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河鷺昂莉はイジメの対象
春の群青は相変わらず思春期を惑わせる
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ある文豪は言った。
どうせ生きているからには、苦しいのは当たり前だと思え。
と。
その通りだ。生きているのだから苦しさもある。辛いことだってある。死にたいと思う時も投げ出したいと思う時も、人間には必ずあるものだ。
だが、反対意見だってある。
確かに人は苦しんでその先を見ようと必死になる。けど、苦しんでその先を見る必要が本当にあるのか?
いいではないか。楽しても。
いいではないか。周囲の様子を窺って同じようにしなくても。
理想は他人に押し付けるべきではない。理想は押し付けてはいけない。押し付けてもいいのは意見だけだ。
俺は、河鷺を助けたい。
何から?イジメ?それとも憐れみの目から?無理だ。お前じゃ。
無理なら、俺が…。
お前が何になるんだ?
俺が、悪になるだけだ。
城桜と話したその日の夜。俺はベットの上で考えていた。明日から、河鷺はイジメられることはなくなるだろう。どころか、いじめ団とも本当の友人になっている。
よく分からない人が多いと思うので1から説明させていただく。
俺はあのあと、放課後にイジメ団を呼び出した。もちろん場所は最初俺がイジメを目撃した場所だ。
方法はまぁ、読書の諸君の想像力で補ってくれ。正当法ではないのは確かだ。
本当に来るかは賭けだったが、そんな心配は杞憂に終わった。
「なんすか?あたしら今からスタバに行こうと思ってたんだけど」
うわぁ。近くで見るとケバくて今どきのギャルって感じ。日焼けサロンで焼きました感が半端なく伝わってくる。
しかも、わざわざ行き先まで言うとか!聞いてねぇし!しかも!スタバとか!オシャレな場所言ってますよアピールとか!マジパネェッス!
軽く咳払いをして俺は話し始める。
「なぁお前らがイジメてる奴の事なんだがな」
「チッ。あの女、先輩にちくるとかないわー」
顔を盛大に歪めて呟く。ここで重要なのは河鷺の名前を出さないこと。そして、河鷺の意思では無いことを示すこと。
「ああ、その事だけどな。イジメてる奴から頼まれて呼び出した訳じゃないんだ」
「てゆーか、あんた誰?あいつの何?」
ふ。名乗れと言われては仕方ない。…イヤね?ここでこんな事言われるとかっこよく名乗りたいじゃん?かっこよく決めたじゃん?だから今こそ言ってやろう!
「俺はな、生徒会しっ」
「生徒会執行部の参謀役じゃよ」
俺の後ろから城桜が出てくる。
ちょっと待って?俺のかっこよく名乗るシーンは?俺のいいところは!?なし?なしなの?なしなのか!?
「ーーーっ!?しっしっ城、さ、桜、先、輩…!?」
イジメ団たちが目を丸くして城桜を見る。コイツそんな有名なのか?
「お主はよくもまぁここまでやりおる。手紙内容は確か、『イジメの件で話がある。イジメていた馬鹿どもを連れて、昼休みにイジメていた場所に来い。来なければ教育委員会に訴える』じゃったかのう?」
イジメ団は未だに顔面蒼白で震えている。コイツの何が怖いの?只の変態じゃないか。
対して城桜はかんらからと笑っている。
「諦めろと言ったじゃろう。お主は分別もない子供か?」
「生憎だが俺は子供だ。それに、ここまで駆けつけたお前も子供だ」
「ふんっ。ぬかしおる」
イジメ団のリーダーがようやく口を開く。
「何でここに城桜先輩が…」
「汝らが儂のコウをイジメていると聞いてのう。じゃが儂は手を引いておった。それがコウの罪なのじゃから。しかし、汝らはやり過ぎた。この男に見つかり、この男が行動してしもうた。儂は動かねばならんよ」
「なぁ」
唇を固く結んでいるリーダーなに確認を取る。
「お前らは、あいつを利用道具としか思ってなかったのか?」
すると、驚きの返事が返ってきた。
「そんなこと、そんなことないに決まってんじゃん!あいつのことそんな風に思う訳ない!」
と、リーダーと取り巻きが泣く。
「?」
おかしい。俺が聞いた話だと取り巻きが悪いはず。俺が見る限り、こいつらはマジ泣きしている。
まぁそれは後で考えよう。
「なら、今すぐにでも河鷺に謝ってこい」
「あの娘があたしらをゆるしてくれるはずが」
「いいや許すね。あいつはあいつで非があった。だからお前らがイジメても抵抗もしなかったんだ」
「そう、だったんだ…」
「ああ、後もう一つ」
ここだ。こいつらが河鷺と完璧に溝を埋め立て、仲良くなる為の土台。
「河鷺が生徒会執行部に入れられたのはな、全て俺の計画だ。俺が生徒会長をそそのかして河鷺を生徒会執行部へ加入させたんだ。お前らが互いに仲のいい奴らを、なぁんにも悪いことをしてない友人をイジメてる姿は最高に見物だった。楽しませっ」
最後のセリフを言えなかった。頬を張られたのだ。誰に?ちなみに河鷺の友人(もういじめることはないので)ではない。
なら城桜?それも違う。なんせ下の方から叩かれたから。
俺の頬を張った手の元を見下ろす。そこには涙を流した河鷺がそこにいた。
「サイテーです!これ以上傷つけないでください!」
その一言を残し、友人達を連れてどこかへ行ってしまった。恐らくスタバ。
「おうおう。また派手に叩かれたのう?」
かんらからとまたも笑う城桜。
「正直に言って、マジで痛い」
赤く腫れた頬をさすり、夕焼け色に染まった空を見上げた。
痛いのは頬かはたまた心か。
どうせ生きているからには、苦しいのは当たり前だと思え。
と。
その通りだ。生きているのだから苦しさもある。辛いことだってある。死にたいと思う時も投げ出したいと思う時も、人間には必ずあるものだ。
だが、反対意見だってある。
確かに人は苦しんでその先を見ようと必死になる。けど、苦しんでその先を見る必要が本当にあるのか?
いいではないか。楽しても。
いいではないか。周囲の様子を窺って同じようにしなくても。
理想は他人に押し付けるべきではない。理想は押し付けてはいけない。押し付けてもいいのは意見だけだ。
俺は、河鷺を助けたい。
何から?イジメ?それとも憐れみの目から?無理だ。お前じゃ。
無理なら、俺が…。
お前が何になるんだ?
俺が、悪になるだけだ。
城桜と話したその日の夜。俺はベットの上で考えていた。明日から、河鷺はイジメられることはなくなるだろう。どころか、いじめ団とも本当の友人になっている。
よく分からない人が多いと思うので1から説明させていただく。
俺はあのあと、放課後にイジメ団を呼び出した。もちろん場所は最初俺がイジメを目撃した場所だ。
方法はまぁ、読書の諸君の想像力で補ってくれ。正当法ではないのは確かだ。
本当に来るかは賭けだったが、そんな心配は杞憂に終わった。
「なんすか?あたしら今からスタバに行こうと思ってたんだけど」
うわぁ。近くで見るとケバくて今どきのギャルって感じ。日焼けサロンで焼きました感が半端なく伝わってくる。
しかも、わざわざ行き先まで言うとか!聞いてねぇし!しかも!スタバとか!オシャレな場所言ってますよアピールとか!マジパネェッス!
軽く咳払いをして俺は話し始める。
「なぁお前らがイジメてる奴の事なんだがな」
「チッ。あの女、先輩にちくるとかないわー」
顔を盛大に歪めて呟く。ここで重要なのは河鷺の名前を出さないこと。そして、河鷺の意思では無いことを示すこと。
「ああ、その事だけどな。イジメてる奴から頼まれて呼び出した訳じゃないんだ」
「てゆーか、あんた誰?あいつの何?」
ふ。名乗れと言われては仕方ない。…イヤね?ここでこんな事言われるとかっこよく名乗りたいじゃん?かっこよく決めたじゃん?だから今こそ言ってやろう!
「俺はな、生徒会しっ」
「生徒会執行部の参謀役じゃよ」
俺の後ろから城桜が出てくる。
ちょっと待って?俺のかっこよく名乗るシーンは?俺のいいところは!?なし?なしなの?なしなのか!?
「ーーーっ!?しっしっ城、さ、桜、先、輩…!?」
イジメ団たちが目を丸くして城桜を見る。コイツそんな有名なのか?
「お主はよくもまぁここまでやりおる。手紙内容は確か、『イジメの件で話がある。イジメていた馬鹿どもを連れて、昼休みにイジメていた場所に来い。来なければ教育委員会に訴える』じゃったかのう?」
イジメ団は未だに顔面蒼白で震えている。コイツの何が怖いの?只の変態じゃないか。
対して城桜はかんらからと笑っている。
「諦めろと言ったじゃろう。お主は分別もない子供か?」
「生憎だが俺は子供だ。それに、ここまで駆けつけたお前も子供だ」
「ふんっ。ぬかしおる」
イジメ団のリーダーがようやく口を開く。
「何でここに城桜先輩が…」
「汝らが儂のコウをイジメていると聞いてのう。じゃが儂は手を引いておった。それがコウの罪なのじゃから。しかし、汝らはやり過ぎた。この男に見つかり、この男が行動してしもうた。儂は動かねばならんよ」
「なぁ」
唇を固く結んでいるリーダーなに確認を取る。
「お前らは、あいつを利用道具としか思ってなかったのか?」
すると、驚きの返事が返ってきた。
「そんなこと、そんなことないに決まってんじゃん!あいつのことそんな風に思う訳ない!」
と、リーダーと取り巻きが泣く。
「?」
おかしい。俺が聞いた話だと取り巻きが悪いはず。俺が見る限り、こいつらはマジ泣きしている。
まぁそれは後で考えよう。
「なら、今すぐにでも河鷺に謝ってこい」
「あの娘があたしらをゆるしてくれるはずが」
「いいや許すね。あいつはあいつで非があった。だからお前らがイジメても抵抗もしなかったんだ」
「そう、だったんだ…」
「ああ、後もう一つ」
ここだ。こいつらが河鷺と完璧に溝を埋め立て、仲良くなる為の土台。
「河鷺が生徒会執行部に入れられたのはな、全て俺の計画だ。俺が生徒会長をそそのかして河鷺を生徒会執行部へ加入させたんだ。お前らが互いに仲のいい奴らを、なぁんにも悪いことをしてない友人をイジメてる姿は最高に見物だった。楽しませっ」
最後のセリフを言えなかった。頬を張られたのだ。誰に?ちなみに河鷺の友人(もういじめることはないので)ではない。
なら城桜?それも違う。なんせ下の方から叩かれたから。
俺の頬を張った手の元を見下ろす。そこには涙を流した河鷺がそこにいた。
「サイテーです!これ以上傷つけないでください!」
その一言を残し、友人達を連れてどこかへ行ってしまった。恐らくスタバ。
「おうおう。また派手に叩かれたのう?」
かんらからとまたも笑う城桜。
「正直に言って、マジで痛い」
赤く腫れた頬をさすり、夕焼け色に染まった空を見上げた。
痛いのは頬かはたまた心か。
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