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第12話

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村には、年齢差はあるものの、子供たちもたくさんいる。家の手伝いや仕事などを手伝ってる子達ばかりではあるが、グリードだけが、友達ではない。
現に、ジェレミー、ジャスバルと言う兄弟は、友達だ。貴族の名前みたいな名前をつけられてるが、正真正銘、平民の子供である。

ヘーゼルナッツの髪色と瞳でヤンチャ坊主が、ジェレミーで、同じ、ヘーゼルナッツの髪色と瞳で元気っ子の八重歯が特徴的な子がジャスバル。
ちなみに人間の兄弟だ。
「腰、いてー。」
「農民は辛いぜ。将来は、貴族に生まれてえ。」
鍬を持ち、畑を耕していたが、腰にくるものだ。
休憩中。
「よー。」
そこに、グリードとサヤがやって来た。同じく、畑仕事を終えてきた。
「来たか、同志。」
「かあちゃーん。終わったから、遊んで来ていいー?」
「日暮れまでには帰ってきな!」
二人の母であるセレナが、息子たちに言う。
「あ!あんたたち、帰ってくるついでに、グレモリーさんとこから、牛乳を買ってきて!頼んだよ!」
「えー!!!?」
「うっさい!!」
グレモリーの牛乳は確かに旨いが、力仕事だ。
樽で買うと、力仕事になる。
「チッ。荷車が必要じゃねーか。」
「なあ!グリードなら魔法でちょいちょいだろ?頼む。」
「はあ?俺に利がねーじゃん。」
「しょーがねえな。オヤジの愛読書を貸してやんよ!」
「もう一声。」
「ブトウジュース。」
「乗った!」
ビシッ。

「で、どこにいくよ?」
「サヤん家は?」
「かかが納期があるから、騒いだらダメ。」
工房に籠っている。お得意さんからの依頼らしい。
「じゃあ、グリードん家。」
「姉ちゃんがいなきゃ、行ってみるか。」
姉も、友達と遊ぶと行っていたが、行き先までは聞いてない。
とりあえず、グリードん家に向かう。

「母さん。うちにサヤたち、いれていい?」
「何。いいけど、あたし、出掛けるよ。クラリスもいないけど?」
「姉ちゃんがいないならいい。」
「汚すんじゃないよ。」
「お邪魔します!」
勝手知ったる家に入る。


オレンジジュースを入れてもらい、グリードの部屋で談話。
元々は、クラリスと同室だったらしいが、クラリスが、別の部屋にしたいといい、急遽、グリードの一人部屋が出来た。
「いいな。一人部屋。」
大抵は、子供部屋で共用である。
そんな広いお宅は珍しい。
「元は、荷物部屋だから狭い。」
確かに狭いかも知れないが、ベッドに簡易的な机は置けてる。窓もある。
「贅沢だよ。大抵は共用なんだから。」
「そうだぜ。俺らなんて、言っても、うるさいの一言で終わる。」
「うんうん。」
一人部屋は憧れである。平民の家では珍しい。子供は多いから余計、家の造り的に無理である。
あっという間に愚痴大会。





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