異世界転移したおっさんが、凡庸スキルで現実的に成り上がる

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第一章

金を稼ぎ、回復魔法を鍛える

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武器を新調し、回復魔法を覚えるためには金が必要だ。

しかし、高難易度の依頼に挑むにはまだ早い。
だから俺は堅実に稼ぐ方法を選んだ。

(とりあえず、ゴブリン討伐で数をこなして金を貯めるか。)

ギルドで受けられるゴブリン討伐依頼は、比較的安定した報酬が得られる。
危険度は低めだが、複数の個体に囲まれると危険なので油断はできない。

《ゴブリン討伐》

危険度:★★☆☆☆

報酬:1体につき銅貨40枚(魔石買取込み)

討伐数:無制限(多く狩るほど報酬が増える)

注意点:群れで行動することが多い


(できるだけ効率よく数を稼ぎつつ、回復魔法の訓練も進める……。)

俺は、森へと向かった。


---



森の中を進むと、すぐにゴブリンの気配を感じた。

「ギギ……」

木の陰から現れたのは、
短剣を持った緑色の小鬼。

(1匹か……。)

俺は剣を構え、魔力を練る。

「風よ、貫け――《ウィンド・ボール》!」

ズドンッ!!

風の球が唸りを上げ、
ゴブリンの胴体に命中。

「ギギャッ!!」

ゴブリンはバランスを崩し、よろめく。

その隙を見逃さず、俺は一気に間合いを詰める。

「はあっ!!」

ザシュッ!!

剣がゴブリンの首元を裂き、
そのまま地面へ倒れ込む。

(よし、1体目討伐。)

俺は魔石を取り出し、
次の獲物を探す。


---



こうして、1週間かけてゴブリン討伐を繰り返した。

1日10体を目安に狩り、
合計で70体。

討伐報酬:銅貨2800枚(銀貨28枚)

(これだけ貯まれば、武器や防具を新調できるな。)

しかし、並行してやっていた回復魔法の修行は――

全然うまくいかなかった。


---



「……くそ、やっぱり簡単にはいかねぇか。」

戦闘魔法と違い、
回復魔法は対象の体に魔力を流し込む技術が必要。

だが、どうやっても魔力が**"治癒の力"**へと変換されない。

神官によると、
「回復魔法は"傷を塞ぐ"という明確なイメージが必要」らしい。

(だが、俺は医学の知識なんてねぇんだよな……。)

治癒の力を引き出せないまま、
俺は数日間もがき続けた。


---


「……そういえば、傷の治り方ってどうなってたっけな……。」

ふと、地球での知識が蘇る。

傷ができると、血小板が集まって傷口を塞ぐ。

次に、白血球が細菌を排除し、細胞が再生される。

最後に、組織が修復されて完全に治る。


(……そうか。"体の再生"を意識すればいいのか。)

俺はもう一度、魔力を手に集め、
**「傷が修復されていくイメージ」**を思い浮かべながら流してみた。

すると――

「……!」

魔力の流れが、今までとは違う感覚になった。

淡い光が灯り、
俺の手のひらに回復魔法の気配が宿る。

(これだ……!)


---



俺は試しにギルドへ行き、
傷を負った冒険者たちに声をかけた。

「お前、回復魔法を練習してるのか?」

「まだ未熟だけどな。……試してみてもいいか?」

「まぁ、ダメ元でやってみろよ。」

そう言って、傷を負った腕を見せる冒険者。

俺は、今度こそ明確なイメージを持ちながら魔力を練る。

「治癒せよ――《ヒール》」

手のひらから温かい光が生まれ、
冒険者の腕に流れ込んでいく。

「おっ……!」

傷口が、徐々に塞がっていく。

完全に元通りとまではいかないが、
明らかに回復が早まっていた。

「すげぇな、お前……!」

俺は冒険者たちに"練習台"になってもらいながら、回復魔法を鍛えることになった。

こうして、俺は徐々に回復魔法の精度を上げていく。


---


武器と防具を新調し、
回復魔法も使えるようになった俺は、
次なる挑戦へと向かう。

(そろそろ、もう一段階強い敵に挑んでみるか……。)



ゴブリン狩りで稼いだ**銀貨28枚(銅貨2800枚)**を持って、
俺は再び武器屋へ向かった。

「よう、また来たのか。今度はまともな装備を買うつもりか?」

店主は俺のボロボロになった剣と防具を見て、苦笑いを浮かべる。

「ああ。剣と防具を新調したい。」

「予算は?」

「銀貨28枚だ。」

「ふむ……なら、まともな物が買えるな。」


---

〈購入候補〉

1. 武器
 - 鉄製のロングソード(銀貨18枚)
  →今まで使っていた短剣よりもリーチが長く、攻撃力も上がる。
 - 鋼鉄のショートソード(銀貨20枚)
  →剣の強度が上がり、刃こぼれしにくい。
 - 軽量のスピア(銀貨22枚)
  →突き攻撃が得意な武器。リーチを活かせる。


2. 防具
 - 革の強化ジャケット(銀貨8枚)
  →今までより防御力が少し向上。
 - 簡易チェインメイル(銀貨10枚)
  →物理攻撃に対して防御力が高いが、少し重い。
 - 軽装レギンス(銀貨5枚)
  →動きやすさを重視した軽防具。




---

(どうするか……。)

俺は悩んだ末、
「鋼鉄のショートソード」と「革の強化ジャケット」を選んだ。

(まだ動き重視でいく。今は軽装で素早く戦うのがベストだ。)


---

2. 新たな依頼を受ける

装備を新調し、
俺はギルドへ向かった。

カウンターで、カリンが出迎える。

「今日はどの依頼をお探しですか?」

「そろそろ、ゴブリンより強い相手に挑みたい。」

「そうですね……では、こちらの依頼はいかがでしょう?」

カリンが差し出した依頼書を読む。


---

《オーク討伐》

危険度:★★★☆☆

報酬:1体につき銀貨5枚(魔石買取込み)

討伐数:最低2体以上

注意点:筋力が強く、武器を使用することが多い。



---

(オークか……。)

オークはゴブリンよりも遥かに強く、
力もあるため正面からぶつかるのは危険だ。

(でも、回復魔法もあるし、今の俺ならいけるはずだ。)

「これを受ける。」

「わかりました。お気をつけて。」

カリンに見送られ、
俺はオークが出没するという西の丘陵地帯へ向かった。


---



オークが生息するのは、
森の外れにある丘陵地帯だった。

ここは木々が少なく、
見渡しが良い地形。

しかし、足場が悪く、油断すればバランスを崩すこともある。

(戦う場所を考えながら動かないとな……。)


---

しばらく歩いていると、
低く響く咆哮が聞こえた。

「グォォ……」

(いたな……!)

岩陰に身を潜め、
様子を伺う。

2体のオークが、
獲物を探すように周囲を見回していた。

オークはゴブリンとは比べ物にならない巨体を誇る。
平均して2メートルを超え、
分厚い筋肉に覆われている。

手には、
巨大な棍棒や剣を持ち、武装していることが多い。

(まともに正面から戦えば、一撃でやられるかもしれないな……。)

まずは1体を確実に仕留める。
そして、もう1体と戦う余裕を作る。

俺は、先手を取ることにした。


---



俺は、魔力を練り、
風の流れを手に集める。

「風よ、刃となれ――《ウィンド・スラッシュ》!」

シュバァッ!!

風の刃が飛び、
オークの背後を斬り裂く。

「グォァァッ!!?」

突然の攻撃に、
オークはのけぞるように仰け反った。

(今だ!!)

俺は素早く駆け寄り、
鋼鉄のショートソードを振るう。

ザシュッ!!

鋭い刃が、
オークの脇腹を深く切り裂く。

「グガァッ……!!」

オークはよろめき、
そのまま倒れ込んだ。

(よし、1体目撃破……!)

しかし――

もう1体のオークが、
すでにこちらへ向かってきていた。

(くそ、やっぱり気づかれたか!)


---



「グォォォッ!!」

オークは、
巨大な棍棒を振り上げ、
俺めがけて振り下ろしてきた。

ズガァンッ!!!

土煙が舞い上がり、
地面がえぐれるほどの衝撃。

(当たったら即死レベルだな……!)

俺は素早く横へ跳び、回避する。

「風よ、我に力を――《ウィンド・アクセル》!」

ズバァッ!!

風の加速を使い、
一気にオークの懐へ潜り込む。

「はあっ!!」

ズバァッ!!

剣が、オークの脇腹を斬る。

しかし――

「グォッ!!」

オークは怯まず、
拳を振り下ろしてきた。

ドガァッ!!

(しまっ……!)

拳が肩に直撃し、
俺は地面に叩きつけられた。

「……ぐっ……!」

肩が焼けるように痛む。

(……やばい、深く入った……!)

オークは追撃を狙い、
再び棍棒を振り上げる。

(ここで終わるわけにはいかねぇ!!)

俺は、
初めて戦闘中に回復魔法を使った。

「癒せ――《ヒール》!」

じんわりとした光が肩に集まり、
傷口が塞がっていく。

(まだ痛みはあるが、動ける……!!)

「お返しだ!!」

俺は、渾身の一撃を込めて剣を振り抜いた――。


---


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