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信仰都市ギャンヴェル編
38 転生者は夢を見る
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前回のあらすじ。
邪神ヴリトラ生誕。
「祝う気にならねぇ」
漆黒の体を見て俺はぼやく。
「手間どころじゃないんだけど…」
ほとほと自分の運の悪さには呆れる。分からないのはこっちの方だってのに。恐らくファナティック司祭は死んでいる。精神としても肉体としてもだ。なので心置き無くぶちのめせる。ニャルラトホテプみたいに切っても切っても再生し且つ怨恨のこもったマナが吹き出ることもない。素晴らしいじゃないか!
「よぉし!おーい!ヴリトラ!遊ぼうぜ!お前、玩具な」
俺の声に気付いたのか、ヴリトラが俺に向かって飛んでくる。とんでもないスピードだ。が、見きれないほどではない。むしろ遅く感じる。
「裂傷魔法!」
ヴリトラが苦痛で悲鳴を上げる。見事当たったようである。ま、俺にかかればこんなもんだぜ。まだまだ、遊びはこれからだ!
「打ち落とせ!引力魔法」
宙に浮いているマナと地面に埋まっているマナを引き合せ、ヴリトラを落とす。マイナスとプラスの法則によく似ている。魔法は科学であり科学は魔法である。座右の銘に使えそうだ。
ヴリトラは見事魔法にかかり地面に思い切り激突する。
"ゴア!?"
何が起こっているかもわかっていないらしい。今なお空を飛ぼうと暴れている。可哀想に。嵌められ、裏切り者として扱われた挙句この仕打ち。
「まぁ、悲惨な最後だけど俺が殺してやる」
俺はヴリトラもといファナティック司祭に手をかざす。
「遺言は?って話せるわけねぇか」
"ワタ、シ、ノ、ムスメヲ、タノム…。ワタシ、シカ、アノコ、ニハ、ワタシ、シカイナイ、カラ…カネニ、ツラレルンジャ、ナカッタ"
赤い目から黒い涙が滴り、その奥では明るく優しい光が灯っていたが、次第に消えていきまた暴れだした。
「そうか、何とかしてやる。俺が何としてでも、な」
最後に悔いた狂信者。いや、狂信者などではない。娘の為に頑張った一人の立派な父親だ。愚者はとんでもなくオールマイティな存在だ。笑わせる。でも、そんな父親がいるなんて羨ましいと思ってしまう俺がいた。
「さて、気を取り直して。マザーグース第零詠唱。ハンプティ・ダンプティが塀に座った、ハンプティ・ダンプティが落っこちた、王の馬と家来が全てかかってもハンプティ・ダンプティはもどらない」
次の瞬間、ヴリトラは姿を消した。この詠唱は対象の時間を巻き戻し、存在しなくすることの出来るものだ。ただ、詠唱が長いため使うことはあまり無い。
「こんなのは、これ限りにしたいなぁ」
月がヴリトラのあけた大穴から、全ての真実を映し出そうと輝いていた。
邪神ヴリトラ生誕。
「祝う気にならねぇ」
漆黒の体を見て俺はぼやく。
「手間どころじゃないんだけど…」
ほとほと自分の運の悪さには呆れる。分からないのはこっちの方だってのに。恐らくファナティック司祭は死んでいる。精神としても肉体としてもだ。なので心置き無くぶちのめせる。ニャルラトホテプみたいに切っても切っても再生し且つ怨恨のこもったマナが吹き出ることもない。素晴らしいじゃないか!
「よぉし!おーい!ヴリトラ!遊ぼうぜ!お前、玩具な」
俺の声に気付いたのか、ヴリトラが俺に向かって飛んでくる。とんでもないスピードだ。が、見きれないほどではない。むしろ遅く感じる。
「裂傷魔法!」
ヴリトラが苦痛で悲鳴を上げる。見事当たったようである。ま、俺にかかればこんなもんだぜ。まだまだ、遊びはこれからだ!
「打ち落とせ!引力魔法」
宙に浮いているマナと地面に埋まっているマナを引き合せ、ヴリトラを落とす。マイナスとプラスの法則によく似ている。魔法は科学であり科学は魔法である。座右の銘に使えそうだ。
ヴリトラは見事魔法にかかり地面に思い切り激突する。
"ゴア!?"
何が起こっているかもわかっていないらしい。今なお空を飛ぼうと暴れている。可哀想に。嵌められ、裏切り者として扱われた挙句この仕打ち。
「まぁ、悲惨な最後だけど俺が殺してやる」
俺はヴリトラもといファナティック司祭に手をかざす。
「遺言は?って話せるわけねぇか」
"ワタ、シ、ノ、ムスメヲ、タノム…。ワタシ、シカ、アノコ、ニハ、ワタシ、シカイナイ、カラ…カネニ、ツラレルンジャ、ナカッタ"
赤い目から黒い涙が滴り、その奥では明るく優しい光が灯っていたが、次第に消えていきまた暴れだした。
「そうか、何とかしてやる。俺が何としてでも、な」
最後に悔いた狂信者。いや、狂信者などではない。娘の為に頑張った一人の立派な父親だ。愚者はとんでもなくオールマイティな存在だ。笑わせる。でも、そんな父親がいるなんて羨ましいと思ってしまう俺がいた。
「さて、気を取り直して。マザーグース第零詠唱。ハンプティ・ダンプティが塀に座った、ハンプティ・ダンプティが落っこちた、王の馬と家来が全てかかってもハンプティ・ダンプティはもどらない」
次の瞬間、ヴリトラは姿を消した。この詠唱は対象の時間を巻き戻し、存在しなくすることの出来るものだ。ただ、詠唱が長いため使うことはあまり無い。
「こんなのは、これ限りにしたいなぁ」
月がヴリトラのあけた大穴から、全ての真実を映し出そうと輝いていた。
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