M.A.T 対魔法筋肉特殊奇襲部隊

海王星型惑星

文字の大きさ
4 / 16
1章 特殊筋肉奇襲部隊

異界の地 Ⅱ

しおりを挟む
この世界は今春なのだろうか。

あたり一面が深緑の原っぱで、所々に黄色、赤、紫、青、というふうに色とりどりの小さな花が咲いている。


まさに天国のような光景だった。
都会ではなかなか見られないだろう。


やがて街が近づいてきた。森から見て想像していたものよりもずっと大きい。


「なんか中世ヨーロッパみてえだな」


中世もヨーロッパも実際どんなものかは知らないけれど何となく感じた事を言ってみる。


「なんか城に王冠かぶった白ひげの王様いそうだな」
内田も乗ってくる。


まさにファンタジーという言葉が似合う場所だ。


なかなかメルヘンチックな場所ではあったが、それなりに事件は起こるらしい。


都市を取り囲むちょっとした壁を通ると、早速市場で賑わっていた。


と、思った矢先、俺たちの方へ1人の男が疾走してくる。


男の後ろからは店員の助けを呼ぶ声。
盗みの類だろうか。


「どこの世界にも悪い奴はいるもんだねぇ」
内田が呑気に言いながら男の進行方向に立ち塞がる。


突如視界にマッチョマンが入り込み、やや困惑した男だったが、逃げるスピードは変わらない。


「どけ!邪魔だ!」
俺たちの横を通り過ぎようとしたのだが...


「おおっと、待ちなって」


内田は右足を後ろにして男と押し合う体勢になった。


「う...ぐ...!?」


そのまま通り抜けようとしていた男だったが、内田は押しても引いても全く動かない。


まるで壁だ。


内田の不敵な笑みに組み合った男がたじろぐ。

やがて少しずつ強く押し始めた内田は男を自分で覆いかぶせるように押し込んだ。

「うおっ...!?は、離せ...!」

「おいおい、自分から来といてそれはねーんじゃねえのか?」


間も無くして男は押さえつけられた。

苦しそうにもがいているが、取り押さえている内田はビクともしない。


そこに店員が駆けつけてきた。

「ありがとうございます!助かりました!」

内田に頭を下げると、ぐったりとした男を連れて店へ戻っていった。


「盗みなんてするもんじゃねえな、まったく」

2人を見届けながら内田がいう。


まったく相変わらず凄いヤツだ。

だから俺はこいつに勝てないのだろう。




この時、近くで内田(と俺?)を興味深かそうに眺めていた男がいた事に俺たちは気づいていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

処理中です...