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貿易都市グリゴレオ編
3 転生して望むこと
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三回目の覚醒。
眼前に広がる景色は中世紀のような、それでもRPGの町っぽいものが広がっていた。
で、
「なんで俺、民家の屋根にいる訳?」
広がる街並み、賑やかな人々、澄み渡る空。
見るもの全てが美しく真新しい。
なのに、
「おっかしいだろ!召喚するにしても屋根の上とか!神ってのは皆こうなのか!?」
もうめちゃくちゃだ。あんの野郎、なーにが神様みたいなものだ、だ。悪魔じゃねぇか。
俺は今の出来事をため息で全て吐き出し、腹をくくる。
「まぁ文句を言ってても始まらないし。よし!平凡な日常を送ろう。主人公気取るないしモブを気取ろうか」
と、下がなにやら騒がしい。
屋根から顔をひょっこりと出すと、大きな図体の大男とあと三十人程度の下っ端が露店を荒らし叫んでいた。
「おらァ!食いもんありったけ出せぇ!出さねぇ奴がいたら連帯責任で皆殺しだぁ!」
その声に共鳴するように、下っ端共が叫ぶ。
こ、これはいわゆるイベント!
ここの神様はどうやら先読みするのが大好きなようだ。
だがしかし!あ、駄菓子の話じゃないよ。
俺がこのイベントに参加するとでも?いいや、しないね!
「おらァ!早くしろぉ!」
し、しないからな?
「ついでに女も連れていけぇ!今夜の楽しみが増えるってもんだァ!」
…しないから。
「イヤッ!やめて、助けて母さん!」
「やめてください!娘は娘だけは!」
叫ぶ母娘。それを大男は笑う。
「ぐははははっ!安心しろ!俺がこの娘のしょ」
「止めろ!あとそれ以上は規制がかかる!」
気づけば大声を出して屋根から飛び降りた。
ズドンッ!
着地地点が抉れる。わりかし痛くなかった。
「あんだぁ?だれだてめぇ?変な格好の奴だなぁ?まぁいいぃ!邪魔するならぁ、野郎どもぉ!ぶっ殺せぇ!」
変な格好?あれっ、制服のまま!?服の気遣いくらいしてくれてもいいのではないだろうか?
そんな他愛のないことを考えていると、下っ端に囲まれる。あ、やばい。
そう思った時、頭に一瞬だけノイズがはしる。
そして、
'チュートリアルを開始します'
あ?
女か男かわからない声が頭に響き、わけのわからないことを話し始める。
'この世界にはマナ、すなわち魔力分子が存在します。このマナを使い、いろいろな魔法が使えます。では、先ずは火を司る魔法を使いましょう。私の後に続いて詠唱してください'
やけに棒読みなのだが…。
が、せっかくこの状況から逃げおおせることができるのだ。従うに越したことは無い。
'マザーグース第一詠唱'
「ま、マザーグース第一詠唱!」
'十字を焼く焔に告ぐ'
「十字を焼く焔に告ぐ!」
そして、頭の中の声と共鳴する。
「'目の前の敵を焼き払え!'」
ごうっ。
この一言で済ますことが出来た。
何も無いところから火の手が上がり、盗賊(ここではこう言わせてもらおう)の下っ端たちがまっ黒焦げになって転がっていた。
焼死体。焼かれ死んだ体。
「あ、あ」
俺が、殺した。この無惨に焼き殺されたのは人間だ。俺と同じ、人間。
俺のショックを無視するように先ほどの声が頭の中で話し始める。
'お見事です。初めてのモンスター討伐おめでとうございます'
あ?何言って、
「あれ見て!」
誰かが死体を指さす。
すると、焼死体が消え代わりに錆色に濁った玉がそこにあった。
'その玉はギルドに持っていくことでお金に換金することができます。玉は大きさにより値段が違うので要注意です'
は、モンスター?どう見ても人間
「人型のモンスター」
カツカツと。白金の鎧をまとった女騎士が先程の大男の髪を掴んでこちらに歩み寄る。
金髪のロングヘアに赤い宝石の施されたヘアピン。鎧の外からでもわかるくらいの完璧ボディ。
可愛らしいという言葉当てはまらず、美しいという表現が正しいのだろう。
観衆達は彼女を見て口々に名前を囁く。
「聖騎士マリア様だ」
「ああ、いつ見ても美しい」
「ハァハァ、罵られたい」
最後のヤツ、頭おかしいだろ。
てかマリアって、神々しい名前だな。名前呼ぶのも億劫になる。
マリアはそんな観衆目線は慣れてますというように俺に話しかける。
「貴方、不思議な人ね。格好もおかしいし、ここでは見ない顔ね」
着々と品定めがされているなか疑問が頭をぐるぐると渦巻く。
ここには転生者がいないのか?
召喚という手段もあるはずなのに。
「貴方、名前は?」
「名前は、」
ここで口ごもる。前世の名前を使うべきなのか、もしくは名前を変えるべきなのか。
ちなみに言わせてもらうと、俺が読んできた転生ものは全て最初に名前は出てこなかった。
今更だが名前って難しい。
「聞いてるの?」
「ええっ…とぉ、ヒノキ=ツマヅキ、です?」
「なんで疑問系なのかしら?」
ああ、本名名乗っちゃった。詐欺に遭うかもしれない。振り込め詐欺に引っかかった時のための保険とかここにないかな。
そんな馬鹿なことを考えている俺にくすっとマリアは笑う。
観衆達はその笑みで殆どが溜め息をつく。ここの町の人達、結構面白いリアクションしてくれそう。
「面白いわ。ヒノキ=ツマヅキ。私のギルドに入らない?」
…は?
眼前に広がる景色は中世紀のような、それでもRPGの町っぽいものが広がっていた。
で、
「なんで俺、民家の屋根にいる訳?」
広がる街並み、賑やかな人々、澄み渡る空。
見るもの全てが美しく真新しい。
なのに、
「おっかしいだろ!召喚するにしても屋根の上とか!神ってのは皆こうなのか!?」
もうめちゃくちゃだ。あんの野郎、なーにが神様みたいなものだ、だ。悪魔じゃねぇか。
俺は今の出来事をため息で全て吐き出し、腹をくくる。
「まぁ文句を言ってても始まらないし。よし!平凡な日常を送ろう。主人公気取るないしモブを気取ろうか」
と、下がなにやら騒がしい。
屋根から顔をひょっこりと出すと、大きな図体の大男とあと三十人程度の下っ端が露店を荒らし叫んでいた。
「おらァ!食いもんありったけ出せぇ!出さねぇ奴がいたら連帯責任で皆殺しだぁ!」
その声に共鳴するように、下っ端共が叫ぶ。
こ、これはいわゆるイベント!
ここの神様はどうやら先読みするのが大好きなようだ。
だがしかし!あ、駄菓子の話じゃないよ。
俺がこのイベントに参加するとでも?いいや、しないね!
「おらァ!早くしろぉ!」
し、しないからな?
「ついでに女も連れていけぇ!今夜の楽しみが増えるってもんだァ!」
…しないから。
「イヤッ!やめて、助けて母さん!」
「やめてください!娘は娘だけは!」
叫ぶ母娘。それを大男は笑う。
「ぐははははっ!安心しろ!俺がこの娘のしょ」
「止めろ!あとそれ以上は規制がかかる!」
気づけば大声を出して屋根から飛び降りた。
ズドンッ!
着地地点が抉れる。わりかし痛くなかった。
「あんだぁ?だれだてめぇ?変な格好の奴だなぁ?まぁいいぃ!邪魔するならぁ、野郎どもぉ!ぶっ殺せぇ!」
変な格好?あれっ、制服のまま!?服の気遣いくらいしてくれてもいいのではないだろうか?
そんな他愛のないことを考えていると、下っ端に囲まれる。あ、やばい。
そう思った時、頭に一瞬だけノイズがはしる。
そして、
'チュートリアルを開始します'
あ?
女か男かわからない声が頭に響き、わけのわからないことを話し始める。
'この世界にはマナ、すなわち魔力分子が存在します。このマナを使い、いろいろな魔法が使えます。では、先ずは火を司る魔法を使いましょう。私の後に続いて詠唱してください'
やけに棒読みなのだが…。
が、せっかくこの状況から逃げおおせることができるのだ。従うに越したことは無い。
'マザーグース第一詠唱'
「ま、マザーグース第一詠唱!」
'十字を焼く焔に告ぐ'
「十字を焼く焔に告ぐ!」
そして、頭の中の声と共鳴する。
「'目の前の敵を焼き払え!'」
ごうっ。
この一言で済ますことが出来た。
何も無いところから火の手が上がり、盗賊(ここではこう言わせてもらおう)の下っ端たちがまっ黒焦げになって転がっていた。
焼死体。焼かれ死んだ体。
「あ、あ」
俺が、殺した。この無惨に焼き殺されたのは人間だ。俺と同じ、人間。
俺のショックを無視するように先ほどの声が頭の中で話し始める。
'お見事です。初めてのモンスター討伐おめでとうございます'
あ?何言って、
「あれ見て!」
誰かが死体を指さす。
すると、焼死体が消え代わりに錆色に濁った玉がそこにあった。
'その玉はギルドに持っていくことでお金に換金することができます。玉は大きさにより値段が違うので要注意です'
は、モンスター?どう見ても人間
「人型のモンスター」
カツカツと。白金の鎧をまとった女騎士が先程の大男の髪を掴んでこちらに歩み寄る。
金髪のロングヘアに赤い宝石の施されたヘアピン。鎧の外からでもわかるくらいの完璧ボディ。
可愛らしいという言葉当てはまらず、美しいという表現が正しいのだろう。
観衆達は彼女を見て口々に名前を囁く。
「聖騎士マリア様だ」
「ああ、いつ見ても美しい」
「ハァハァ、罵られたい」
最後のヤツ、頭おかしいだろ。
てかマリアって、神々しい名前だな。名前呼ぶのも億劫になる。
マリアはそんな観衆目線は慣れてますというように俺に話しかける。
「貴方、不思議な人ね。格好もおかしいし、ここでは見ない顔ね」
着々と品定めがされているなか疑問が頭をぐるぐると渦巻く。
ここには転生者がいないのか?
召喚という手段もあるはずなのに。
「貴方、名前は?」
「名前は、」
ここで口ごもる。前世の名前を使うべきなのか、もしくは名前を変えるべきなのか。
ちなみに言わせてもらうと、俺が読んできた転生ものは全て最初に名前は出てこなかった。
今更だが名前って難しい。
「聞いてるの?」
「ええっ…とぉ、ヒノキ=ツマヅキ、です?」
「なんで疑問系なのかしら?」
ああ、本名名乗っちゃった。詐欺に遭うかもしれない。振り込め詐欺に引っかかった時のための保険とかここにないかな。
そんな馬鹿なことを考えている俺にくすっとマリアは笑う。
観衆達はその笑みで殆どが溜め息をつく。ここの町の人達、結構面白いリアクションしてくれそう。
「面白いわ。ヒノキ=ツマヅキ。私のギルドに入らない?」
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