135 / 187
18章 王位剥奪
4
しおりを挟む
ボナール城へ向かう途中で、コンラッドと騎士団とは別れた。
それぞれ、きちんと役目を果たすと誓い合って、次の再開を約束する。
オレは、ボナール城を訪問するのに、初めて王太子としての衣装に身を包み挑む。
ボナール城の門をくぐり、馬車止めまで来るとら宰相が慌てた様子で出迎えてくれた。
「これはこれはフレッド様。急なお越しで。王太子様も御同行されるとのことでしたが、どちらに……?」
汗を拭き拭き出てきて、ペコペコと頭を下げていたが、馬車から降りてきたオレたちをみて、王太子はいないと判断したようだった。
オレは一歩前に出る。
「オレが王太子、ライリー・ランバラルドだ」
「えっ、」
ボナールの宰相はきょとんとしてオレを見る。
それはそうだろう。
コンラッドを王太子だと思っていたのだろうし、オレは前回フレッドと共に単なる使者として訪問している。
「黙っていて申し訳ない。今までの者は影武者だ。敵国へ赴く時には、よくあることだと思うが?」
「あ、そ、そうでしたか。失礼致しました」
宰相はオレに最敬礼をした。
「こちらも正体を隠していて悪かった。これから、腹を割って話したいことがある。国王との面会の前に、貴殿と打ち合わせがしたい」
宰相はオレの様子と表情から、何かを察したようだった。
「かしこまりました。では、わたしに付いてきてください」
そう言って踵を返し、足早に城の中へと歩いて行った。
城の中には、オレとディリオン、フレッド、ジェイミー、それと近衛を1人連れて行くことにしそれ以外は城外で待機だ。
今まで通された中央ではなく、城の右側と思われる場所に連れてこられた。
通された部屋には、大きな机が置かれており、大臣達の会議室と思われる。
「ライリー王太子殿下、このような所で失礼いたします。国王には内密の話とお見受けいたしました。国王に怪しまれる前に、話を終わらせたいと思いますがいかがでしょうか」
オレ達が入り口近くに腰掛けたのを見て、宰相が先を促す。
「聡明なご判断、感謝する。貴殿も座ってくれ。宰相殿、」
「わたしはモーリスです。モーリス・サリバン」
「モーリス殿、今回のことはどこまで聞いている?」
モーリス殿は悔しそうな表情を浮かべて、オレ達全員の顔を見た。
「……おそらく、全てです」
オレは目を見開いた。
「全てって、あんたも奴隷売買に加担してたのか!」
「いえ!違います。あぁ、でも違わない。国王がやることを黙認していたのですから、加担したも同義です」
モーリス殿は頭を抱えた。
「国王は、自国の民を人間とは思っていない。豚や鶏などの家畜と同様に思っているのです。国民は、自身の財を増やすのに使う駒なのです。戦争に負け、賠償金を背負い、国民からの税収は落ち、残るは家畜と同じくらい出荷しか国王の頭にはなかったのでしょう」
「なっ……!」
なんて酷いことを!
豚や鶏と同じように、奴隷として出荷した。
オレはもう、何も言えなくなっていた。
人間を家畜と同様に扱うなんて、国王の、いやそれ以前に人間としてすることじゃない。
オレがしゃべれなくなっていると、かわりにディリオンがモーリス殿に話しかける。
「黙っていたことを罪と思うなら、モーリス殿に協力してもらいたいことがある」
俯いていたモーリス殿は顔を上げる。
「わたしにできることならなんなりと」
「では、ボナールを共和制にするために、国王の王位返還に向けて、協力を頼みたい」
モーリス殿は、目を丸くしてオレ達を見た。
それぞれ、きちんと役目を果たすと誓い合って、次の再開を約束する。
オレは、ボナール城を訪問するのに、初めて王太子としての衣装に身を包み挑む。
ボナール城の門をくぐり、馬車止めまで来るとら宰相が慌てた様子で出迎えてくれた。
「これはこれはフレッド様。急なお越しで。王太子様も御同行されるとのことでしたが、どちらに……?」
汗を拭き拭き出てきて、ペコペコと頭を下げていたが、馬車から降りてきたオレたちをみて、王太子はいないと判断したようだった。
オレは一歩前に出る。
「オレが王太子、ライリー・ランバラルドだ」
「えっ、」
ボナールの宰相はきょとんとしてオレを見る。
それはそうだろう。
コンラッドを王太子だと思っていたのだろうし、オレは前回フレッドと共に単なる使者として訪問している。
「黙っていて申し訳ない。今までの者は影武者だ。敵国へ赴く時には、よくあることだと思うが?」
「あ、そ、そうでしたか。失礼致しました」
宰相はオレに最敬礼をした。
「こちらも正体を隠していて悪かった。これから、腹を割って話したいことがある。国王との面会の前に、貴殿と打ち合わせがしたい」
宰相はオレの様子と表情から、何かを察したようだった。
「かしこまりました。では、わたしに付いてきてください」
そう言って踵を返し、足早に城の中へと歩いて行った。
城の中には、オレとディリオン、フレッド、ジェイミー、それと近衛を1人連れて行くことにしそれ以外は城外で待機だ。
今まで通された中央ではなく、城の右側と思われる場所に連れてこられた。
通された部屋には、大きな机が置かれており、大臣達の会議室と思われる。
「ライリー王太子殿下、このような所で失礼いたします。国王には内密の話とお見受けいたしました。国王に怪しまれる前に、話を終わらせたいと思いますがいかがでしょうか」
オレ達が入り口近くに腰掛けたのを見て、宰相が先を促す。
「聡明なご判断、感謝する。貴殿も座ってくれ。宰相殿、」
「わたしはモーリスです。モーリス・サリバン」
「モーリス殿、今回のことはどこまで聞いている?」
モーリス殿は悔しそうな表情を浮かべて、オレ達全員の顔を見た。
「……おそらく、全てです」
オレは目を見開いた。
「全てって、あんたも奴隷売買に加担してたのか!」
「いえ!違います。あぁ、でも違わない。国王がやることを黙認していたのですから、加担したも同義です」
モーリス殿は頭を抱えた。
「国王は、自国の民を人間とは思っていない。豚や鶏などの家畜と同様に思っているのです。国民は、自身の財を増やすのに使う駒なのです。戦争に負け、賠償金を背負い、国民からの税収は落ち、残るは家畜と同じくらい出荷しか国王の頭にはなかったのでしょう」
「なっ……!」
なんて酷いことを!
豚や鶏と同じように、奴隷として出荷した。
オレはもう、何も言えなくなっていた。
人間を家畜と同様に扱うなんて、国王の、いやそれ以前に人間としてすることじゃない。
オレがしゃべれなくなっていると、かわりにディリオンがモーリス殿に話しかける。
「黙っていたことを罪と思うなら、モーリス殿に協力してもらいたいことがある」
俯いていたモーリス殿は顔を上げる。
「わたしにできることならなんなりと」
「では、ボナールを共和制にするために、国王の王位返還に向けて、協力を頼みたい」
モーリス殿は、目を丸くしてオレ達を見た。
3
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
アンジェリーヌは一人じゃない
れもんぴーる
恋愛
義母からひどい扱いされても我慢をしているアンジェリーヌ。
メイドにも冷遇され、昔は仲が良かった婚約者にも冷たい態度をとられ居場所も逃げ場所もなくしていた。
そんな時、アルコール入りのチョコレートを口にしたアンジェリーヌの性格が激変した。
まるで別人になったように、言いたいことを言い、これまで自分に冷たかった家族や婚約者をこぎみよく切り捨てていく。
実は、アンジェリーヌの中にずっといた魂と入れ替わったのだ。
それはアンジェリーヌと一緒に生まれたが、この世に誕生できなかったアンジェリーヌの双子の魂だった。
新生アンジェリーヌはアンジェリーヌのため自由を求め、家を出る。
アンジェリーヌは満ち足りた生活を送り、愛する人にも出会うが、この身体は自分の物ではない。出来る事なら消えてしまった可哀そうな自分の半身に幸せになってもらいたい。でもそれは自分が消え、愛する人との別れの時。
果たしてアンジェリーヌの魂は戻ってくるのか。そしてその時もう一人の魂は・・・。
*タグに「平成の歌もあります」を追加しました。思っていたより歌に注目していただいたので(*´▽`*)
(なろうさま、カクヨムさまにも投稿予定です)
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
花言葉は「私のものになって」
岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。)
そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。
その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。
美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。
青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。
こんなに遠くまできてしまいました
ナツ
恋愛
ツイてない人生を細々と送る主人公が、ある日突然異世界にトリップ。
親切な鳥人に拾われてほのぼのスローライフが始まった!と思いきや、こちらの世界もなかなかハードなようで……。
可愛いがってた少年が実は見た目通りの歳じゃなかったり、頼れる魔法使いが実は食えない嘘つきだったり、恋が成就したと思ったら死にかけたりするお話。
(以前小説家になろうで掲載していたものと同じお話です)
※完結まで毎日更新します
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!
山田 バルス
恋愛
この屋敷は、わたしの居場所じゃない。
薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。
かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。
「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」
「ごめんなさい、すぐに……」
「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」
「……すみません」
トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。
この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。
彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。
「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」
「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」
「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」
三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。
夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。
それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。
「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」
声が震える。けれど、涙は流さなかった。
屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。
だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。
いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。
そう、小さく、けれど確かに誓った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる