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第一章
4 年末年始と魔族と使い魔 その4
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その頃、町からそこそこ離れた森の中の隠れ家にて。
「緊急召集に従って休暇返上して参上してやったぞ。何があった」
豪奢な衣装をまとった魔族の男は、大股で地下室に足を踏みいれた。
魔族の社会でも、年末年始は基本的にお休みである。
人間みたいに盛大に祝うことはないものの、特別な日という認識はある。
「妹の命日を静かに過ごす予定を潰したんだ、ろくでもない理由じゃないだろうな」
まして、彼らにとって、新年の一日目は大切な人たちの命日だった。
「なんだよーぅ。俺にとっては妻の命日に無念を晴らす日のつもりだったがなー」
呼び出した側の魔族がどこか不満げにぼやき、木の器に酒を注いだ。
海藻のように波打つ髪や鋭い目つき、黒一色の重苦しい衣装、薄暗く陰気な隠れ家の雰囲気に似合わず、中身は甘めで酒分の少ない蜂蜜酒だ。この男、あまり強くない。
「義兄さんも何か飲んでくれ。飲まずにやってられるか」
すでにできあがっている様子の義弟に、こちらの姿はちゃんと見えているのか。
彼の義理の兄、フルトことフルトウウォール・カルィタ・リツァールの姿は見えているのか。
「今は飲めない。お前から話を聞かねばならん」
緊急だからと、ろくに着替えもせず飛んできたのだ。
身にまとうのは、安息の闇織りの一族の布から作られた儀礼用の豪奢な衣装。
亡き両親が深海色の髪と浅瀬の海色の瞳に合わせてしつらえてくれた一級品だ。
手狭で陰気なこの場所には、まったくもって合っていない。
素面なら、状況考えろ着替えてこいと言われてもおかしくなさそうなものだ。
「人間どもめぇ、俺たちが何したって言うんだよぉ。義兄さんも飲めよぉ」
いったいいつから飲んでいたんだ、こいつ。
魔族と一口に言ってもいろいろいる。
二人は魔族の中でも穏健派であり、戦闘能力も低い方だ。
見た目も人間とさほど変わらない。角が生えているわけでもないし、コウモリじみた翼があるわけでもない。瞳孔が縦とか横とかに開くこともない。
耳がとがっていて、犬歯も鋭くて、力が弱い者でも赤ん坊でも大抵の人間より多くの魔力を保有し、闇属性が多い。違いなんてその程度。
人間並みの高い繁殖能力を有し、家族を大切にし、同族の共同体を構築することで比較的安全に暮らしてきた。
十四年前に、故郷が人間の手で滅ぼされるまでは。
「バレク。本当に緊急だというならば、酒はいったん止めて説明するんだ」
肩をつかみ、軽くではあるが揺さぶる。
うつろだった目にようやく光が戻る。
「あぁ……。あぁ、すまない、義兄さん。来てくれたのか」
義弟はただの水を一杯飲み、ようやく落ち着いた様子で背筋を正す。
「事情を説明してもらえるか?」
「あぁ。俺は、ずっと、人間が奪っていった家宝の宝玉の在処を探していた。少し前に、場所を突き止めたんだ。それで、年末年始のゆるんだ警備体制を狙って、大量の使い魔を放ち壊滅させるつもりだった。復讐を果たして宝玉も取り戻すつもりだった」
義弟は昔から真面目で実直だと有名だった。
妻の死から立ち直れず迷走していた時期もあるが、ここ数年はかつてのように動き回っていた。
まさか、目的不明の奔走は、人間に喧嘩売るためだったのか。
無謀極まりない。
返り討ちで死亡だけならまだマシな方だ。
最悪の場合、人間の神殿の聖騎士団が派遣されて一族郎党皆殺しにされるのだから。
今暮らしている集落だけでなく、無関係な集落もとばっちりを食らいかねないのだから。
二人の故郷が滅ぼされたのだって、他の土地への襲撃のとばっちりだったのだから。
「ふむ。……失敗報告か。お前の使い魔を返り討ちにするとは、手練れだな」
義兄として冷静を装いつつも、内心焦っていた。
魔族はおおむね魔力が多く魔術に秀でているが、向き不向きはある。
義兄フルトは視覚偽装や認識阻害や異空間迷路の生成など幻惑系統を得意とし、義弟バレクは使い魔や魔導人形などの疑似生命創造を得意とする。
強度はそれほど高くないが、あくまで同族基準に過ぎず、対人間ならば充分と言える。
それでも、聖騎士団の数の暴力には敵わない。
「使い魔の出所は悟られたのか?」
「分からん。倒された際の詳細自体が分からん。町にたどり着くこともできなかった。聖王の姫と勇者は聖都で休暇中のはずなんだが」
「勇者……、あぁ、あの町か。我らの集落を滅ぼす際の拠点にされたという。そこならば戦利品としてあってもおかしくない。人間の神殿に運ばれたものとばかり考えていたが」
「俺もそう考えていたさ。……話を戻すが、使い魔たちは襲撃前の待機中に発見され、制御を切られた上で倒されたようだ。一網打尽というやつだ。あれだけ準備したのに、だ」
制御を切った上で倒す。
それは対使い魔戦闘に長けた者ということか。
「制御が切れる直前の記録を調べてみたが、姿は見えなかった。おかげで何者の手によるかも分からん。使い魔どもは統率をとれず手当たり次第に人間を攻撃し、返り討ちになったと思われる」
「信じられないな。あの町に神殿認定勇者以外の実力者などいるはずなかろうに」
自称移民船団による開拓で最後に作られたのがあの町とされている。
人間たちの国は開拓時期が早いものほど重要視されるため、あそこは国内で一番の辺境で一番貧しい町なのだ。
「使い魔とはいえ防御力はそこらの魔物の比ではなく、数の暴力もあるのだろう? 年末年始も休めない困窮冒険者に倒されるはずはない」
年末年始、冒険者も休暇を取る。
そもそも依頼自体極端に少なくなるという。
休暇を取れないということは、それだけ困窮しているということで、そういう者はたいてい駆け出しか泣かず飛ばずの弱い冒険者というのが相場だ。
「あぁ、俺もそう思うよ。なのに、倒されたんだ。それは間違いねえんだ」
「不気味だな。生き残りがいると知られたか? ならば警備を強化せねば。姪だけは何がなんでも守るぞ」
「あ、ああ。警備強化は俺が引き受ける。本来、そちらの方が得意分野だ」
使い魔を作るのが得意でも、戦いが得意とは限らない。
義弟の真骨頂は、使い魔と魔導人形を用いた情報網構築と罠の作成にある。
守るには向いているが、攻めるには向いていないのだ。
と、義弟は言外で言い訳するような顔をしていた。
「分かった。ならば私が偵察に向かおう。念のため隠密行動に徹し、情報を持ち帰ることを第一とする。よいな」
一度自宅に戻って着替えてから出発となるが、日が昇るまでには終わるだろう。
「義兄さん。追加でもう一つ。制御を離れても使い魔の生存はある程度分かるのだが、一匹だけ生き残っているようなのだ。使い魔に逃走などという行動ができるとは思えぬ以上、捕獲されて調査される可能性が高い。死体ならまだしも、生体相手の研究は危険だ」
「処分してくればいいのか?」
「警備状況にもよるが、可能ならば」
「承った。では行ってくる」
そしてフルトは、新年で浮かれて警備もゆるんだ町へ向かうことになった。
「緊急召集に従って休暇返上して参上してやったぞ。何があった」
豪奢な衣装をまとった魔族の男は、大股で地下室に足を踏みいれた。
魔族の社会でも、年末年始は基本的にお休みである。
人間みたいに盛大に祝うことはないものの、特別な日という認識はある。
「妹の命日を静かに過ごす予定を潰したんだ、ろくでもない理由じゃないだろうな」
まして、彼らにとって、新年の一日目は大切な人たちの命日だった。
「なんだよーぅ。俺にとっては妻の命日に無念を晴らす日のつもりだったがなー」
呼び出した側の魔族がどこか不満げにぼやき、木の器に酒を注いだ。
海藻のように波打つ髪や鋭い目つき、黒一色の重苦しい衣装、薄暗く陰気な隠れ家の雰囲気に似合わず、中身は甘めで酒分の少ない蜂蜜酒だ。この男、あまり強くない。
「義兄さんも何か飲んでくれ。飲まずにやってられるか」
すでにできあがっている様子の義弟に、こちらの姿はちゃんと見えているのか。
彼の義理の兄、フルトことフルトウウォール・カルィタ・リツァールの姿は見えているのか。
「今は飲めない。お前から話を聞かねばならん」
緊急だからと、ろくに着替えもせず飛んできたのだ。
身にまとうのは、安息の闇織りの一族の布から作られた儀礼用の豪奢な衣装。
亡き両親が深海色の髪と浅瀬の海色の瞳に合わせてしつらえてくれた一級品だ。
手狭で陰気なこの場所には、まったくもって合っていない。
素面なら、状況考えろ着替えてこいと言われてもおかしくなさそうなものだ。
「人間どもめぇ、俺たちが何したって言うんだよぉ。義兄さんも飲めよぉ」
いったいいつから飲んでいたんだ、こいつ。
魔族と一口に言ってもいろいろいる。
二人は魔族の中でも穏健派であり、戦闘能力も低い方だ。
見た目も人間とさほど変わらない。角が生えているわけでもないし、コウモリじみた翼があるわけでもない。瞳孔が縦とか横とかに開くこともない。
耳がとがっていて、犬歯も鋭くて、力が弱い者でも赤ん坊でも大抵の人間より多くの魔力を保有し、闇属性が多い。違いなんてその程度。
人間並みの高い繁殖能力を有し、家族を大切にし、同族の共同体を構築することで比較的安全に暮らしてきた。
十四年前に、故郷が人間の手で滅ぼされるまでは。
「バレク。本当に緊急だというならば、酒はいったん止めて説明するんだ」
肩をつかみ、軽くではあるが揺さぶる。
うつろだった目にようやく光が戻る。
「あぁ……。あぁ、すまない、義兄さん。来てくれたのか」
義弟はただの水を一杯飲み、ようやく落ち着いた様子で背筋を正す。
「事情を説明してもらえるか?」
「あぁ。俺は、ずっと、人間が奪っていった家宝の宝玉の在処を探していた。少し前に、場所を突き止めたんだ。それで、年末年始のゆるんだ警備体制を狙って、大量の使い魔を放ち壊滅させるつもりだった。復讐を果たして宝玉も取り戻すつもりだった」
義弟は昔から真面目で実直だと有名だった。
妻の死から立ち直れず迷走していた時期もあるが、ここ数年はかつてのように動き回っていた。
まさか、目的不明の奔走は、人間に喧嘩売るためだったのか。
無謀極まりない。
返り討ちで死亡だけならまだマシな方だ。
最悪の場合、人間の神殿の聖騎士団が派遣されて一族郎党皆殺しにされるのだから。
今暮らしている集落だけでなく、無関係な集落もとばっちりを食らいかねないのだから。
二人の故郷が滅ぼされたのだって、他の土地への襲撃のとばっちりだったのだから。
「ふむ。……失敗報告か。お前の使い魔を返り討ちにするとは、手練れだな」
義兄として冷静を装いつつも、内心焦っていた。
魔族はおおむね魔力が多く魔術に秀でているが、向き不向きはある。
義兄フルトは視覚偽装や認識阻害や異空間迷路の生成など幻惑系統を得意とし、義弟バレクは使い魔や魔導人形などの疑似生命創造を得意とする。
強度はそれほど高くないが、あくまで同族基準に過ぎず、対人間ならば充分と言える。
それでも、聖騎士団の数の暴力には敵わない。
「使い魔の出所は悟られたのか?」
「分からん。倒された際の詳細自体が分からん。町にたどり着くこともできなかった。聖王の姫と勇者は聖都で休暇中のはずなんだが」
「勇者……、あぁ、あの町か。我らの集落を滅ぼす際の拠点にされたという。そこならば戦利品としてあってもおかしくない。人間の神殿に運ばれたものとばかり考えていたが」
「俺もそう考えていたさ。……話を戻すが、使い魔たちは襲撃前の待機中に発見され、制御を切られた上で倒されたようだ。一網打尽というやつだ。あれだけ準備したのに、だ」
制御を切った上で倒す。
それは対使い魔戦闘に長けた者ということか。
「制御が切れる直前の記録を調べてみたが、姿は見えなかった。おかげで何者の手によるかも分からん。使い魔どもは統率をとれず手当たり次第に人間を攻撃し、返り討ちになったと思われる」
「信じられないな。あの町に神殿認定勇者以外の実力者などいるはずなかろうに」
自称移民船団による開拓で最後に作られたのがあの町とされている。
人間たちの国は開拓時期が早いものほど重要視されるため、あそこは国内で一番の辺境で一番貧しい町なのだ。
「使い魔とはいえ防御力はそこらの魔物の比ではなく、数の暴力もあるのだろう? 年末年始も休めない困窮冒険者に倒されるはずはない」
年末年始、冒険者も休暇を取る。
そもそも依頼自体極端に少なくなるという。
休暇を取れないということは、それだけ困窮しているということで、そういう者はたいてい駆け出しか泣かず飛ばずの弱い冒険者というのが相場だ。
「あぁ、俺もそう思うよ。なのに、倒されたんだ。それは間違いねえんだ」
「不気味だな。生き残りがいると知られたか? ならば警備を強化せねば。姪だけは何がなんでも守るぞ」
「あ、ああ。警備強化は俺が引き受ける。本来、そちらの方が得意分野だ」
使い魔を作るのが得意でも、戦いが得意とは限らない。
義弟の真骨頂は、使い魔と魔導人形を用いた情報網構築と罠の作成にある。
守るには向いているが、攻めるには向いていないのだ。
と、義弟は言外で言い訳するような顔をしていた。
「分かった。ならば私が偵察に向かおう。念のため隠密行動に徹し、情報を持ち帰ることを第一とする。よいな」
一度自宅に戻って着替えてから出発となるが、日が昇るまでには終わるだろう。
「義兄さん。追加でもう一つ。制御を離れても使い魔の生存はある程度分かるのだが、一匹だけ生き残っているようなのだ。使い魔に逃走などという行動ができるとは思えぬ以上、捕獲されて調査される可能性が高い。死体ならまだしも、生体相手の研究は危険だ」
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