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第13話
しおりを挟む「来月に祭りがあるじゃん?何が出るかな?」
ジャスバルは、寝転がり、来月にある催し物に、考えを巡らせる。
「あれは食べたいよな。焼きそば。滅多に麺が手に入らないし、あんなに濃い味付けとあの香りはたまんねえ。」
ジェレミーがジュルリとヨダレを垂らす。
そうなのだ。焼きそばの麺が中々、手に入りづらいし、大きな町に行って、商会から奮発して、買うソースも村人からしたら高い。
「あいつ。どこまでいってんだっけ?」
あいつとは、村出身の商人で、ハルジオン商会の息子、ベン。
「確か、西の方に行ったとか聞いたような?」
「西の方ったら、なんだ?魚?」
「ベン、グリードが考えだみつ豆"とがアンコ"とか広めるために、大変らしいよ。ここらでのパニック、思い出しなよ。」
甘味に飢えている村人たちは、未知なる甘味に、群がった。
あれよあれよと村中に広まり、特に女性陣からの熱烈なオファーで、グリードは作り続けた。
目につけたハルジオン商会が、グリードと専用の契約を結んだ。
今では村の名物になってる。
「俺はあの日の地獄を忘れない。」
「…。」
グリードが死んだような目をするので、三人とも、とりあえず、合掌。
「まあ、気を取り直して、なんかあるといいよな。盛り上がるやつ。」
「歌を歌うとか?」
「楽団がいないと無理だろ?」
四人だらけながら、話す。
「型抜きとか、輪投げ?あとは、なんだ?射的?」
「何それ?」
娯楽に飢えた子供たちは、新しい遊びに飢えている。グリードのお陰で、三人は、昔から、グリードに教わる遊びで、暇を持て余さない。
「え?」
グリードは多分、知識にあったことを無意識に話してるだけだ。たまに父も同じようなことをする。異世界あるあるかも知れない。
「それだよ!なんだよそれ。」
「早くやろうぜ!」
「暑い!!!離れよ!!ギャー!!!」
のし掛かる友人たちに叫ぶグリードの声が空しく、響いた。
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