11 / 19
城桜七乃はデートに憧れる
デートの結末
しおりを挟む
あの城桜の例えばなしを聞いてから、モヤモヤとした気持ちが心にわだかまるの感じた。
時刻は午後の六時。水族館を出て今は電車の中にいる。各駅停車の電車に乗っているせいか人はまばらで、特に俺達のいる車両は俺達以外誰も乗っていない。
本当の言葉を俺はどうするのか、そればかり頭の中をぐるぐる回って繰り返す。俺に問いかけるだけで要領を得ない。
「どうした?お主先程から元気がないではないか」
原因は貴方ですけどね、という言葉を飲み込んで横に座る城桜をチラと見る。
やはり、城桜を観察するも俺が好きだという行動も表情もしていない。見た目上だが。
「お前って意外とポーカーフェイスなんだな」
「そうでもないぞ?儂も面によく出す故にいつも会長に負けるのじゃ」
「負ける?何に?」
「トランプでの。今のところ百二試合中百二敗じゃ」
意外に負けず嫌いなのか、こいつ。
「ところでの、水族館でのことじゃが儂はお主のことは好かぬぞ?」
ふいと顔を背ける城桜。
「友人としては、な」
ボソリとなにかつぶやく。よく聞こえなかった。
「え、今なんて」
「何にも、じゃ」
電車の窓から見える夕焼けは、城桜の顔を照らし朱に染まっている。それは果たして、城桜が赤いのか、夕焼けで赤いのかは判別できなかった。
○ ○ ○
暫くして電車を降り、駅を出る。
「今日は楽しかったのう」
かけている眼鏡を外してにこやかに笑う。何故か少し寂し気な笑いだ。
「最後の締めといくかのう」
最後の、締め。男が、異性が好きだということを見張っている親衛隊に見せつける為に。手をつなぐ?それくらいしか思いつかない。
「やはり儂は意地悪じゃ」
そう言って城桜は俺の頬に、
キスをした。
「………は?」
まずい。これはまずい。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
俺が焦る理由はただひとつ。親衛隊からの、糾弾。それは即ち、いじめにつながる。
「大丈夫じゃよ。お主がいじめられたら誰もお主とは話さぬ。話し相手は儂がなってやろう?」
「最初、から、これが目的、だってのか」
「そうじゃ。お主を独り占めしたい。独占したい。ただそれだけの為にお主にデートを申し込んだ」
声が震えるのがわかる。何故だ?怒りでも悲しみでもない。何故こんな訳の分からない気持ちになる?
何故?分からない。分かるだろ?分からない分かりたくない!分かってるくせに。わからな
ーーーーーーいい加減にしろよ?お前はとうの昔に味わっているだろ?取嶺結汰。
喪失感だよ、バァーカ。
自分が自分を笑い馬鹿にする。
「それに、いるのは親衛隊などではないぞ?いるのは」
俺に抱きつき、耳元て囁く。
「臥京生徒会長、じゃ」
その瞬間、俺は気付いた。いや、気づかないフリをしていたのか。あの河鷺 昴莉の件について、だ。あの犯行は推測通り、犯人は
「城桜、お前だったのか」
うふ、と笑い城桜は俺から離れる。そして、
「また明日、結汰」
そう言い残し、帰っていった。
時刻は午後の六時。水族館を出て今は電車の中にいる。各駅停車の電車に乗っているせいか人はまばらで、特に俺達のいる車両は俺達以外誰も乗っていない。
本当の言葉を俺はどうするのか、そればかり頭の中をぐるぐる回って繰り返す。俺に問いかけるだけで要領を得ない。
「どうした?お主先程から元気がないではないか」
原因は貴方ですけどね、という言葉を飲み込んで横に座る城桜をチラと見る。
やはり、城桜を観察するも俺が好きだという行動も表情もしていない。見た目上だが。
「お前って意外とポーカーフェイスなんだな」
「そうでもないぞ?儂も面によく出す故にいつも会長に負けるのじゃ」
「負ける?何に?」
「トランプでの。今のところ百二試合中百二敗じゃ」
意外に負けず嫌いなのか、こいつ。
「ところでの、水族館でのことじゃが儂はお主のことは好かぬぞ?」
ふいと顔を背ける城桜。
「友人としては、な」
ボソリとなにかつぶやく。よく聞こえなかった。
「え、今なんて」
「何にも、じゃ」
電車の窓から見える夕焼けは、城桜の顔を照らし朱に染まっている。それは果たして、城桜が赤いのか、夕焼けで赤いのかは判別できなかった。
○ ○ ○
暫くして電車を降り、駅を出る。
「今日は楽しかったのう」
かけている眼鏡を外してにこやかに笑う。何故か少し寂し気な笑いだ。
「最後の締めといくかのう」
最後の、締め。男が、異性が好きだということを見張っている親衛隊に見せつける為に。手をつなぐ?それくらいしか思いつかない。
「やはり儂は意地悪じゃ」
そう言って城桜は俺の頬に、
キスをした。
「………は?」
まずい。これはまずい。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
俺が焦る理由はただひとつ。親衛隊からの、糾弾。それは即ち、いじめにつながる。
「大丈夫じゃよ。お主がいじめられたら誰もお主とは話さぬ。話し相手は儂がなってやろう?」
「最初、から、これが目的、だってのか」
「そうじゃ。お主を独り占めしたい。独占したい。ただそれだけの為にお主にデートを申し込んだ」
声が震えるのがわかる。何故だ?怒りでも悲しみでもない。何故こんな訳の分からない気持ちになる?
何故?分からない。分かるだろ?分からない分かりたくない!分かってるくせに。わからな
ーーーーーーいい加減にしろよ?お前はとうの昔に味わっているだろ?取嶺結汰。
喪失感だよ、バァーカ。
自分が自分を笑い馬鹿にする。
「それに、いるのは親衛隊などではないぞ?いるのは」
俺に抱きつき、耳元て囁く。
「臥京生徒会長、じゃ」
その瞬間、俺は気付いた。いや、気づかないフリをしていたのか。あの河鷺 昴莉の件について、だ。あの犯行は推測通り、犯人は
「城桜、お前だったのか」
うふ、と笑い城桜は俺から離れる。そして、
「また明日、結汰」
そう言い残し、帰っていった。
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
現実とサキュバスのあいだで ――夢で告白した相手が、同居を始めた話
そう
青春
ある日家に突然現れた謎のサキュバスのホルさん!
好感度はMAXなようで流されるがまま主人公はホルさんと日常を過ごします。
ほのぼのラブコメというか日常系小説
オチなどはなく、ただひたすらにまったりします
挿絵や文章にもAIを使用しております。
苦手な方はご注意ください。
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる