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20章 虹の国の後継者
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私が国王となってから、慌ただしい日々が過ぎて行った。
何しろ、政治なんてまったくわからないし、そんな娘が担うには、ボナールの情勢は最悪だったし。
でも、ライリー殿下たちがボナールのモーリス宰相や大臣たちと会議を重ねていって、やっと光が見えてきた。
まだまだ、法律的に国王が政治を取り仕切らなければならない所が多いけれど、内閣を作り、代表となる人物も目処が立ってきて、このままならばそう遠くない未来、共和制になり、私は王位を退いてボナールは共和国になるのだと思う。
私も会議には出席し、思ったことはちゃんと意見として言う。
即位してすぐにおこなった炊き出しは、やっぱり長くは続けられなかったけれど、それでもやって良かったと思う。
回数は多くないけれど、定期的に継続できることになったからだ。
すべては順調で、未来は明るいと、そう信じていた。
その日も、財政会議をしていて、農家の税金を下げて、食べ物を確保しようと言う話をしていた。
そこに、モーリスの部下が走り込んできた。
「た、大変です! 国王様が、前国王のコルビー様が、ボナールに流れる川を堰き止めて、用水路にも水が来なくなりました!」
私たちは顔を見合わせる。
川を堰き止める?なんのことかしら……?
私は訳がわからず、駆け込んできた者を見ていると、ライリー殿下はディリオン様も顔を見合わせていた。
「目的はやはり川だったか……」
ライリー殿下は額に手を当てた。
ディリオン様は身を乗り出し、その者に聞く。
「川を堰き止めて、その後は?」
「はい。川の水を瓶に詰めて、他国へ売っているようです。おかしなことにただの水を、他国の者は大金をはたいて買っているのです」
困惑顔で、その者が答えた。
それを聞いてフレッド様が立ち上がる。
「オレ、ちょっと行ってくる」
そのまま、フレッド様は会議室を出て行ってしまった。
私や大臣達は、自国のことなのに、何のことだかわからずに、ライリー殿下たちのやり取りを聞いていたけれど、我慢できずにライリー殿下に尋ねた。
「すみません、ライリー殿下。なんの話ですの?」
ライリー殿下は会議室にいる、すべての貴族の顔を見渡してから答えた。
「川の奇跡を知っているか? その川の周りの作物は、雨が降らなくてもしおれない。また、他の作物と比べて実も大きく育つ」
私は生まれてからずっとボナールにいるけれど、そんな川の噂は聞いたことがない。
もし、そんな物があるのだったら、いくら塔の上にいた私でも話くらいは聞いていたと思うの。
「単なる偶然ではないのですか?」
「いや、オレたちも最初はそう思ったけど、実際に川を見に行って真実だと知った。川の周りだけ、穀物は見事に育ち、実はたわわになっていたよ」
ライリー殿下はそう言うが、奇跡と言われてもまだピンとこない。
それに、追い出された前国王のコルビー様は、持っていた財産はほぼ没収されたと聞くが、それでも前国王として公爵を名乗り、生活に困らない程度の年金と、国の端を領地として受け取っていると聞いていた。
まだ、足りないのかしら。
かつて、国民を痩せ細った棒のような手足の者にするくらい、国庫のお金で贅沢を重ねたのに、まだ……。
「と、とにかく、今日の会議は一旦中止にしましょう。議員のみなさんは他の仕事を続けても帰宅しても構いません。ですが、召集が掛かったらすぐに登城できるようにしておいてください」
私はそのようにみなさんに言って、議員達を退席させ、ライリー殿下に話を聞くことにした。
「ライリー殿下はどのようにして、川の奇跡を知ったのですか….?」
私は、王座にいるだけで、何も知らなかった。
何しろ、政治なんてまったくわからないし、そんな娘が担うには、ボナールの情勢は最悪だったし。
でも、ライリー殿下たちがボナールのモーリス宰相や大臣たちと会議を重ねていって、やっと光が見えてきた。
まだまだ、法律的に国王が政治を取り仕切らなければならない所が多いけれど、内閣を作り、代表となる人物も目処が立ってきて、このままならばそう遠くない未来、共和制になり、私は王位を退いてボナールは共和国になるのだと思う。
私も会議には出席し、思ったことはちゃんと意見として言う。
即位してすぐにおこなった炊き出しは、やっぱり長くは続けられなかったけれど、それでもやって良かったと思う。
回数は多くないけれど、定期的に継続できることになったからだ。
すべては順調で、未来は明るいと、そう信じていた。
その日も、財政会議をしていて、農家の税金を下げて、食べ物を確保しようと言う話をしていた。
そこに、モーリスの部下が走り込んできた。
「た、大変です! 国王様が、前国王のコルビー様が、ボナールに流れる川を堰き止めて、用水路にも水が来なくなりました!」
私たちは顔を見合わせる。
川を堰き止める?なんのことかしら……?
私は訳がわからず、駆け込んできた者を見ていると、ライリー殿下はディリオン様も顔を見合わせていた。
「目的はやはり川だったか……」
ライリー殿下は額に手を当てた。
ディリオン様は身を乗り出し、その者に聞く。
「川を堰き止めて、その後は?」
「はい。川の水を瓶に詰めて、他国へ売っているようです。おかしなことにただの水を、他国の者は大金をはたいて買っているのです」
困惑顔で、その者が答えた。
それを聞いてフレッド様が立ち上がる。
「オレ、ちょっと行ってくる」
そのまま、フレッド様は会議室を出て行ってしまった。
私や大臣達は、自国のことなのに、何のことだかわからずに、ライリー殿下たちのやり取りを聞いていたけれど、我慢できずにライリー殿下に尋ねた。
「すみません、ライリー殿下。なんの話ですの?」
ライリー殿下は会議室にいる、すべての貴族の顔を見渡してから答えた。
「川の奇跡を知っているか? その川の周りの作物は、雨が降らなくてもしおれない。また、他の作物と比べて実も大きく育つ」
私は生まれてからずっとボナールにいるけれど、そんな川の噂は聞いたことがない。
もし、そんな物があるのだったら、いくら塔の上にいた私でも話くらいは聞いていたと思うの。
「単なる偶然ではないのですか?」
「いや、オレたちも最初はそう思ったけど、実際に川を見に行って真実だと知った。川の周りだけ、穀物は見事に育ち、実はたわわになっていたよ」
ライリー殿下はそう言うが、奇跡と言われてもまだピンとこない。
それに、追い出された前国王のコルビー様は、持っていた財産はほぼ没収されたと聞くが、それでも前国王として公爵を名乗り、生活に困らない程度の年金と、国の端を領地として受け取っていると聞いていた。
まだ、足りないのかしら。
かつて、国民を痩せ細った棒のような手足の者にするくらい、国庫のお金で贅沢を重ねたのに、まだ……。
「と、とにかく、今日の会議は一旦中止にしましょう。議員のみなさんは他の仕事を続けても帰宅しても構いません。ですが、召集が掛かったらすぐに登城できるようにしておいてください」
私はそのようにみなさんに言って、議員達を退席させ、ライリー殿下に話を聞くことにした。
「ライリー殿下はどのようにして、川の奇跡を知ったのですか….?」
私は、王座にいるだけで、何も知らなかった。
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