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十二章:コールド・ハート
第100話 タブー
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戦いは圧倒的にイゾウにとって不利であった。空気中の水分を氷に変え、四方八方から仕掛けて来るヴァーシの攻撃に防戦一方だったイゾウは、柱や壁に隠れながら対策を考えようとする。しかし、そんな猶予も与えまいと彼女は床に蔓延っている霜や、割れた窓から吹き込んでくる雪さえも同じように操って攻撃を仕掛ける。気配も探られてしまう上に、逃げ場も無い状況下でイゾウは追い詰められていた。
「あの場所か!?」
「かもね !」
その最中にクリスとメリッサの二人は、手掛かりを求めて旧市街のランドマークであった聖堂の前にさしかかる。中に入ろうとした二人だったが、入口を塞ぐ巨大な氷塊に阻まれ立ち往生した。
「…下がってろ !」
分厚そうな氷塊から距離を取ったクリスは、拳銃を両手に携えてメリッサへ指示する。彼女が離れたのを見計らってから、クリスはすべて打ち尽くすような勢いで弾丸を放っては氷塊にぶつけた。無数の穴が開いた後に助走をつけ、脆くなった氷塊に蹴りを入れる。そして砕けた氷塊の破片に混じって聖堂の中へとクリスは飛び込んだ。
「お前… !」
隠れていたイゾウが思わず顔を出して呼びかけた。
「色々と言いたい事はあるが…まあ後回しだな」
クリスはすぐにでも質問を浴びせたい気持ちを抑え、こちらを睨むヴァーシへ目を向ける。
「ようやく来たのね。いつ以来 ?」
聖堂の奥で待ち構えていたヴァーシはこちらへ近づきながら口を開く。やっぱりとでも言いたげな顔をしたクリスは、返答に困っているのか彼女から目を逸らしている。
「昔と変わんないわね、そうやって都合が悪いと黙る癖」
ヴァーシは相も変わらずクリスへ皮肉交じりに話しかけ続ける。遅れて入って来たメリッサや物陰から出て来たイゾウには目もくれていなかった。
「お前がやったのか ?」
「言わなくても見れば分かるでしょ?それに…私に技を教えたのは、他ならぬ貴方自身じゃない」
今更感のある質問をしてきたクリスに対して、ヴァーシは過去に持っていた自分との関係を暴露した。イゾウ達はここに来て知らされた因縁に驚愕し、思わずクリスの方を見る。
「…本当か ?」
「ああ」
何か考え事をしているのか、少し言葉に詰まりながらイゾウが聞き直す。嘘をつく理由も無かったクリスは、彼女の話が真実である事を改めて告げた。その時、再び氷柱が出現すると三人に目掛けて一斉に降り注いでくる。慌てて物陰に飛び込んだクリス達だったが、着地した床から氷で作られた槍が生えるように突き出て来る。休む暇が無かった。
「話は終わりよ」
ヴァーシはそう言い放ちながら続々と攻撃を続ける。このままではらちが明かないと踏んだクリスは、自分が囮になろうと物陰から飛び出して彼女へ挑みかかった。銃弾がこちらへ飛んできた瞬間、ヴァーシは氷塊を出して防ごうとするものの予想外の威力に慄いてしまう。
「今はネロの弟子って事か、なあ ?」
「誰かさんのせいで大事な友達を見殺しにされたからね… !絶望のどん底にいた私をあの人は救ってくれた」
「救う ?使えそうな犬をスカウトしたの間違いだろ」
「…その減らず口もここで終わらせてやるわ」
クリスの目の前で処刑をされた義妹は、彼女の親友であった。ヴァーシはその事を恨み続けていたのである。銃弾でヴァーシの攻撃を捌いたクリスは、ようやく彼女に接近してから拳を握りしめて殴ろうとする。しかし躱されてしまい、彼女が背後で遠隔操作をしていた氷柱や氷の槍による奇襲を許してしまう。
瞬間移動で躱した筈のクリスだったが、攻撃の一部が掠っていたらしく呼吸用の酸素を詰めたタンクに穴が開いていた。この状況下で肌を露出させるのはマズいと考えたが、使えなくなったガラクタを背負っていても仕方が無いとクリスはタンクやマスクをその場に捨てる。彼女も両腕に氷で形成した双剣を構えてこちらを睨んでいる。
そのまま二人一斉に攻撃を始め、激しい応酬が繰り広げられる。隠れていたイゾウも攻撃が止んだ事に気づき、白兵戦を行う二人の元へ刀と共に突っ込んで行った。携行していたライフルで援護射撃を行うメリッサだったが、氷を出現させて弾丸の軌道を逸らされてしまうせいで思うように当たらない。結局舌打ちをしてからサーベルを引き抜いて、メリッサも物陰から姿を現した。
三対一という状況であったが、彼女は既に覚悟を決めているらしく辺りに大量の氷柱や氷塊を浮かび上がらせて待ち構えている。彼女を囲っていた三人はしばらく様子を見ていたが、とうとう我慢できなくなったイゾウが仕掛けたのを皮切りに二人も後に続いた。
最初こそ三人を相手に魔法を織り交ぜながら戦っていたヴァーシだったが、次第に体力の差と手数によって三人に追い詰められていく。その苛烈な状況の中で、一瞬攻撃の手が緩んだ瞬間を見計らい、メリッサが背後から斬りつけた。直後、怯んだ彼女の腕をイゾウが氷の剣ごと切り落とす。続けざまに近くの祭壇を蹴って飛びあがったクリスが延髄へ回し蹴りを入れて彼女を倒した。
起き上がろうとしたヴァーシだったが、イゾウが彼女の足に刀を突き刺す。そして、掴みかかった後に幾度となく鬼気迫った彼女の顔を殴り続けた。
「やりすぎだ !よせ !」
「そのまま抑えてて」
明らかに異常な執着心を見せるイゾウをクリスは羽交い絞めにして、急いでヴァーシから引き離す。メリッサはクリスにイゾウを任せると、辛うじて意識のある彼女へ体を近づけた。
「殺された見張りの魔術師は成人すらしていない子供しかいなかった。なぜ ?」
「…はっ…人手…不足よ…ブラザーフッドは…本拠地以外…もう、戦う力が殆ど無い…子供だろうと…使うしかない…」
メリッサの質問に息も絶え絶えな状態でヴァーシは答える。もう諦めているらしく、存外素直であった。
「殺すなら…殺して…こんなザマじゃ…生きて帰った所で…始末されるだけだから…」
彼女がそう言いながらこちらを見ている事にクリスは気づく。最後の最後まで自分を恨んでいるのだろうか、その眼差しは決して穏やかなものではなかった。その視線に少し胸が締め付けられた様な心境になった直後、隙があると見たイゾウが顔面へ肘を入れて拘束を振りほどく。そのまま詰め寄ってから足に刺さっていた刀を無理やり引き抜き、間髪入れることなく痛みに苦しむ彼女の胸へと突き刺した。
「ちょっと… !」
メリッサが止めようとした頃には刀が突き立てられており、彼女はか細い呼吸を数度繰り返した後に死亡した。血が止めどなく辺りに染みわたって行き、次第に気温が上がっていくのを三人は感じる。気候さえもが魔法によって操作をされていた。
「まだ情報を聞き出せたかもしれないのに――」
「殺せと言われたから殺してやった。何の問題がある」
明かな私情による独断で殺害した事について、流石に見過ごすわけには行かないとメリッサが文句を言おうとする。しかしイゾウはそれを遮って望み通りにしただけだと抗議を突っぱねた。
「聞きたい事はまだある。今回の任務の詳細を見てなかったのか ?敵側に少年兵がいる可能性があるから出来る限り殺傷は避けろと――」
「始末しなきゃまた新しい火種が生まれるだけだ」
「他に方法があっただろ。それなのに…」
「どんな方法だ ?子供だから殺したくないと言って見逃すか ?そうして結局戦いを拡大させた戦犯風情が偉そうにほざくな… !」
どうにか宥めようとするクリスだったが、イゾウは自分の事情も知らずに好き勝手に言って来る彼らに苛ついていた。とうとう頭に血が上ったのか、クリスが過去に犯した過ちについて引き合いに出す。
「…今、なんて言った ?」
そう尋ねるクリスは拳を握りしめていた。
「この際だから何度でも言ってやるよ。今起きている戦いや騒動だって、どれも元を辿ればお前が原因だろ !好き放題した挙句にてめえの仲間を裏切ってちゃ世話ねえさ !何も思わないか ?自分が稽古付けてやった弟子が死んだっていうのに…お前みたいな尻軽野郎に理解しろって方が無茶だろうな。てめえの家族も今頃お前の事を鼻で笑ってるだろ――」
段々と熱が入り始めたイゾウが彼へ罵倒を浴びせ続けていく。とうとうクリスは耐えきれなくなり、全て言い終える前に彼を殴り倒した。
「二人とも何やってんの!?」
慌てて間に入りながらメリッサが窘める。クリスも流石にマズかったと我に返ってから拳を引っ込めるが、イゾウはそんな彼を見ながら笑い出した。
「死んだその女が言ってたとおりだ…都合が悪くなればすぐ力に頼る」
イゾウの嘲笑が耳に入った瞬間、クリスは体を硬直させた。心のどこかで図星だと感じていたのか上手く言い返せるような文句も思いつけず、気が付いたら頭の中が真っ白になっていた。そうやって少し黙っていた時に外で足音が響き、数人の兵士達が聖堂へと入って来る。
「異常気象に大幅な改善が見れらたそうです。それと周辺で情報にあった魔術師の死体が複数確認されているのですが…」
「…上に伝えろ。懲罰房に空きを作っておけってな」
周辺の状況を伝えてくれた兵士に伝言を渡してクリスは歩き出す。イゾウとメリッサの顔を確認する気にはならなかった。とにかく何かから逃れたいという一心で、周りからの労いも意に介さずに聖堂を出て行った。
「あの場所か!?」
「かもね !」
その最中にクリスとメリッサの二人は、手掛かりを求めて旧市街のランドマークであった聖堂の前にさしかかる。中に入ろうとした二人だったが、入口を塞ぐ巨大な氷塊に阻まれ立ち往生した。
「…下がってろ !」
分厚そうな氷塊から距離を取ったクリスは、拳銃を両手に携えてメリッサへ指示する。彼女が離れたのを見計らってから、クリスはすべて打ち尽くすような勢いで弾丸を放っては氷塊にぶつけた。無数の穴が開いた後に助走をつけ、脆くなった氷塊に蹴りを入れる。そして砕けた氷塊の破片に混じって聖堂の中へとクリスは飛び込んだ。
「お前… !」
隠れていたイゾウが思わず顔を出して呼びかけた。
「色々と言いたい事はあるが…まあ後回しだな」
クリスはすぐにでも質問を浴びせたい気持ちを抑え、こちらを睨むヴァーシへ目を向ける。
「ようやく来たのね。いつ以来 ?」
聖堂の奥で待ち構えていたヴァーシはこちらへ近づきながら口を開く。やっぱりとでも言いたげな顔をしたクリスは、返答に困っているのか彼女から目を逸らしている。
「昔と変わんないわね、そうやって都合が悪いと黙る癖」
ヴァーシは相も変わらずクリスへ皮肉交じりに話しかけ続ける。遅れて入って来たメリッサや物陰から出て来たイゾウには目もくれていなかった。
「お前がやったのか ?」
「言わなくても見れば分かるでしょ?それに…私に技を教えたのは、他ならぬ貴方自身じゃない」
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「…本当か ?」
「ああ」
何か考え事をしているのか、少し言葉に詰まりながらイゾウが聞き直す。嘘をつく理由も無かったクリスは、彼女の話が真実である事を改めて告げた。その時、再び氷柱が出現すると三人に目掛けて一斉に降り注いでくる。慌てて物陰に飛び込んだクリス達だったが、着地した床から氷で作られた槍が生えるように突き出て来る。休む暇が無かった。
「話は終わりよ」
ヴァーシはそう言い放ちながら続々と攻撃を続ける。このままではらちが明かないと踏んだクリスは、自分が囮になろうと物陰から飛び出して彼女へ挑みかかった。銃弾がこちらへ飛んできた瞬間、ヴァーシは氷塊を出して防ごうとするものの予想外の威力に慄いてしまう。
「今はネロの弟子って事か、なあ ?」
「誰かさんのせいで大事な友達を見殺しにされたからね… !絶望のどん底にいた私をあの人は救ってくれた」
「救う ?使えそうな犬をスカウトしたの間違いだろ」
「…その減らず口もここで終わらせてやるわ」
クリスの目の前で処刑をされた義妹は、彼女の親友であった。ヴァーシはその事を恨み続けていたのである。銃弾でヴァーシの攻撃を捌いたクリスは、ようやく彼女に接近してから拳を握りしめて殴ろうとする。しかし躱されてしまい、彼女が背後で遠隔操作をしていた氷柱や氷の槍による奇襲を許してしまう。
瞬間移動で躱した筈のクリスだったが、攻撃の一部が掠っていたらしく呼吸用の酸素を詰めたタンクに穴が開いていた。この状況下で肌を露出させるのはマズいと考えたが、使えなくなったガラクタを背負っていても仕方が無いとクリスはタンクやマスクをその場に捨てる。彼女も両腕に氷で形成した双剣を構えてこちらを睨んでいる。
そのまま二人一斉に攻撃を始め、激しい応酬が繰り広げられる。隠れていたイゾウも攻撃が止んだ事に気づき、白兵戦を行う二人の元へ刀と共に突っ込んで行った。携行していたライフルで援護射撃を行うメリッサだったが、氷を出現させて弾丸の軌道を逸らされてしまうせいで思うように当たらない。結局舌打ちをしてからサーベルを引き抜いて、メリッサも物陰から姿を現した。
三対一という状況であったが、彼女は既に覚悟を決めているらしく辺りに大量の氷柱や氷塊を浮かび上がらせて待ち構えている。彼女を囲っていた三人はしばらく様子を見ていたが、とうとう我慢できなくなったイゾウが仕掛けたのを皮切りに二人も後に続いた。
最初こそ三人を相手に魔法を織り交ぜながら戦っていたヴァーシだったが、次第に体力の差と手数によって三人に追い詰められていく。その苛烈な状況の中で、一瞬攻撃の手が緩んだ瞬間を見計らい、メリッサが背後から斬りつけた。直後、怯んだ彼女の腕をイゾウが氷の剣ごと切り落とす。続けざまに近くの祭壇を蹴って飛びあがったクリスが延髄へ回し蹴りを入れて彼女を倒した。
起き上がろうとしたヴァーシだったが、イゾウが彼女の足に刀を突き刺す。そして、掴みかかった後に幾度となく鬼気迫った彼女の顔を殴り続けた。
「やりすぎだ !よせ !」
「そのまま抑えてて」
明らかに異常な執着心を見せるイゾウをクリスは羽交い絞めにして、急いでヴァーシから引き離す。メリッサはクリスにイゾウを任せると、辛うじて意識のある彼女へ体を近づけた。
「殺された見張りの魔術師は成人すらしていない子供しかいなかった。なぜ ?」
「…はっ…人手…不足よ…ブラザーフッドは…本拠地以外…もう、戦う力が殆ど無い…子供だろうと…使うしかない…」
メリッサの質問に息も絶え絶えな状態でヴァーシは答える。もう諦めているらしく、存外素直であった。
「殺すなら…殺して…こんなザマじゃ…生きて帰った所で…始末されるだけだから…」
彼女がそう言いながらこちらを見ている事にクリスは気づく。最後の最後まで自分を恨んでいるのだろうか、その眼差しは決して穏やかなものではなかった。その視線に少し胸が締め付けられた様な心境になった直後、隙があると見たイゾウが顔面へ肘を入れて拘束を振りほどく。そのまま詰め寄ってから足に刺さっていた刀を無理やり引き抜き、間髪入れることなく痛みに苦しむ彼女の胸へと突き刺した。
「ちょっと… !」
メリッサが止めようとした頃には刀が突き立てられており、彼女はか細い呼吸を数度繰り返した後に死亡した。血が止めどなく辺りに染みわたって行き、次第に気温が上がっていくのを三人は感じる。気候さえもが魔法によって操作をされていた。
「まだ情報を聞き出せたかもしれないのに――」
「殺せと言われたから殺してやった。何の問題がある」
明かな私情による独断で殺害した事について、流石に見過ごすわけには行かないとメリッサが文句を言おうとする。しかしイゾウはそれを遮って望み通りにしただけだと抗議を突っぱねた。
「聞きたい事はまだある。今回の任務の詳細を見てなかったのか ?敵側に少年兵がいる可能性があるから出来る限り殺傷は避けろと――」
「始末しなきゃまた新しい火種が生まれるだけだ」
「他に方法があっただろ。それなのに…」
「どんな方法だ ?子供だから殺したくないと言って見逃すか ?そうして結局戦いを拡大させた戦犯風情が偉そうにほざくな… !」
どうにか宥めようとするクリスだったが、イゾウは自分の事情も知らずに好き勝手に言って来る彼らに苛ついていた。とうとう頭に血が上ったのか、クリスが過去に犯した過ちについて引き合いに出す。
「…今、なんて言った ?」
そう尋ねるクリスは拳を握りしめていた。
「この際だから何度でも言ってやるよ。今起きている戦いや騒動だって、どれも元を辿ればお前が原因だろ !好き放題した挙句にてめえの仲間を裏切ってちゃ世話ねえさ !何も思わないか ?自分が稽古付けてやった弟子が死んだっていうのに…お前みたいな尻軽野郎に理解しろって方が無茶だろうな。てめえの家族も今頃お前の事を鼻で笑ってるだろ――」
段々と熱が入り始めたイゾウが彼へ罵倒を浴びせ続けていく。とうとうクリスは耐えきれなくなり、全て言い終える前に彼を殴り倒した。
「二人とも何やってんの!?」
慌てて間に入りながらメリッサが窘める。クリスも流石にマズかったと我に返ってから拳を引っ込めるが、イゾウはそんな彼を見ながら笑い出した。
「死んだその女が言ってたとおりだ…都合が悪くなればすぐ力に頼る」
イゾウの嘲笑が耳に入った瞬間、クリスは体を硬直させた。心のどこかで図星だと感じていたのか上手く言い返せるような文句も思いつけず、気が付いたら頭の中が真っ白になっていた。そうやって少し黙っていた時に外で足音が響き、数人の兵士達が聖堂へと入って来る。
「異常気象に大幅な改善が見れらたそうです。それと周辺で情報にあった魔術師の死体が複数確認されているのですが…」
「…上に伝えろ。懲罰房に空きを作っておけってな」
周辺の状況を伝えてくれた兵士に伝言を渡してクリスは歩き出す。イゾウとメリッサの顔を確認する気にはならなかった。とにかく何かから逃れたいという一心で、周りからの労いも意に介さずに聖堂を出て行った。
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