幼馴染のリスナーに媚びて人気者になりたい

久羽しん

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第1章

24 営業チャンス《前編》

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 質問コーナーとジェンガの配信をやった次の日、月曜日。

 今日は定例の企画会議だ。実は撮影そのものより企画を考える時間の方が大変。次から次にとアイデアなんて浮かんでこない。

 今週はどんな配信にするか、何本撮ってストックを作るか……各自予め考えてきて、この日に一気に相談する。

 この企画は絶対ウケるからやろう、とプレゼンする時もあるし、まじで思いつかない、しょうがないからこの企画でいいんじゃない? と妥協する時もある。

 いずれにせよ、リーダーの夕陽さんが最終的な結論を出してまとめてくれるので方向性や方針がブレなくてありがたいなと思う。

「じゃあ、今週の配信内容はビビリ王決定戦をやる。配信の日にカタカナ禁止縛りでトーク、人狼ゲーム、ボードゲームの三本の撮影も一気にやっておく。せいちゃんが提案してくれたコーディネート対決は再来週スケジュール合わせてロケ、同日に珀斗が提案したゲーセンで音ゲー対決のロケだな」
「ゲーセンに関してはついでに、コインゲーム対決とかもやれば、動画本数増やせますね」
「たしかに! そうしよう! あとは今週も引き続き、全員撮影じゃなくてもいいから、たまたま空き時間が重なった数人でできることがあったらやっていこう。俺となおちゃんでスイーツ作り、珀斗が味見役とか。なんでもいい」
「はい」
「それと、企業案件が来てるって柴さんから連絡があったな。ドライヤーのPR。動画は数人選抜で、全員そろってなくても構わないらしいけど──」

 柴さんとはごちゃまぜのマネージャーである。三十代の真面目なお兄さんだ。

「誰がやろうか?」
「うーん。しゅーかがいいんじゃない? 髪の毛綺麗だし」

 たしかに秋風の髪は一度も染めていないので傷んでない。髪質も絹糸みたいに柔らかくてサラサラだ。

「しゅーちゃんいけるか?」
「はい。大丈夫です」
「あともう一人くらい……。俺としてはなおちゃんにお願いしたいんだよな。せいちゃんと珀斗は奇抜なカラーすぎるし、俺も枝毛がなぁ。ドライヤーの良さが伝わるように極力ダメージが無い人がいい」
「でも俺、癖毛ですよ。一本一本も太いし。夕陽さんの方が適任じゃ……」

 アンチの多い俺だと、どうせ秋風の髪と比べられてリスナーに嫌味コメント書かれまくるし……ここは断っておきたい。

 (…………ん?)

 いや待てよ、と俺は思い返した。

 ……秋風との二人動画? なんだそれ。

 よく考えたら、そんなの……かなりチャンスじゃないか?
 
 BL営業の。

「そっか。俺は良いと思うけど。なおちゃんが嫌なら──」
「ま、待ってください! 俺、やっぱやります! 夕陽さんはお忙しいし!!」
「え? お、おう! なおちゃんありがとな。……じゃあ、ドライヤーのPR案件はしゅーちゃんとなおちゃんの二人に任せたよ?」
「はい、頑張ります」
「おまかせを!!」

 (やったぞ!! 営業チャンスゲットだーー!!!)
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