幼馴染のリスナーに媚びて人気者になりたい

久羽しん

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第4章

150 俺たちの宝物

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「あの子達が自分から僕に話しかけてくるなんて、いつぶりだろう」

 畳に座布団を二つ敷き、父さんと対面した。

 向き合ってみて思うのは、やっぱり俺の顔は父さん似みたいだってことだ。父さんは、俺が歳を取ったらこんな風になるのかなって容姿をしている。

「波青の為だろうね」

 今日の父さんの声は、とても静かだ。お酒を飲んでいないのだろう。
 お酒を飲まなければ基本的に穏やかで気弱で優しい人だと思う。深酒すると変わってしまうだけで……。

「……最近食器棚に閉まってある焼酎のボトルに、赤い線が引いてあるんだが……あれは波青が?」

 ふと、父さんがぽつりと聞いてきた。

「え!? な、なんだそれ……? 俺は知らないけど……」
「……!」

 俺の返答に、父さんは驚いた様子だ。俺がやっていると思っていたらしい。

「……そうか。じゃあ、あの子達なんだね。いつも、『今日はここまで!』というメッセージと一緒に矢印が書かれているんだ」
「……え……」

 (あいつらがそんなことをしてたなんて……)

 全然気づかなかった。

 俺だって長年気をつけて見ているけど、父さんに禁酒をさせることはすごく難しい。

 誰かに相談して力を借りたくても、父さんは極度の人見知りだから第三者の介入を嫌う。

 それに、そもそもストレスの発散で飲んでいるだろうに、完全に取り上げたら……最悪の事態に陥ることは分かっていたから。

 俺はただただ、父さんに生きていて欲しかった。無理やり取り上げたら、その願いすら叶わなそうで。やめろよと言葉で言うくらいで、精一杯だった。

 (……でも…………)

「そのおかげで、今は飲む量を少しずつ減らせているんだ」
「……! そうなんだな。良かった……」

 (完全にやめてもらうことは難しくても、量を少なくすることはできるよな。確かに……)

 その為にこっそりボトルに『今日はここまで!』っていう線を引いておくだなんて、俺にはなかった発想だ。
 相変わらず双子の気遣い力や賢さは凄すぎて、俺の弟妹とは思えない。

「あの子達なりに、僕のことを気にしてくれているんだろうね……」

 父さんはそう言い、太ももの上で両手を握りしめた。

「僕は……泉澄いずみさんとよく似たあの子達に、どうやって接したら良いか、分からずに逃げた……卑怯者なのにね」
「…………」

 自嘲的に呟かれた言葉が、父さんの本音だと分かって。胸がずしりと重くなった。

 水無瀬泉澄いずみ。俺の母さんの名前。

 もう随分と長い間、耳にする機会も失ってしまった名前。

「僕はずっと……近づいたら、この行き場の無い喪失感をあの子達にぶつけてしまいそうで、それがとても恐ろしかったんだ」
「…………うん」

 喉の奥がつっかえて、上手く言葉が出てきてくれない。相槌を打つので精一杯だった。

 こんなに赤裸々な父さんの気持ちは、初めて聞いた気がする。

「波青に、全て背負わせてしまっていたね」

 父さんは力なく俯き、ボソボソと続けた。

「僕が不甲斐ないせいで……。波青が文句一つ言わないのに甘えて、お義父さんのことも、あの子達のことも、全部をきみに任せきりで……幼い頃からどれだけの我慢を強いてきたかな」
「……!!」
「僕には余裕がなくて、あの子たちのことも、きみのことも、なにも見られていなかった。本来自分が果たすべき役目を、自分の子供に押し付けてしまった……。恥ずかしいことに、あの子たちに叱られてようやく気づいたよ。……波青にも、波青の人生があるんだということに」
「…………」

 いつも俺は、俯く父さんのつむじばかり見ていた。幼い頃は大きく見えた背中も、俺の成長と共にどんどん小さくなっていったから。

「……波青……」

 でも、今日の父さんはぐっと顔を上げて、俺を真正面から見つめた。

「きみに、大事なものができたんだって? それなら、僕たちのことは気にせず、好きにしなさい。好きなように、波青の人生を生きなさい」
「…………うん……」

 俺は唇を噛み、父さんを見返した。

「ありがとう。父さんがそう言ってくれて、めっちゃ心強い。……だけど、俺……結構好きなようにやってきてるんだよな。我慢を強いられたなんて思ったこと、全然ないから。爺ちゃんも、あいつらも、俺が一緒にいたいと思って一緒にいただけだぞ」
「……え?」

 俺の言葉に、父さんがぽかんと瞬きをした。

 俺は言葉を続けて父さんに説明した。

「父さんはさ……自分は何もできてないって思ってるかもしれないけど。そんなことないぞ。俺が昔から父さんに望んでいたのは、一つだけだ」
「……ひ、一つだけ……?」
「ああ……。俺は、父さんが生きてくれているだけで嬉しいんだ。ただ、父さんに……生きていて、欲しい」
「……!!」
「父さんは、本当はもうこの世に未練なんかないんだろ? でも、俺たちの為に、ずっと残っていてくれてる。俺たちを悲しませない為に……いつも頑張ってくれてる」

 それだけで、父親としての責任を果たしてくれていると俺は思う。母さんのいなくなった世界で呼吸を続けることがどれだけ父さんにとって苦しいことだったか、本当は今すぐにでも全て投げ出して楽になってしまいたいんだろうということも、全部知っているから。

「……」

 父さんは目を潤ませ、黙ってしまった。

「……でも……」

 俺はそんな父さんの表情を見ながら、勇気を出して口にした。

「あのさ、もう一つだけ言っていいか?」
「え……?」
「本当はもう一つ……父さんにお願いしたいことはあるんだ」
「……なんだ? 波青。僕にできることなら、言ってほしい」
「! うん……。父さんにしかできないことだよ、むしろ」
「僕にだけ……?」
「……」

 こないだ、秋風の話を聞いていて分かったのだ。

 良くも悪くも、親は親だと。

 一度も愛情を向けてもらったことがなくても、生まれてからずっと暴言をぶつけられていても、秋風にとって親はお母さんその人、一人だけ……。

 大人になってもずっと、期待して、求めて、振り回されてしまう。

 誰も代わりになんてなれやしない。

 だから、俺もどこまでいっても双子の親代わりにはなれっこないのだ。

 あいつらの為を思うなら、きっと俺じゃなくて──。

「できたら双子ともっと、話をしてやって欲しいんだ。俺はただの兄貴にしかすぎないし、あいつらにとって『親』は、父さんだけだから。あいつらももっと……父さんと話をしてみたいって思ってる……、はずだ」

 (……い、いや、思ってないかもしれないけど……)

 俺に異常に懐いちゃってるせいで、あいつらの中で父さんの影が薄くなってしまってるのかもしれないけど……。

 でも、今は『平気だ親なんか要らないんだ』と思っていても、大人になって後悔することはきっとあるから。

 双子が将来後悔しないように、今のうちにたくさん話をして、父さんとの思い出を作って欲しい。それが今俺があいつらにできる、一番大事なことだと思う。

「……話、か……。今更、そんな……。どの面下げて近寄ってきたんだと思われてしまう。僕には、あの子たちに親なんて思ってもらえる資格がないから」
「!! そ、そんなことない……! どんな親でも、親は親なんだよっ」
「『どんな親』…………」
「──あっ……!! い、いや、『どんな』って言い回しは、父さんに失礼だったか!!? あーーッごめん……!!!」

 しまった。プラスの意味で言いたかったんだけど。また俺は……。無意識に嫌味っぽくなってしまうのは直せないものか。

「ご、ごめんな父さん……! まじでごめん! 悪い意味じゃないんだっ!!」
「……はは。分かっているよ。きみのそういう焦った姿、まるで僕を見ているみたいだ……」

 慌てる俺を見て、父さんがわずかに笑った。笑顔なんてなかなか見ないから、知らない人みたいだ。

「!! えっっ。ま、まじか……? なははは……」

 俺はなんだかむずむずして、忙しなく首をかいた。

 (本人が言うってことは……俺と父さん、顔以外も結構似てたりすんのかな……!?)

 俺からしたら、『父さんってなんかいつもオドオドしてるな……』と思うけれども、他の人から見た俺も同じなのかもしれない。血は侮れないってやつか……。

「……あっ、でも、血は繋がってるのにさ、双子は全然俺と似てないんだよな? あいつら、オドオドオーラなんて全くなくて、いつも堂々としてるし、ポジティブだし、明るいし……! 誰とでもすぐ打ち解けられるんだよ! 学校でも友達たくさんいるみたいで……!」
「へぇ、そうなのか」
「うん! それに、あいつら運動神経抜群で、地頭も良いっ。何から何までマジですごいんだ……!」
「……明るくて賢いのなら、泉澄さん似だね。僕や波青とは違う」
「あー! そっか……! 母さんか!!」

 母さんは、才色兼備というやつだった。綺麗で頭も良くて、根から明るい陽だまりのような人。
 双子は母さんの良いところを引き継いだんだな。

「……不思議なものだね。容姿だけじゃなく、性格すらも似ているなんて。彼女とあの子達が会話をしたことは、一度もないのに……」
「やっぱ、遺伝ってやつじゃないか?」
「……ああ。そうなんだろうな……」

 父さんは懐かしそうに目をすがめた。母さんのことを思い出しているのかもしれない。

「……。……なぁ、父さん」

 俺は久しぶりに、母さんの話をすることにした。

「? なんだい?」
「そういえば、昔母さんがさ──」
「……ああ。そんなこともあったね」
「だろ? それで……」

 母さんがどんな言葉をよく言ってくれたか、どんなふうに笑ってくれたか、どんなところへ一緒に行ったか……。

 たくさん思い出話に花を咲かせた。

 人が本当に死ぬ時は忘れ去られた時だとよく言うから。

 だから、母さんのことを忘れないように、何時間だって話すのだ。

 ──母さんは本当に素晴らしい人で、間違いなく、父さんの全てだった。

 全てがなくなったから、壊れてしまった。

 でも……残ってるものはある。

 母さんが自分の命と引き換えにしてまで、俺たちに、この世界に授けてくれたもの。

「俺と一緒に、宝物を見守っていこうぜ」

 俺がそう言ったら、父さんは

「そんな人生も良いかもしれないな」

 と、長い前髪の間から、またほんの少しだけ笑ってくれた。


 *


 そうして、無事に父さんからの許可も出て……。

 結局、三ヶ月の期間俺は土日だけ秋風の家に泊まらせてもらうことになった。土日は双子の学校がないし、平日の放課後よりは家事の負担が少ないかなと思ったからだ。

 双子はもっといっぱい泊まって大丈夫だと言ってくれたけど、やっぱり二日以上は心配で、俺の方が大丈夫じゃなかった。お前ら兄離れしないとだぞーと普段言っているものの、弟離れ妹離れができていないのは本当は俺の方なのかもしれない。

 (まあ、急には無理だから。ちょっとずつだよな……)

 まずは土日からスタートして。もし俺がいなくても実家はちゃんと回るんだなと安心できたら、徐々に日数を増やすことも視野に入れたい──そうは言ってもやっぱヒヤヒヤしちゃうけど……──。

 今は父さんも双子も三人だけでいる時間に慣れていないから、まずはそこからだと思う。




「──いらっしゃい、波青」
「!! お、お邪魔します……!!!」

 今週からお泊まり開始になり、今日はちょうどその最初の土曜日だ。

 今日は秋風のスケジュールが午前中で終わり、半日オフらしいから、午後からゲームでもしようということでさっそく遊びに来た。

 秋風の家に来るのは、好きだと言われたあの日以来。

 あの日最悪なリアクションで逃げ帰ったのに、今またこうして秋風の家に来て二人きりになっているなんてなんだか変な感じだ……。

「……あ!! ごめん……ありがとな」
「ううん」

 ドギマギしながら広い玄関で靴を脱いだら、屈んだ秋風が俺の靴を揃えて端に置いてくれた。

 (あああ……! 俺ってば、やばすぎんだろ!!)

 人の家にお邪魔して靴を脱ぎ散らかすとか。いつもだったらちゃんと揃えて脱ぐのに、緊張しすぎて忘れてしまった。まずい。落ち着かなくては。

「はい、スリッパどうぞ」
「悪い! ……あ! ふかふかだっ……」

 秋風が廊下に出してくれたスリッパを履いて、俺はその場で足踏みした。
 もこもこしていて気持ちがいい。床が白い大理石だから寒々しいと思っていたところだった。

「波青が来てくれるって言うから、新しく買ったんだ。波青用だから、好きに使ってね」
「! そうなのか! さんきゅー」

 (わざわざ買ってくれたんだな。さすが、モテる男は違うぜ……)

 俺は照れ臭くなりながら左手で首をかき、右手に持った紙袋を秋風に渡した。

「あ、これ手土産……。良かったらどぞ!」
「え……! わざわざありがとう。……なんだろ? お菓子の詰め合わせとか?」
「いや、ケーキだぞ! あとで一緒に食べよっ」
「ケーキか。ちょうど食べたかったから嬉しいな」
「地元の小さいケーキ屋で買って来たんだ! 隠れた名店ってやつ!? まあお前は知らないだろうけどな~~っ」
「……!!」

 俺が胸を張って答えたら、なぜか秋風は吹き出し、片手で自分の口元を押さえた。

「……? なんだよ、その顔は」
「ふふ……、ごめん。……俺、知ってるよ。波青の家の近くにあるところでしょう。そこ行ったことあるもん、俺」
「は!?」
「でも、波青は知らないよ」
「……!!?」

 (な、なんだ!? そのなぞなぞみたいなのは……!)

 しきりに首を傾げていると、秋風がまた吹き出した。
 くすくす笑ったまま、秋風は俺を中へと案内してくれた。

「ついてきて。家の中を説明するよ」
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