小さなベイビー、大きな野望

春子

文字の大きさ
上 下
69 / 159

英才教育

しおりを挟む
リーサは母親から英才教育を施されてきた。
何を隠そう、マルクスやフランツの素晴らしさをだ。
だからこそ、二人の悪口を言われたり、書かれたりすると、怒りに満ちて、相手に攻撃する。
当のマルクスは、
「ベイビーが何をしようとも、可愛らしいもので、何をそんなに、いきり立つのか。わからないね?」
と擁護し、
フランツは、
「リーサの攻撃など、微々たるもの。何をざわついてるが、知らないが、リーサに何かしたら、私が敵に回ると、思え。」
怜悧な目付きで、相手を射殺す。
母であるツェリは、
「当然だわ。リーサだから、まだいいようなものよ?私なら、その体に、稲妻を走らせて、心臓を止めてやるわ?そうしたら、その減らず口も黙るでしょ?」
やりすぎだと思わない。

「ねえねえ。あれ、キャサリン・マガーでしょ?」
以前、写真を見たことがある。
特徴の無い顔つきではあるが、何となく、覚えていた。
「見ちゃだめ。」
御気に入りのカフェでキャサリン・マガーを発見した。
彼女は、レジで、持ち帰り用のコーヒーを頼んでいる。
ジオルクは、母たちの様子も伺う。
彼女はお喋りに夢中で気づいてない。ほっ。
「あのね。ジオルク。今度ね?フランツおじちゃんが合同訓練でね。かっこよく、戦うの。」
「新聞で見たよ。サンドブルクの灼熱のリヴァイと数年ぶりにらしいね?」
「そう。それ。あのね?」
耳打ちするリーサ。
ジオルクの顔が驚きに染まる。
しおりを挟む

処理中です...