鬼上司が俺の運命の相手って嘘ですよね？

日常の変化

22.

ぶわっと顔が熱くなる。

「ふ、可愛い」
頬を撫でられ至近距離で微笑まれる。神々しい。目が痛い。

「そろそろ、湊の気持ちを教えてくれないか？香奈に嫉妬して連絡を無視したのも、俺の気を引きたくて左手に触れたのも、2次会に行けないくらい俺の事に悩んで家で泣いていたのも全部期待して良いのか？」
親指で頬を何度もゆっくり擦られる。それが俺を大切にしてくれている様に感じてドキドキする。
もう部長には俺の気持ちがバレてる。それでも俺の口から聞きたくて待ってるんだろう。俺もちゃんと言わなきゃいけないと思っていた。この機会を逃したら次いつ勇気が出るか分からない。言え、言うんだ俺。

「っ、期待してっ…良いですっ。護さんの事好きですっ。護さんの事好きなんです」
感情が高まりポロッと涙がこぼれた。

「っ～～」
ぎゅうぅぅと部長に強く抱きしめられた。折れるくらい強い力なのに何故かもっとくっ付きたいと思ってしまう。

「俺も好きだ湊。ずっとずっと好きだった。愛してる」
一度体を離した部長に微笑まれる。心なしか目が潤っている気がする。
部長の言葉に胸が満たされる。ほんの少し前迄苦しかった胸が今は喜びて満ち溢れている。

俺の顔を見つめていた部長がちゅっちゅと顔に口づけを落とす。くすぐったくてでも嬉しくて自然と笑ってしまう。

「何で笑ってる？」
「へ？…幸せだから…です」
聞かれると思ってなくて変な声が出た。正直に答えると口を塞がれた。思ったより強く激しくて息が苦しい。

「んん…あ…まもるさ…っ」
「みなと…」
口の中を舌で蹂躙され溜めきれなかった涎が頬を伝う。
「ん…よだれ…」
「ん？あぁ」
「えっ！」
俺の涎に気づいた部長がべろっと涎を舐めた。

「なんだ？」
「あ、よく舐めれますね…」
「？こんだけ口の中で舐め合ってるのに何を今更言ってるんだ？」
「確かに…」
空気に触れたからといって何で汚いと思ってしまったんだろう。そしてそれを躊躇いもせずに舐めてくれた部長に嬉しくなる。

「集中しろ」
首筋を舐めていた部長に乳首を摘まれ体が跳ねた。そのままコリコリ、カリカリされ体が面白い様に反応する。
「敏感だな」
ふっと笑われ、かあっと顔に熱が集まった。
「これじゃあ、全部が性感帯なんじゃないか？」
「そんなこと…ありませんっ」
「それは残念だ」
部長の言葉を否定したが、触られる所全部に反応してしまい信憑性が全くない。

「やあっ！そこ、ダメっ！」
腕を上にして括られている為、露わになった脇をぺろぺろと舐められる。そんな所、嫌なのに甘い疼きが身体を走る。逃れられない快感に顔を振る。

「これはお仕置きだ。湊が嫌な事をしなきゃ意味ないだろ」
「そんな…あぁ！！」
「お仕置きなのに感じて悪い子だな」
しっかり反応している俺の下半身を見て意地悪く笑う。その顔が妖艶すぎてドキッとした。

「あっ…ごめんなさっ…」
俺はMなのだろうか？部長に意地悪されてどこか喜んでいる自分がいる事に気づいた。
脇を舐めていた顔が腹を通り臍までたどり着いた。臍の窪みに遠慮なく舌を入れられ、慣れない感覚に困惑する。変な感覚を逃したくて身体をよじるがしっかり掴まれ意味をなさない。

「やぁぁっ！そこっ変になるっ」
「なれよ」
上目遣いの部長と目があった。
「もっとおかしくなって俺に溺れろ」