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死神VSアウル《2》
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通信機器を弄る。ザザッと雑音が響くが、何とか、聞き取れる。
いくつか、仕込んでいる盗聴器だ。
『あー…可哀相に。何も説明せず…。よく、マリカがやる手だよ。特に面倒くさい相手に…あ!ゲホゲホ。』
チャーリーに仕込んでいる盗聴器だ。チャーリーには、事前に、隠れ家に行くように指示を飛ばしていた。
どうやら、あちらは、無事に着いたようだ。一安心。
もう一つの盗聴器を耳を済まして、聞く。
これは、苦労して仕込んだ警察内部の情報を集めるために、忍び込んで、つけたもの。
『エドワード・グリーン…』
エディの話題が上がったようだ。まあ、脅迫罪や暴力罪などキリがないほどの罪状はある。
しかしながら、みすみす、警察にくれてやるわけにもいかない。
『厄介なのは、側にいる…。』
そうだろうね。私がいたら、近寄れないし、捕まえることも出来ない。
阻止しちゃうから。
最後に盗聴器を仕込んだのは、出た、エバンズの家。
誰かしらの足音がする。何かを探ってるのか。
慌ただしい音。乱される家具やら物の破壊音。
「逃げたことがバレたな。意外と早いね。」
立ち上がる。
「エディ。エバンズが逃げたことがバレた。」
「意外と早かったな。…ビッチを上げるか。」
「家ごと燃やせれば良いんだけどね。」
「証拠隠滅に?」
「いらないものは、消去。大前提。」
同情していたら、何かを失う。
「爆薬なんて、意外と簡単に作れるし、ある程度の破壊力もつけられるしね。跡形もなく、消せるのは、やっぱ、爆発が一番。」
「爆弾魔の言い分。」
「あと、サツが、エディを捕まえようとしてるから、変装させる。少しすれば、エディに構う余裕はなくなるしね。さて、スピード勝負。」
「ストリート・ギャングのボスを捕まえたいのは、当たり前だけどな。」
「エディでそれなら、私は、どうなんだろうね。死刑はないから、永住に檻の中かね。まあ、私は、亡霊だから、告訴が出来るかもあやふやだけども。」
「偽装した身分のどれかを使えば、無理矢理、できるかもな。」
「檻の中から脱獄するけど。」
「ブハッ。」
エディは、パソコンを弄っている。
スピードが激しい。
「ジェイとナオは?」
「買い出し中。ナオにはサングラスをつけさせてるし、ジェイがいるなら、問題ない。」
「まあ、あっちは着いたみたいだし。あとは、細かいトラップやら何やらを仕込んで…。」
ピクッ。
ガチャッ。
「おまたせ。買ってきたよ。」
「ありがとう。ごめんね。」
「周辺は相変わらず。そっちはどうだ?」
「んー。概ね、順調。マリカが盗んできたデータを解読してるけど、まだ時間かかるな。あー。もうちっと、完備された奴がほしい。」
偽銘で、泊まっているホテルの一室。
「あの豚野郎から盗んできたデータで、取り敢えず、目についたものを掻っ攫ってきたの。どうもあいつ、相当野心家だったね。小物の癖に出し抜くために、リッチのクラブ・ボーイの献上金の一部とデータを運用してた。誰かを揺さぶって、金を巻き上げてるね。まあ、焼豚に変わったから、もう二度と出来ないだろうけど。その中に、薬のデータベースが入ったUSBメモリーを見つけた。大きな組織ほど、統括するのは、大変だよ。裏切りはつきものだからね。」
「長期間、お前を潜入させてたのは、悪かった。」
「気にしないでいいよ。潜入捜査は、苦手じゃないから。あと、これは、“リンドウ”のマム・ディナーから奪ってきたUSBメモリー。大半は趣味の悪い映像だったけど、これは、恐らく、ウォルス・ミードの内情が隠されてる筈。あいつもまた野心家だからね。ダミーのを置いてきたから、今はまだ多分、大丈夫。」
奪うのは得意だが、解析はエディ専門。
「隠れ家に行けば、設備充実してるから。その前に火の粉を打ち消さなきゃ。」
パキンっと買ってきてくれた炭酸水のボトルを開く。
「なぜ、猫一匹も私の前に引きずり出せない!?」
叱責する彼は、撃たれた弾の傷がまだ癒えず、治療を行っている。ベッドにいながら、部下に八つ当たり。
威厳あるニコラス・リッチは、今までにない、不祥事の後始末に追われており、組織内から詰問も受けてる有様。
追い詰めても、嘲笑うように、消えていく。
ホーキンスの館から盗まれたUSBメモリーも未だに回収は出来ず、かと言って、誰一人も、捕まえられない。
あの忌々しい死神が邪魔をしている。
私の猫を奪い、マシンガンを人に躊躇なく、撃てるあの様。
「どういう事か、説明しろ!!ベラトナ・ゴールドスタイン!!!」
キッと睨み、グラスを投げつける彼。
彼の前にはオドオドした茶髪のメガネをかけたソバカスがついた女性が、キョドりながら、画像を見ている。
「あいつは、本物の死神なんですよ。私の黒鶫が育て上げた殺戮マシーンですからぁ。」
忘れもしない。私の愛する黒鶫がただ一人、あの女を育てることに決まった時の屈辱。
絶対的存在で、誰も近寄らせない氷のように冷たく、無慈悲で、闇に染まる姿は尊く、影のように真っ黒な髪に瞳。長い手足に、優雅な身のこなし。彼は、誰もを魅了しつつ、組織内では孤高にいた暗殺者。
座ってるだけ、立ってるだけで、男も女も、擦り寄りたくなるフェロモン。
あの時、ボスが、命令し、黒鶫にあいつの教師になるとわかり、臓腑が煮える思いがした。
黒鶫に師事を受けたい子は、それこそ、大勢。彼の下に誰もつけないことだろうと暗黙の了解は無くなり、ワン・ツー・マンで受けている。
血に染まりながらも孤高に生きる貴方に纏わり付く、卑しい存在。同じく、嫉妬を向けた連中は、あいつに暗殺を仕掛けたり、罠を仕掛けたりしたが、敢え無く、失敗。
私は、ボスに言葉をかけられる立場にいなかった。だからこそ、文句すら言えず、歯痒い思いをさせられた。
今まで単独でいた彼は、教育という指導のために、あれを連れて回した。自分の任務や個人的鍛錬にまで。
ある時、我慢がならなかったときがある。
あれは、ある定例会の日。
『どうだ。黒鶫の下にいる気分は。』
恐れ多くも聞かれたボスにあの女は言った。
『何を期待してるかわかりません。』
表情一つ、変えずに答えた。
『楽しい日々だろう?』
『それは何を指して、言ってるのですか?』
『お前の喘ぐ姿は見物だな。』
『…。』
ピキッと青筋を立てていたが、ボスの手前、必死にコントロールしていたようだった。
『喘ぐ?』
『なんだ、お前、黒鶫に抱かれたのか?』
ギャハハハと笑うあの兄弟にからかわれている。
あ?!ボスの前で、ファイトが始まるが、黒鶫があの女を抑えた。
そんな光景よりも前に、喘ぐという単語が、電光石火のように脳裏に届き、思考を止まらせた。
あの女、愛しい私の黒鶫を穢した!?
はあああ!?
ギラギラと殺意が漲った。
「あの女は、私の黒鶫から、DK・DRを飲まされています。あれは、一種のドーピング。人体の活性化細胞を底上げし、疲労回復、傷の欠損の治癒を早め、肉体の強化。中毒性が無いのが、一番の売りでした。…。」
あれは、黒鶫の為に、作ったのだ。完成品に傷があってはならないと、完璧でいて欲しいと、私が長年の研究結果で、作った逸品。にも関わらず、彼は、拒否し、あまつさえ、あの女に与えた。しかも!!ありえないことに、彼は、あの女のために障害になりそうなメンバーを予め、片付け、組織の口座を彼女が受け取れるように、横流しをしていた。
ならばと、せめてと、彼の亡骸をと探したが、あの女、髪の毛一本すら、残さず、燃やしたのだ!!
あの最高で美しい彼を!究極体を。
「彼は、最高のデータバンクを持つ究極の暗殺者でした。あの死神ですら、手が出せない程の。」
私は、密かに、禁忌だった彼のサンプルを組織から、奪い、妹に託して、新しい生命の息吹として、造った。
「あの女を排除するには、彼と同じ素質を持つ者がいないと。」
下卑た顔を浮かべる彼女の陰に、表情一つ変えず、佇む少年が画像を眺めていた。
「そいつは使えるのか?」
「もちろん。彼から摘出したDNAを入れた完璧なクローン。
しかもBD・DRを飲ませています。忠実なる下僕。」
うっとりと眺める彼女。
少年の頬に触る。
「あの女を殺すのにうってつけです。」
昏い瞳をした少年は、一点を見つめる。
いくつか、仕込んでいる盗聴器だ。
『あー…可哀相に。何も説明せず…。よく、マリカがやる手だよ。特に面倒くさい相手に…あ!ゲホゲホ。』
チャーリーに仕込んでいる盗聴器だ。チャーリーには、事前に、隠れ家に行くように指示を飛ばしていた。
どうやら、あちらは、無事に着いたようだ。一安心。
もう一つの盗聴器を耳を済まして、聞く。
これは、苦労して仕込んだ警察内部の情報を集めるために、忍び込んで、つけたもの。
『エドワード・グリーン…』
エディの話題が上がったようだ。まあ、脅迫罪や暴力罪などキリがないほどの罪状はある。
しかしながら、みすみす、警察にくれてやるわけにもいかない。
『厄介なのは、側にいる…。』
そうだろうね。私がいたら、近寄れないし、捕まえることも出来ない。
阻止しちゃうから。
最後に盗聴器を仕込んだのは、出た、エバンズの家。
誰かしらの足音がする。何かを探ってるのか。
慌ただしい音。乱される家具やら物の破壊音。
「逃げたことがバレたな。意外と早いね。」
立ち上がる。
「エディ。エバンズが逃げたことがバレた。」
「意外と早かったな。…ビッチを上げるか。」
「家ごと燃やせれば良いんだけどね。」
「証拠隠滅に?」
「いらないものは、消去。大前提。」
同情していたら、何かを失う。
「爆薬なんて、意外と簡単に作れるし、ある程度の破壊力もつけられるしね。跡形もなく、消せるのは、やっぱ、爆発が一番。」
「爆弾魔の言い分。」
「あと、サツが、エディを捕まえようとしてるから、変装させる。少しすれば、エディに構う余裕はなくなるしね。さて、スピード勝負。」
「ストリート・ギャングのボスを捕まえたいのは、当たり前だけどな。」
「エディでそれなら、私は、どうなんだろうね。死刑はないから、永住に檻の中かね。まあ、私は、亡霊だから、告訴が出来るかもあやふやだけども。」
「偽装した身分のどれかを使えば、無理矢理、できるかもな。」
「檻の中から脱獄するけど。」
「ブハッ。」
エディは、パソコンを弄っている。
スピードが激しい。
「ジェイとナオは?」
「買い出し中。ナオにはサングラスをつけさせてるし、ジェイがいるなら、問題ない。」
「まあ、あっちは着いたみたいだし。あとは、細かいトラップやら何やらを仕込んで…。」
ピクッ。
ガチャッ。
「おまたせ。買ってきたよ。」
「ありがとう。ごめんね。」
「周辺は相変わらず。そっちはどうだ?」
「んー。概ね、順調。マリカが盗んできたデータを解読してるけど、まだ時間かかるな。あー。もうちっと、完備された奴がほしい。」
偽銘で、泊まっているホテルの一室。
「あの豚野郎から盗んできたデータで、取り敢えず、目についたものを掻っ攫ってきたの。どうもあいつ、相当野心家だったね。小物の癖に出し抜くために、リッチのクラブ・ボーイの献上金の一部とデータを運用してた。誰かを揺さぶって、金を巻き上げてるね。まあ、焼豚に変わったから、もう二度と出来ないだろうけど。その中に、薬のデータベースが入ったUSBメモリーを見つけた。大きな組織ほど、統括するのは、大変だよ。裏切りはつきものだからね。」
「長期間、お前を潜入させてたのは、悪かった。」
「気にしないでいいよ。潜入捜査は、苦手じゃないから。あと、これは、“リンドウ”のマム・ディナーから奪ってきたUSBメモリー。大半は趣味の悪い映像だったけど、これは、恐らく、ウォルス・ミードの内情が隠されてる筈。あいつもまた野心家だからね。ダミーのを置いてきたから、今はまだ多分、大丈夫。」
奪うのは得意だが、解析はエディ専門。
「隠れ家に行けば、設備充実してるから。その前に火の粉を打ち消さなきゃ。」
パキンっと買ってきてくれた炭酸水のボトルを開く。
「なぜ、猫一匹も私の前に引きずり出せない!?」
叱責する彼は、撃たれた弾の傷がまだ癒えず、治療を行っている。ベッドにいながら、部下に八つ当たり。
威厳あるニコラス・リッチは、今までにない、不祥事の後始末に追われており、組織内から詰問も受けてる有様。
追い詰めても、嘲笑うように、消えていく。
ホーキンスの館から盗まれたUSBメモリーも未だに回収は出来ず、かと言って、誰一人も、捕まえられない。
あの忌々しい死神が邪魔をしている。
私の猫を奪い、マシンガンを人に躊躇なく、撃てるあの様。
「どういう事か、説明しろ!!ベラトナ・ゴールドスタイン!!!」
キッと睨み、グラスを投げつける彼。
彼の前にはオドオドした茶髪のメガネをかけたソバカスがついた女性が、キョドりながら、画像を見ている。
「あいつは、本物の死神なんですよ。私の黒鶫が育て上げた殺戮マシーンですからぁ。」
忘れもしない。私の愛する黒鶫がただ一人、あの女を育てることに決まった時の屈辱。
絶対的存在で、誰も近寄らせない氷のように冷たく、無慈悲で、闇に染まる姿は尊く、影のように真っ黒な髪に瞳。長い手足に、優雅な身のこなし。彼は、誰もを魅了しつつ、組織内では孤高にいた暗殺者。
座ってるだけ、立ってるだけで、男も女も、擦り寄りたくなるフェロモン。
あの時、ボスが、命令し、黒鶫にあいつの教師になるとわかり、臓腑が煮える思いがした。
黒鶫に師事を受けたい子は、それこそ、大勢。彼の下に誰もつけないことだろうと暗黙の了解は無くなり、ワン・ツー・マンで受けている。
血に染まりながらも孤高に生きる貴方に纏わり付く、卑しい存在。同じく、嫉妬を向けた連中は、あいつに暗殺を仕掛けたり、罠を仕掛けたりしたが、敢え無く、失敗。
私は、ボスに言葉をかけられる立場にいなかった。だからこそ、文句すら言えず、歯痒い思いをさせられた。
今まで単独でいた彼は、教育という指導のために、あれを連れて回した。自分の任務や個人的鍛錬にまで。
ある時、我慢がならなかったときがある。
あれは、ある定例会の日。
『どうだ。黒鶫の下にいる気分は。』
恐れ多くも聞かれたボスにあの女は言った。
『何を期待してるかわかりません。』
表情一つ、変えずに答えた。
『楽しい日々だろう?』
『それは何を指して、言ってるのですか?』
『お前の喘ぐ姿は見物だな。』
『…。』
ピキッと青筋を立てていたが、ボスの手前、必死にコントロールしていたようだった。
『喘ぐ?』
『なんだ、お前、黒鶫に抱かれたのか?』
ギャハハハと笑うあの兄弟にからかわれている。
あ?!ボスの前で、ファイトが始まるが、黒鶫があの女を抑えた。
そんな光景よりも前に、喘ぐという単語が、電光石火のように脳裏に届き、思考を止まらせた。
あの女、愛しい私の黒鶫を穢した!?
はあああ!?
ギラギラと殺意が漲った。
「あの女は、私の黒鶫から、DK・DRを飲まされています。あれは、一種のドーピング。人体の活性化細胞を底上げし、疲労回復、傷の欠損の治癒を早め、肉体の強化。中毒性が無いのが、一番の売りでした。…。」
あれは、黒鶫の為に、作ったのだ。完成品に傷があってはならないと、完璧でいて欲しいと、私が長年の研究結果で、作った逸品。にも関わらず、彼は、拒否し、あまつさえ、あの女に与えた。しかも!!ありえないことに、彼は、あの女のために障害になりそうなメンバーを予め、片付け、組織の口座を彼女が受け取れるように、横流しをしていた。
ならばと、せめてと、彼の亡骸をと探したが、あの女、髪の毛一本すら、残さず、燃やしたのだ!!
あの最高で美しい彼を!究極体を。
「彼は、最高のデータバンクを持つ究極の暗殺者でした。あの死神ですら、手が出せない程の。」
私は、密かに、禁忌だった彼のサンプルを組織から、奪い、妹に託して、新しい生命の息吹として、造った。
「あの女を排除するには、彼と同じ素質を持つ者がいないと。」
下卑た顔を浮かべる彼女の陰に、表情一つ変えず、佇む少年が画像を眺めていた。
「そいつは使えるのか?」
「もちろん。彼から摘出したDNAを入れた完璧なクローン。
しかもBD・DRを飲ませています。忠実なる下僕。」
うっとりと眺める彼女。
少年の頬に触る。
「あの女を殺すのにうってつけです。」
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