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鉱山都市ロイハイゲン編
90 恋愛沙汰も気持ち次第
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朝は嫌いだ。眩しいし。でもこの世界に来てからは楽しいことだらけだ。俺が思っていた以上にこの世界は楽しい。
「おはようございます」
どうしてだろう。目を覚ますとぶかぶかのカッターシャツ(しかも俺のやつ)を着たマグがいた。そして下半身は何も履いていない。ぷにっとした太ももが大胆に晒されている。
「お、おう」
何故こんなに詳しく説明できるか、その理由は、
「何でお前は俺に馬乗りしてんの?」
俺の腹に毛布の上から馬乗りしているからだ。はっはっは。ナンテコッタイ。
「起こすために決まってるでしょう?」
「えー。おかしくない?馬乗りはおかしくない?」
「寝顔を見てました」
「嘘じゃん!」
「というのは全くの嘘です」
「そっちが嘘かよ!?」
「というのも嘘でそれら全ても嘘でその嘘が嘘でこの嘘も嘘。あの嘘も嘘で今の嘘も嘘です」
「わっかるかい!」
俺のツッコミは城中に轟いた。
○ ○ ○
「はぁ」
リヴィアンは深々とため息をつく。その隣で朝食を摂っていたレヴィアタンがそのため息を聞き首を傾げる。
「んむ?どうしたんじゃ?」
「…別に」
つんとした態度を取るリヴィアン。これまでのことをなし崩しにするにはまだもう少し時間がかかるようで、リヴィアンもレヴィアタンも距離を図りつつ話している。
「さては、色恋沙汰じゃな?」
「んなっ!?そ、そんなことないわ!」
動揺するリヴィアンをケラケラと笑い飛ばす。
「ま、手強い相手もおるようじゃのぉ」
「だ、誰のこと?」
「マグ、と言ったか」
「別に…」
今度はツンとしたものではなく、むっとしたものだった。頬を少し膨らませ机に突っ伏している。
「しかしまぁ、マグもリヴィと同じ気持ちじゃろう。恋愛沙汰で揉め事を起こすのは良い策とは思えん。せいぜい仲良うしとくのじゃな」
恋愛をさも知っているかのように騙っているが、レヴィアタン本人は恋愛を全くしたことがない。オロバスに抱いていたのはおそらく母性というもので、恋愛対象には至っていない。
その逆にオロバスはレヴィアタンに恋愛感情を持っていたことだろう。
「恋愛、のう。傍観するのなら楽しいものじゃが、如何せん取り入るのは御免こうむる」
「あんた、恋愛したことないでしょ」
「まぁの。でもまぁ恋愛のいざこざはリヴィよりも見てきたつもりじゃ。それはそれはドロドロしておったわい。例えばランスロット卿とアーサー王の妃のグィネヴィア王妃の不倫。あれは、もうなんというか、あれじゃ。もう見とうない」
思い出しただけでも相当のものなのか、レヴィアタンは顔を真っ青にさせる。
「アーサー王のあのブチ切れた顔に、ランスロット卿のさめざめとした口調。挙句グィネヴィアはアーサー王に呆れを見せる」
聞いただけでも胸焼けのする糞話。リヴィアンも顔をしかめる。
「更には…むぐっ!?」
「もういい。もういいから!」
ペラペラと饒舌になり始めるレヴィアタンの口を頭と口を挟むようにして押さえる。
「もう!そんな話聞かされたら不安になるでしょ!やめてよ!」
「むぐっ!むごっ!」
「だいたい、そんなの金持ちたちの話じゃない!常に貧乏な私たちには縁がないものなの!」
「ふぐっ、むもっ」
「それに私だってマグに勝てるし!」
「む、ふ、も…」
ムキになってリヴィアンはレヴィアタンの状態をよく見ていないようだが、レヴィアタンは瀕死状態である。
そこにトリストの声が響く。
「リヴィアン、レヴィアタン死にかけてるけど」
「え?」
そしてリヴィアンの悲鳴が食堂に轟いた。マグは溜息をつき、トリストは呆れ笑い。
「ま、こんな日も悪かねぇな」
ぽそりとつぶやくトリストは呆れ笑いから優しげな笑いに代わっていた。
「おはようございます」
どうしてだろう。目を覚ますとぶかぶかのカッターシャツ(しかも俺のやつ)を着たマグがいた。そして下半身は何も履いていない。ぷにっとした太ももが大胆に晒されている。
「お、おう」
何故こんなに詳しく説明できるか、その理由は、
「何でお前は俺に馬乗りしてんの?」
俺の腹に毛布の上から馬乗りしているからだ。はっはっは。ナンテコッタイ。
「起こすために決まってるでしょう?」
「えー。おかしくない?馬乗りはおかしくない?」
「寝顔を見てました」
「嘘じゃん!」
「というのは全くの嘘です」
「そっちが嘘かよ!?」
「というのも嘘でそれら全ても嘘でその嘘が嘘でこの嘘も嘘。あの嘘も嘘で今の嘘も嘘です」
「わっかるかい!」
俺のツッコミは城中に轟いた。
○ ○ ○
「はぁ」
リヴィアンは深々とため息をつく。その隣で朝食を摂っていたレヴィアタンがそのため息を聞き首を傾げる。
「んむ?どうしたんじゃ?」
「…別に」
つんとした態度を取るリヴィアン。これまでのことをなし崩しにするにはまだもう少し時間がかかるようで、リヴィアンもレヴィアタンも距離を図りつつ話している。
「さては、色恋沙汰じゃな?」
「んなっ!?そ、そんなことないわ!」
動揺するリヴィアンをケラケラと笑い飛ばす。
「ま、手強い相手もおるようじゃのぉ」
「だ、誰のこと?」
「マグ、と言ったか」
「別に…」
今度はツンとしたものではなく、むっとしたものだった。頬を少し膨らませ机に突っ伏している。
「しかしまぁ、マグもリヴィと同じ気持ちじゃろう。恋愛沙汰で揉め事を起こすのは良い策とは思えん。せいぜい仲良うしとくのじゃな」
恋愛をさも知っているかのように騙っているが、レヴィアタン本人は恋愛を全くしたことがない。オロバスに抱いていたのはおそらく母性というもので、恋愛対象には至っていない。
その逆にオロバスはレヴィアタンに恋愛感情を持っていたことだろう。
「恋愛、のう。傍観するのなら楽しいものじゃが、如何せん取り入るのは御免こうむる」
「あんた、恋愛したことないでしょ」
「まぁの。でもまぁ恋愛のいざこざはリヴィよりも見てきたつもりじゃ。それはそれはドロドロしておったわい。例えばランスロット卿とアーサー王の妃のグィネヴィア王妃の不倫。あれは、もうなんというか、あれじゃ。もう見とうない」
思い出しただけでも相当のものなのか、レヴィアタンは顔を真っ青にさせる。
「アーサー王のあのブチ切れた顔に、ランスロット卿のさめざめとした口調。挙句グィネヴィアはアーサー王に呆れを見せる」
聞いただけでも胸焼けのする糞話。リヴィアンも顔をしかめる。
「更には…むぐっ!?」
「もういい。もういいから!」
ペラペラと饒舌になり始めるレヴィアタンの口を頭と口を挟むようにして押さえる。
「もう!そんな話聞かされたら不安になるでしょ!やめてよ!」
「むぐっ!むごっ!」
「だいたい、そんなの金持ちたちの話じゃない!常に貧乏な私たちには縁がないものなの!」
「ふぐっ、むもっ」
「それに私だってマグに勝てるし!」
「む、ふ、も…」
ムキになってリヴィアンはレヴィアタンの状態をよく見ていないようだが、レヴィアタンは瀕死状態である。
そこにトリストの声が響く。
「リヴィアン、レヴィアタン死にかけてるけど」
「え?」
そしてリヴィアンの悲鳴が食堂に轟いた。マグは溜息をつき、トリストは呆れ笑い。
「ま、こんな日も悪かねぇな」
ぽそりとつぶやくトリストは呆れ笑いから優しげな笑いに代わっていた。
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