し上げていいのか…。無事にマリーとアーサーをこちらに呼ぶことができました。本当にありがとうございました」
ギルバート様は私の言葉を聞くと、パッと身を離す。
「まだ全部は終わってない。シャーロット、マリーのところに行くぞ。ついて来い。ジュディは残って待機だ」
私とギルバート様は、お城の外に待機している、マリーとアーサーの元へと向かった。
馬車を停めてあるところまで案内すると、ギルバート様はそのまま中に乗り込んだ。
「中に入ってからで失礼する。私はギルバート・フォンテールだ。そなたらがシャーロットの侍女のマリーと息子アーサーか?」
マリーとアーサー、ギルバート様と私に分かれて馬車の中、向かい合って座る。
馬車の中で立てないため、座ったままでアーサーは右手を左胸に添え、敬礼の体制をする。
「ギルバート様。わたくしはアーサーと申します。この度は多大なご尽力をありがとうございました」
マリーも同じように敬礼の姿勢を取る。
「マリーでございます。シャーロット様の乳母をしておりました。この度は、なんとお礼を申し上げて良いのかわかりません。誠にありがとうございました」
「よい。友人シャーロットのためだ。それより、これからのことを話す」
ギルバート様が御者に一声かけると、馬車は動き出した。
「これから行くところはマリーやアーサーの家だ」
その言葉にマリーが反応する。
「ギルバート様、畏れ多くも一言よろしいでしょうか」
「よいが…もう面倒だから普通に話せ。馬車の中にはわたしたちしかいない」
「ありがとうございます。わたしと息子の家と言うことですが、わたしは姫様の侍女です。姫様の側には置いていただけないのでしょうか?」
ギルバート様は眉間にシワを寄せ、渋い顔をする。
「離宮の侍女は2名で申請されている」
「では、わたくしがシャーロット様にお支えしても、問題ないのでは?侍女はジュディ1人しかおりませんよね?」
ギルバート様は私を横目でチラッと見てからマリーに言った。
「ロッテが侍女として働いてなければ、な」
あっ、私がマリーの席を取っちゃったんだ…。
「ひーめーさーまー!侍女の真似事などをなさるから、こんなことになるんです!だいたい、普通の姫様はお城の奥でじっとしているものです。どうしてじっとしていられないのですか」
「だって、私に料理やお掃除を教えたのはマリーよ?教えてもらったら、やってみたくなるじゃない」
ぐっ、とマリーは言いたいことを飲み込んだようだ。
マリーの思いは知っている。
私がひとりになっても困らないようにしてくれたのだ。
感謝こそすれ、責めるつもりもない。
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にっこり笑うとマリーは呆れたような笑顔を私に向けてくれた。
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