異世界転移して最強のおっさん……の隣に住んでいる。

モデル.S

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第1章

剣術道場

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バルトとティナを本格的に鍛えるため、王都で評判のいい剣術道場を探すことにした。

 一番手っ取り早いのはギルドの情報網だ。

 俺はギルドのカウンターへ向かい、受付嬢に声をかける。

「剣術を学べる道場を探しているんだけど、どこかいい場所はあるか?」

「剣術道場ですか? それでしたら、いくつか王都内にありますよ」

 受付嬢は慣れた様子で、ギルドの情報記録をめくりながら説明してくれた。

---

①《グレイス流剣術道場》(基礎から応用まで幅広く教える)

王都でもっとも歴史のある道場で、多くの冒険者が通っている。

剣の型や基礎から、応用技術まで指導が行き届いている。

幅広い武器の訓練が可能。


②《鉄虎塾(てっこじゅく)》(実戦向けの剣術を叩き込む)

もともとは傭兵向けの訓練所だったため、実戦に即した戦い方を教える。

厳しい訓練で知られており、肉体的な負荷も大きい。

防御よりも攻撃特化の指導が多い。


③《銀風館(ぎんぷうかん)》(軽快な動きの剣術を教える)

速度と回避を重視した剣技を習得できる。

軽装の冒険者や、魔法剣士向けのスタイルを学べる。

回避とカウンターを中心にした戦闘スタイルを推奨。



---

「それぞれの道場で特徴がありますね。どの道場に行くか決めますか?」

 受付嬢が微笑みながら尋ねる。

 俺は考える――。


---

どの道場にするか?

①《グレイス流剣術道場》(バランスよく剣技を学べる)

剣の基礎から応用までしっかり学べる。

バルトとティナのどちらにも適した指導が受けられる。

道場の格式も高く、実績がある。


②《鉄虎塾》(バルト向け、実戦重視)

バルトの両手剣スタイルに特化した実戦訓練ができる。

厳しい訓練が求められるが、即戦力になる技を身につけられる。

ただし、ティナには合わないかもしれない。


③《銀風館》(ティナ向け、回避とスピード重視)

ティナの素早い戦闘スタイルに向いている。

軽快な剣技やカウンター技術を学べる。

ただし、バルトには向いていない。


「どの道場にしますか?」


俺は少し考えた後、受付嬢に答えた。

「《グレイス流剣術道場》にする。バルトとティナ、二人とも剣の基礎からしっかり学べる道場がいい」

「かしこまりました。《グレイス流剣術道場》は王都でもっとも実績のある道場です。初心者から上級者まで、多くの冒険者が学んでいますよ」

「場所は?」

「王都の中央区、商業区の北側にあります。道場主のグレイス師範は、元王国騎士団の剣士で、非常に優秀な指導者です」

「なるほど、頼もしそうだな」

「ええ、ただし、月謝は銀貨10枚かかります。入門費は免除ですが、毎月の訓練費用が必要ですので、その点はご承知おきください」

「問題ない」

 俺は迷わず答えた。

「……お前、金持ちすぎねぇか?」

 バルトが呆れたように言った。

「いや、俺が出すのは当然だろ。お前らが強くなるための投資だ」

「うおお……なんか悪いな!」

「……ありがとう」

 ティナも静かに頭を下げた。

「じゃあ、行くぞ。早速入門手続きを済ませる」




 王都中央区の商業区から北へ歩くと、重厚な造りの道場が現れた。

 立派な門構えの上に、「グレイス流剣術道場」と大きく掲げられている。

「ここか……」

「すげぇな、思ってたよりデカいぞ」

「……立派」

 門をくぐると、すでに数十人の門下生たちが木剣を振るい、訓練しているのが見えた。

「よし、受付を済ませよう」

 俺たちは道場の中へ進み、入門の手続きを行った。

「入門希望だな?」

 案内してくれたのは、道場の責任者の一人と思われる壮年の剣士だった。

「二人を頼む」

「うむ、分かった。では、早速だが……まずは剣の適性を見るための試し打ちをやってもらう」

「試し打ち?」

「基礎的な素振り、攻撃の感覚、そして受けの技術を見せてもらう。これでどのレベルから指導を始めるか判断する」

「なるほど」

 俺は二人を見て頷いた。

「バルト、ティナ、やってみろ」

「おう! いっちょやってやるか!」

「……うん」



 まず、バルトが前に出る。

「両手剣か?」

「はい!」

 バルトは道場から借りた訓練用の大剣を握りしめる。

「よし、木人(もくじん)を相手に攻撃を振るえ」

 道場の奥から、簡単な木製の訓練人形が運ばれた。

 バルトは気合を込め、一気に振り下ろす――!

「はぁっ!!」

ズバァァン!!

 強烈な一撃が木人に命中する。

 衝撃で木人が揺れ、周囲に風が巻き起こるほどの威力だった。

「おお……力は十分だな」

 師範も感心したように頷く。

 だが、その直後――。

「ほう……だが、二撃目が遅いな」

「えっ!?」

 師範が軽くバルトの剣を避け、木剣でバルトの脇腹を小突く。

「ぐぉっ!? い、いつの間に……!」

「お前の問題点はこれだ。一撃の威力は優れているが、次の動作への移行が遅い」

「ぐぅ……!」

 バルトは歯を食いしばる。

「お前にはまず、"連続攻撃の基本"と"無駄のない動作"を教える必要があるな」

「……お願いします!」



「次は君だな」

「……はい」

 ティナが短剣を握りしめる。

「短剣か……では、まずは振ってみろ」

 ティナは構え、素早く短剣を振るう――が。

「……少し待て」

 師範が彼女を止めた。

「君、相当な膂力を持っているな?」

「……え?」

「短剣は素早さと精密さを活かす武器だが、君の動きは"片手剣向き"だ」

 ティナは自分の手元を見つめる。

「力の加減が難しくないか?」

「……うん。少し……難しい」

「では、試しに片手剣を握ってみろ」

 道場の師範が、訓練用の片手剣をティナに渡す。

「……これなら、しっくりくる?」

 ティナが片手剣を振るうと、その動きはさっきより遥かにスムーズだった。

「やはりな。君には片手剣の方が合っている。攻撃も受けも、より安定するはずだ」

「……うん、試してみる」

 ティナは納得し、片手剣での訓練を始めることになった。




「二人とも、正式に道場生として受け入れよう」

 師範の言葉に、バルトとティナは緊張しながらも嬉しそうに頷いた。

「よし、これから本格的な剣術修行が始まるぞ!」

 俺は彼らの成長を見届けながら、次の計画を考える――。

(さて、家の管理も問題だし……やはり、家政婦が必要だな)
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