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11章 ボナールへ再び
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ディリオンが資料をまとめる。
執務室にはオレたち5人が集まっていた。
「以上が、ここ最近のボナールの動きだ」
ディリオンの説明によれば、国の情勢はあまり良くない。
国王が金を集められるだけ集めている。
しかし、再び戦争をしかけるのはかなり無理がある。
一体、何がしたいのか…。
「ディリちゃん、このままだと、ボナールは転覆しちゃうんじゃないの?」
フレッドが書類に目を通して言う。
「その通りだ。国王のくせに、そんなこともわからんのかと、うちの王太子なら叱り飛ばされているな」
「オレは愚かな王にはならん!」
「まあ、まあ、ふたりとも」
「で、あるから、予定通りフレッドにはボナールへ調査に行って欲しいのだが」
「ん。オッケー。準備はできてるから明日にでも出掛けられるよん」
コンラッドがこちらを見る。
「今度は、どのようにして訪問をする?」
多分、影武者を立てるかどうかを聞いているのだと思うが。
「いや、今回はフレッドが代表ということでいいだろう。ディリオンとコンラッドはランバラルドに残ってくれ。森の中でオレが会った盗賊の方ももう少しでカタがつくんだろ?」
そう。森でオレを襲ったやつらは、奴隷としてオレを売ると言っていた。
我が国では奴隷制度を廃止しているが、我が国の国民を奴隷として他国に売られるのを黙って見ていられない。
ディリオンとコンラッドが、密かに摘発の準備を進めているのだ。
「今回は、フレッドを代表に、オレとジェイミーの3人で行こう。ディリオンには申し訳ないが、ドニーと相談して、来月の夜会の方も準備を進めておいてくれ」
オレが夜会の話を出すと、フレッドが目を輝かせた。
「来月のは大きい夜会だからねー。他国のお姫様も招待してるんだろ?父さん面食いだから、美姫と噂のある国のお姫様は、片っ端っから招待状送ってたもんね」
ディリオンがメガネのツルをクイっと上げる。
「まったく…。親子揃って女好きか」
「いやね、ディリちゃん。可愛い女の子には声をかけるのが男の子ってもんでしょ」
そういえば、ドニーは今は奥方一筋だが昔は遊んでいたと聞いたことがあるな…。血筋か…。
その後、ディリオンは森の盗賊についての調査報告を簡単にし、見張っている者から連絡が入り次第、摘発の予定だと言った。
うまく行けば、オレたちがボナールに行っている間に終わっているかも知れないと。
そして最後に、オレを指差して言った。
「王子、今度はちゃんと馬車を用意して乗って行け。また遭難されたらかなわん」
「はいはい」
オレだってそのつもりだよ。
二度も天使に巡り逢える幸運なんて、そうそうないだろうからな。
数日の準備期間の後、オレとフレッドとジェイミーはボナールへと向けて出発した。
ランバラルドを留守にするのは少し不安だ。
数日会えなくなるが、ロッテはオレのことをたまには思い出してくれるだろうか。
いつ戻るのかもわからないので、次に会う約束はしなかった。
フレッドと一緒に乗っている馬車の中でロッテのことを思い、オレはロッテとのデート(ロッテは違うかもしれないけどオレはそう思ってる!)の後にパルフェに行って買ったロッテのクッキーを出した。
ちなみに、ジェイミーは護衛のため馬車には乗らずに馬でついてきている。
パルフェに行った時、アーサーとマリーにはすごく睨まれた。
ロッテに手は出してないだろうな、と凄んだアーサーは城の騎士団に所属していると言われても疑わないくらいの殺気を出していて、オレは震えあがりながら、ロッテには誠実に向かい合うことを約束させられた。
ふっ、と思わず笑ってしまった。
ジェイミーが婚約者の父親に会う時は緊張すると言っていたが、こんな気分かと思うとおかしかった。
そんなオレにフレッドが気付き、馬車の中で広げていた書類から顔を上げてオレを見た。
「王子なに思い出し笑いなんかしちゃってんの?」
怪訝そうな顔をしてそう言ったあと、オレの手元をじっと見た。
「王子、そのクッキーどうしたの?」
「ああ、これか。今町で人気のクッキーだぞ。なんでも食べると元気になるそうだ。昨日行って買ってきたんだ。フレッドも食うか?」
クッキーを差し出すと、フレッドはじっとクッキーを見て、ゆっくりと一つ摘んだ。
執務室にはオレたち5人が集まっていた。
「以上が、ここ最近のボナールの動きだ」
ディリオンの説明によれば、国の情勢はあまり良くない。
国王が金を集められるだけ集めている。
しかし、再び戦争をしかけるのはかなり無理がある。
一体、何がしたいのか…。
「ディリちゃん、このままだと、ボナールは転覆しちゃうんじゃないの?」
フレッドが書類に目を通して言う。
「その通りだ。国王のくせに、そんなこともわからんのかと、うちの王太子なら叱り飛ばされているな」
「オレは愚かな王にはならん!」
「まあ、まあ、ふたりとも」
「で、あるから、予定通りフレッドにはボナールへ調査に行って欲しいのだが」
「ん。オッケー。準備はできてるから明日にでも出掛けられるよん」
コンラッドがこちらを見る。
「今度は、どのようにして訪問をする?」
多分、影武者を立てるかどうかを聞いているのだと思うが。
「いや、今回はフレッドが代表ということでいいだろう。ディリオンとコンラッドはランバラルドに残ってくれ。森の中でオレが会った盗賊の方ももう少しでカタがつくんだろ?」
そう。森でオレを襲ったやつらは、奴隷としてオレを売ると言っていた。
我が国では奴隷制度を廃止しているが、我が国の国民を奴隷として他国に売られるのを黙って見ていられない。
ディリオンとコンラッドが、密かに摘発の準備を進めているのだ。
「今回は、フレッドを代表に、オレとジェイミーの3人で行こう。ディリオンには申し訳ないが、ドニーと相談して、来月の夜会の方も準備を進めておいてくれ」
オレが夜会の話を出すと、フレッドが目を輝かせた。
「来月のは大きい夜会だからねー。他国のお姫様も招待してるんだろ?父さん面食いだから、美姫と噂のある国のお姫様は、片っ端っから招待状送ってたもんね」
ディリオンがメガネのツルをクイっと上げる。
「まったく…。親子揃って女好きか」
「いやね、ディリちゃん。可愛い女の子には声をかけるのが男の子ってもんでしょ」
そういえば、ドニーは今は奥方一筋だが昔は遊んでいたと聞いたことがあるな…。血筋か…。
その後、ディリオンは森の盗賊についての調査報告を簡単にし、見張っている者から連絡が入り次第、摘発の予定だと言った。
うまく行けば、オレたちがボナールに行っている間に終わっているかも知れないと。
そして最後に、オレを指差して言った。
「王子、今度はちゃんと馬車を用意して乗って行け。また遭難されたらかなわん」
「はいはい」
オレだってそのつもりだよ。
二度も天使に巡り逢える幸運なんて、そうそうないだろうからな。
数日の準備期間の後、オレとフレッドとジェイミーはボナールへと向けて出発した。
ランバラルドを留守にするのは少し不安だ。
数日会えなくなるが、ロッテはオレのことをたまには思い出してくれるだろうか。
いつ戻るのかもわからないので、次に会う約束はしなかった。
フレッドと一緒に乗っている馬車の中でロッテのことを思い、オレはロッテとのデート(ロッテは違うかもしれないけどオレはそう思ってる!)の後にパルフェに行って買ったロッテのクッキーを出した。
ちなみに、ジェイミーは護衛のため馬車には乗らずに馬でついてきている。
パルフェに行った時、アーサーとマリーにはすごく睨まれた。
ロッテに手は出してないだろうな、と凄んだアーサーは城の騎士団に所属していると言われても疑わないくらいの殺気を出していて、オレは震えあがりながら、ロッテには誠実に向かい合うことを約束させられた。
ふっ、と思わず笑ってしまった。
ジェイミーが婚約者の父親に会う時は緊張すると言っていたが、こんな気分かと思うとおかしかった。
そんなオレにフレッドが気付き、馬車の中で広げていた書類から顔を上げてオレを見た。
「王子なに思い出し笑いなんかしちゃってんの?」
怪訝そうな顔をしてそう言ったあと、オレの手元をじっと見た。
「王子、そのクッキーどうしたの?」
「ああ、これか。今町で人気のクッキーだぞ。なんでも食べると元気になるそうだ。昨日行って買ってきたんだ。フレッドも食うか?」
クッキーを差し出すと、フレッドはじっとクッキーを見て、ゆっくりと一つ摘んだ。
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