スマホ片手に異世界ライフ! ~神様のアプリで無敵冒険者~

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第1章

拘束。

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――微かな光が、まぶたを叩いた。

「……ん……」

重たいまぶたを開けた瞬間、天井の木目が視界に入った。

ゆっくりと起き上がろうとしたが、右腕が引かれる感触――
そこで、ガチャリという金属音が耳に届いた。

「……っ、は?」

視線を下げると、右手首に金属製の手錠がかかっており、ベッドの枠に繋がれていた。

「……捕まった、ってことか」

目覚めた場所は見覚えのない小さな診療所。
だが、壁に掲げられた騎士団の紋章と、窓の外の風景――
ここが騎士団詰め所の一室であることはすぐに察せられた。

(……無茶して暴れたわけでもないし、捕まる理由は……いや、あったか)

昨日のことが一気に脳裏に蘇る。

街中で暴走する異形の怪物。
広場での激闘、吹き飛ばされながらも戦い続けたこと。
最後は、騎士団の団長バルト・ヘイスが両腕を斬り落とし――

(あの後、俺は……倒れたんだな)

重い空気の中で、ガアラはひとつ息をついた。

(力が……足りなかった。リィナも、周りの人間も……守れたけど、それは限界ギリギリだった)

「ステータスオープン――」

声に出して呼びかけると、半透明のステータスプレートが現れる。


---

【ステータス:ガアラ】

レベル:23
HP:1440
MP:480
筋力:210(基礎90 + 剛力Lv6[+120])
魔力:100
敏捷:115
器用さ:74
知力:62
運:45

◆スキル一覧
HP回復量増加:Lv7
剛力:Lv6(筋力+120)
剣術:Lv7
予測回避:Lv4
隠密:Lv1

---

(……レベルが上がってる。スキルも伸びてる)

昨日の戦いが、確実に己を強くした実感がある。

だが――

「……スマホが、ない」

それに気づいた瞬間、全身に冷たい汗が走った。

ポケットにも、ベッド脇のテーブルにも、どこにも見当たらない。
パートナーであり、最大の武器であり、指示者であった“あれ”がない。

「くそ……これはマズい……!」

ガアラは体を起こそうとするが、手錠が邪魔して自由にならない。

ドン――と、扉がノックもなく開かれた。

入ってきたのは、昨日見た顔だった。

バルト・ヘイス騎士団長。
あの鋭い視線と無精ヒゲの風貌をそのままに、重厚なブーツ音を響かせて歩み寄ってくる。

背後には副官らしき女騎士と、記録係と思しき男が控えている。

「ようやく目を覚ましたか、“剣士ガアラ”」

バルトの声は低く、だが責めるような響きはなかった。

「まずは礼を言う。昨日、お前がいなければ……広場の被害はもっと甚大だった」

「……だったらこの手錠、外してくれないか?」

「いや、それはまだだ」

バルトは視線を逸らさず、重々しく言う。

「お前が“何者”なのかを、きちんと確かめるまではな」

――緊張が、室内を満たしていた。

 

「……お前は、どこから来た? 街に現れる以前の足取りが、まったく掴めない」

バルト団長の声が、部屋に静かに響く。

「冒険者登録は確認できた。だが、街の入り口で見た者がいない。
出身地も、旅の経路も、証明がない」

ガアラはベッドの上、手錠に繋がれたまま、無言で団長を見つめていた。

「名前も素性も、記録にない……。――お前は、一体何者だ?」

静かな声に、重みがある。

だが、今のガアラの思考は、別のことでいっぱいだった。

(スマホ……どこだ。どこに行った……?)

焦りが全身を走る。
リュックにもポケットにもない。それどころか、この部屋にも、感じない。

まるで、体の一部を剥がされたような感覚。
あの黒いガラスの板は、ただの道具ではない。
この異世界を生き抜くための、命綱だった。

(壊れない。なくさない……)

そう、“あの声”が言っていた。
なら、呼べるはずだ。届くはずだ。

 

「……スマホ、来い」

声に出して言うと、団長の眉がわずかに動いた。

「何を……?」

「――戻って来い、スマホ!」

その瞬間だった。

右手の手首の上。手錠の金属の中で、空気が震えた。

「……っ!?」

光。
淡く、青白い積層魔法陣が、手のひらの上に浮かび上がる。

魔導紋様が複数重なり、回転し、粒子のように光を散らす。

「これは……!」

バルト団長が、思わず立ち上がる。

 

【パシュッ!】

光の中心から、何かが現れた。

黒く細長い、平らな板――
スマホが、いつもの無機質な電子音と共に、現れた。

同時に、手首の手錠が焼き切れるようにパキンと音を立て、砕けた。

「……やっぱり、戻ってきたな」

ガアラは静かに、それを握り締めた。

温度、重さ、振動――すべてが、確かだった。

 

団長は動けずにいた。

「何だ今のは……あれが、貴様の“正体”か?」

「違う。こいつは俺の“武器”だ」

ガアラはスマホの画面を見つめる。

画面が点灯し、メール通知が届いていた。

 

> 【新規メール】
件名:なし
内容:
『団長に伝えろ。
“アイリスの真実が知りたければ、俺を無罪放免にしろ”と。』



 

(……アイリス?)

ガアラは団長の顔を見た。

「……言えってさ。“アイリスの真実が知りたければ、俺を無罪放免にしろ”って」

静かに、だが確かに。

その言葉を聞いた団長の目が、わずかに見開かれた。

「……アイリスの……何を……」

目の奥に、一瞬だけ浮かんだ迷いと、怒り、そして何かを押し殺すような色。

 

「……いいだろう」

しばしの沈黙ののち、バルトは呟くように言った。

「無罪放免とする。ただし、お前の行動には、引き続き監視がつく。――それで文句はあるまい?」

「構わない」

スマホをポケットにしまいながら、ガアラは小さく頷いた。

(……アイリス、って誰だ?
でも、団長のあの反応――この名前には、何かある)

 

部屋の扉がノックされ、副官が顔を出す。

「団長。広場の封鎖が解除されました。民衆の不安は沈静化しつつあります」

「……わかった。彼を自由に。だが目は離すな」

副官は軽く頷き、手錠の鍵を外すために近づいたが――

「もう切れてる。焼けてな」

団長が一言つぶやいた。

 

部屋を出たあとも、スマホはガアラの手の中で静かに光っていた。

(“アイリス”。一体誰なんだ?)


---

鉄の手錠が外され、ガアラは詰め所の扉をくぐって外に出た。
夕陽が傾きかけ、空が赤く染まりかけている。

「……やれやれ、ようやく自由の身か」

と、その瞬間――

【ピピッ】

スマホが震えた。
画面には、あの“例の文体”で、通知が届いていた。

> 【至急:団長とともに、以下の座標へ向かえ】
地点:グラース郊外・第3区画花畑奥の小屋



(またかよ……。今度は、団長と?)

背後で詰め所の扉が開く音がする。振り向くと、無骨な鎧姿のバルト団長が立っていた。

「……さっきのはなんだった?」

「ちょうどいい。あんたも一緒に来てくれ。……こっちからじゃなくて、神様の“指示”なんだとさ」

「神、だと……?」

眉をしかめる団長に、ガアラはスマホの画面を見せた。そこには地図とルート、座標情報が表示されている。

「信じるかどうかはともかく――“知っておいた方がいいこと”が待ってる。
……あんたに関係のある名前も、出てきた」

「……アイリスか」

ガアラは黙って頷いた。

しばしの沈黙ののち、バルトは低く言った。

「……案内しろ。行く」

 

グラースの街を抜け、郊外の細道へ。
地図に従い、小高い丘と草地を越えていく。

やがて――

花の咲き乱れる奥に、小さな木造の家が見えた。

「あそこか」

「ああ。ここに住んでる女の名前が――アイ、って言うそうだ」

バルトの瞳が、わずかに揺れる。

しばらく黙ったまま、団長は歩みを進める。

近づくほどに、過去の記憶が蘇るのか、顔に緊張の色が浮かぶ。

ふたりが立ち止まったその瞬間――

玄関の戸が開いた。
中から出てきたのは、腰までの銀髪を揺らす女性。
年齢は30代前半。だがその雰囲気は、どこか“貴族の気品”を残していた。

「……」

彼女がこちらに気づき、静かに立ち止まる。

バルトが、息を呑む。

「……アイリス、様……」

女性が微笑んだ。

「団長。……生きていらしたのですね」

その声を聞いた瞬間、バルトはわずかにうつむいた。

「――生きて、いたんだな。あの日……死んだって、聞かされていたのに」

「私も、あなたにはそう伝えてくれるよう頼みました。
そうしなければ、あの場から逃れる術はなかったのです」

バルトは何も言えなかった。

その背中を、ガアラは静かに見つめていた。

彼の胸に、いくつもの後悔と安堵が交錯しているのが分かったからだ。



帰り道

無言のまま歩くバルトに、ガアラは一言だけ問う。

「……これでよかったんだよな?」

「……ああ。
俺は“正義”なんて言葉は信じない。だが――
あいつの“笑顔”が、あれで正しかったのなら……それが答えだろう」

どこか肩の力が抜けたような団長の声。

それが、ひとつの過去に幕を下ろす音だった。

 
帰り道の途中、花畑を越えて森の小道を抜けたあたりで、バルト団長の足が止まった。
周囲には誰の姿もなく、ただ風が草を揺らしているだけ。

彼は空を見上げ、ポツリと呟いた。

「……守れなかった。
あの時、あいつの手を取ってやることができなかった……
いや、逃げたんだ。王宮から、責任から、そして――あいつ自身から」

ガアラは、黙って立ち止まり、肩越しに振り返る。

「……でも、生きてた。あんたが“信じてた”通りに」

バルトの肩が、小さく震えた。
それが――“言葉にならない想い”の始まりだった。

「……っ……!」

その目から、ぽろりと涙がこぼれた。
誰にも見せたことのない、無骨な騎士の“弱さ”だった。

「すまない……ありがとう、ガアラ……本当に、ありがとう……!」

震える声に、感情が滲む。
目を伏せながらも、バルトはこぶしを握り締め、懸命に立っていた。

ガアラは少しだけ間を置いて、静かに言葉を返した。

「俺は……指示通りに動いてるだけさ。
あんたがどう感じたとしても、俺がしたのはただ、“示された道”を歩いただけ」

バルトはガアラの方を向き、静かに問い返す。

「……神様の“指示”とやらは、いつもこんなふうに……人の心を揺らすものなのか?」

「わからない。けど……“あんたに見せろ”って言われた。
それが、この“今”に繋がってる」

 

しばらくの沈黙のあと、バルトはふっと笑った。

「そうか……なら、俺は“今”を信じる。
過去は取り戻せない。けど、あいつが生きてるこの世界は、少しだけ……救われてる」

そう言って、バルトは涙を拭い、いつものように背筋を伸ばした。

「ありがとう、ガアラ。お前がいなかったら、俺は……あいつの笑顔を見ることすらなかった」

ガアラは、目を伏せたまま、わずかに肩をすくめて見せた。

「礼を言われるようなこと、した覚えはないんだけどな」

「……だからこそ、礼を言うんだよ」

 

ふたりは、もう何も言わず、再び並んで歩き出した。
夕陽の色が、彼らの背中を静かに照らしていた――。


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