ショタ王子が第一王子なんて聞いてませんけど!?

疾矢

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1.異世界召喚

17.

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「おはよう」

朝起きると大きい殿下が裸で俺を抱き締めていた。これで一緒に寝るだけで呪いが解けるのは確証された。

「殿下、何故裸なんですか?」

殿下の立派な殿下が俺のお腹に当たっている。羨ましいなんて思ってないからな。

「ん?小さい俺の服を着ていたら服が破れてしまうでしょ?」
「なら、最初から大きい服を着て寝れば良いのでは?」
「その手があったね。今度からそうするよ」

頭が良い殿下がこの程度の事を思い浮かばない訳がない。絶対わざとやっている。

「殿下?そろそろ離して頂かないと持続時間が測れませんよ?」
「そうだね。今日は色々と試したい事があるからね」

今日は何を殿下にすれば呪いが解く事が出来るのか?持続時間はどれくらいかを測る事にしていた。
ショタ王子の方が可愛くて天使で離れがたいが、苦しい王子を見るのは嫌だから呪いを解く為に俺は全面的に協力する。それにこれまでの俺や美優さんの不敬の数々もあるしな。
王子は俺から離れるとクローゼットに行き自分で服を着始めた。

「今日はスレーマンさんやジュリーが来ないですね?」

いつもなら俺達が起きたタイミングで支度の準備を手伝いに来てくれるのに今日は音沙汰がない。

「私が断ったんだ。食事の準備はお願いするけどそれ以外は待機して貰っている」
「何かあったんですか?」
「ふっ。今日は色々と試すからね。邪魔が入らない方が良いだろ?」

邪魔?スレーマンさんとジュリーは、俺たちの事情を唯一知っている従者だ。今更隠す様な事なんてあるのだろうか?

「見られるのが好きなら私は構わないけどね?」
「いえ、結構です!」

何の事か分からないが王子の笑みが黒いから良いことではない事は確かだ。



「おっ」

顔を洗ったり髪を整えている途中で殿下が元に戻ってしまった。

「え、早い!」

感覚だがキスした時より短いのではないだろうか?

「うん。ざっと30分位だね」

ガボガボの服を一生懸命捲っている王子が可愛い。手伝ってあげたい。だけど触れてしまったら検証にならないから我慢だ。

「よし、では三葉こちらに来て?」

ソファに座った殿下が俺を呼ぶ。俺は素直に殿下の隣に座った。今度は何を試すのだろうか?
ん?殿下が目をつぶって無言になったんだが。何だろうこれは?どうすればいんだ?
天使の顔をじっと見て固まってしまう。

「まだ?」
「え?あのー殿下?間違いでなければこれはキスをしろと言う事でしょうか?」
「ん?そうだよ?」

何を当たり前の事を?みたいな顔をされる。ショタ王子は、可愛くてついキスしてしまいたくなるが本当は年上の男性だと知っているとキスし辛い。
ってか、これはたから見たら俺変態じゃね?色々と俺の尊厳がヤバい気がする。

「王子は男同士でキスをする事に抵抗はないのですか?」
「ないと言ったら嘘になるけど、これは治療だし相手が三葉だから気にしてないよ」
「治療…」

確かに殿下の言う通りだ。変に捉えているのは俺だけだ。殿下はこの国の国王になるのが夢なのだ。その為に呪いを絶対解きたいだろう。しのごの言ってられないってやつか。
俺も出来ればアヒン殿下の呪いが解けて国王様になって欲しい。

「いきますね」

俺は覚悟を決め殿下にちゅっと唇を合わせた。そしてすぐ様離れる。
あれ?でも、キスだけなら昨日測ったよな?1時間だったはず。
キスをすると殿下の体が光り大きい殿下になった。

「殿下、キスの検証は昨日しましたよね?」

これって意味あるんですか?と言う意味を込めて大きい殿下に問う。

「うん。だから今日は…」
「うわっ」

殿下の膝に向かい合う様に抱き抱えられた。一応俺も男なんだが、軽々と持ち上げられ恥ずかしい。そして近い。

「あ、ん?」

近いと思ったらそのまま口を塞がれた。そしてぬるっと何か口に入ってきて体がびくっとなる。これって…俗に言うディープキス!?
前の世界で一度も経験出来なかったディープキスをまさか異世界で、男性と経験する事になろうとは。

「んっ…ふ…あ…ちゅ…や…でん…かぁ…」
「鼻から息をして?」
「んぁ…むぅ…りぁ…」

殿下の舌が俺の口の中を蹂躙する。何だこれ?凄い気持ちいい。奥から舌をねっとりと絡みとられ舌先を時々齧られる。舌以外にも歯の裏や、上顎をなぞられるとぞくぞくした。
殿下、普通にキス上手い。
殿下とのキスは、俺が呼吸困難になりかけた事で解放された。俺は肩で思いっきり息をし呼吸を整える。

「ふふ。可愛いね、三葉」

殿下、俺が初めてなのを分かっていてバカにしてる…でも、事実だから何も言えない。そもそも息が苦しくて何も反論できなかった。
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