青春ラブコメと無関係な世界

涼雪 涼

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城桜七乃はデートに憧れる

デートの結末

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 あの城桜の例えばなしを聞いてから、モヤモヤとした気持ちが心にわだかまるの感じた。

 時刻は午後の六時。水族館を出て今は電車の中にいる。各駅停車の電車に乗っているせいか人はまばらで、特に俺達のいる車両は俺達以外誰も乗っていない。

 本当の言葉を俺はどうするのか、そればかり頭の中をぐるぐる回って繰り返す。俺に問いかけるだけで要領を得ない。

「どうした?お主先程から元気がないではないか」

 原因は貴方ですけどね、という言葉を飲み込んで横に座る城桜をチラと見る。

 やはり、城桜を観察するも俺が好きだという行動も表情もしていない。見た目上だが。

「お前って意外とポーカーフェイスなんだな」

 「そうでもないぞ?儂も面によく出す故にいつも会長に負けるのじゃ」

「負ける?何に?」

「トランプでの。今のところ百二試合中百二敗じゃ」

 意外に負けず嫌いなのか、こいつ。

「ところでの、水族館でのことじゃが儂はお主のことは好かぬぞ?」

 ふいと顔を背ける城桜。

「友人としては、な」

 ボソリとなにかつぶやく。よく聞こえなかった。

「え、今なんて」

「何にも、じゃ」

 電車の窓から見える夕焼けは、城桜の顔を照らし朱に染まっている。それは果たして、城桜が赤いのか、夕焼けで赤いのかは判別できなかった。


   ○   ○   ○



 暫くして電車を降り、駅を出る。

「今日は楽しかったのう」

 かけている眼鏡を外してにこやかに笑う。何故か少し寂し気な笑いだ。

「最後の締めといくかのう」

 最後の、締め。男が、異性が好きだということを見張っている親衛隊に見せつける為に。手をつなぐ?それくらいしか思いつかない。

「やはり儂は意地悪じゃ」

 そう言って城桜は俺の頬に、

 キスをした。

「………は?」

 まずい。これはまずい。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!

 俺が焦る理由はただひとつ。親衛隊からの、糾弾。それは即ち、いじめにつながる。

「大丈夫じゃよ。お主がいじめられたら誰もお主とは話さぬ。話し相手は儂がなってやろう?」

「最初、から、これが目的、だってのか」

「そうじゃ。お主を独り占めしたい。独占したい。ただそれだけの為にお主にデートを申し込んだ」

 声が震えるのがわかる。何故だ?怒りでも悲しみでもない。何故こんな訳の分からない気持ちになる?

 何故?分からない。分かるだろ?分からない分かりたくない!分かってるくせに。わからな

ーーーーーーいい加減にしろよ?お前はとうの昔に味わっているだろ?取嶺結汰。

 喪失感だよ、バァーカ。

 自分が自分を笑い馬鹿にする。

「それに、いるのは親衛隊などではないぞ?いるのは」

 俺に抱きつき、耳元て囁く。

「臥京生徒会長、じゃ」

 その瞬間、俺は気付いた。いや、気づかないフリをしていたのか。あの河鷺 昴莉かわさぎ こうりの件について、だ。あの犯行は推測通り、犯人は

「城桜、お前だったのか」

 うふ、と笑い城桜は俺から離れる。そして、

「また明日、結汰」

 そう言い残し、帰っていった。

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